財布忘れた!

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財布忘れた!

「……や……たかや……」  うるせぇなぁ、人が気持ちよく寝てるのに誰だよ。俺を呼ぶ声で目を覚ます。すると声の主がベッドにいる俺を覗き込んできた。 「貴哉起きろー?遅刻すんぞー」 「遅刻!今何時だ!」  遅刻と言うワードに慌てて飛び起きてスマホで時間を確認すると、結構いい時間だった。てか目覚まし鳴ったか?確認すると、一度鳴ったのを解除している形跡があった。  嘘だろ?またそのまま寝たって事か!   「ふぅ、あぶねー、また遅刻するとこだった」 「早く着替えて行くよー」 「はーい……ん?」  俺の制服をハンガーから取ってくれてるチャラ男。何故早川がここに? 「お前っ何で俺の部屋にいんだよ!」 「ああ、貴哉が起きられるか心配だったから寄ってみたんだよ。そしたらやっぱり寝てたな」  ニヤッと笑って俺を見る早川。まるで俺の勝ちだと言わんばかりの顔しやがる! 「勝手に入りやがって!」 「文句は後。もう歩きじゃ間に合わない時間だからな。ほら早く準備して、飛ばして行くぞー」 「クソーーー!」  俺は悔しい思いをしながらも退学を免れるために急いで支度をしてチャラ男号の後ろに跨った。  早川の勝ち誇った顔がムカつく!  今日は急いでいるのか結構スピードを出していた。 「貴哉~朝飯買うだろ?この先にあるコンビニ寄るぞ」 「おうサンキュ!えーっと、財布……あ!」 「おい、まさか?」 「財布忘れた!」 「おいおいマジかよ、ここは俺が出すから買って来いよ」 「いい!それより急げ!」 「まったく、落ちるんじゃねぇぞー!」  寝坊するわ、財布忘れるわ、早川に世話になるわで朝から最悪だ!  チャラ男号は猛スピードで学校まで走って行った。
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