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いわば邪馬台国パークの命運をかけたといってもいいイベントである「邪馬台国祭り」の企画運営者の責任者が、僕である。
僕は現在二十五歳。
邪馬台国パークがオープンしたときは中学生だった。
父親の影響もあり古代史好き、邪馬台国好きとなっていた僕にとって、邪馬台国のテーマパークを作るという話を聞いたときは、うれしくて仕方がなかった。
だって、邪馬台国を自分たちの手で作れるなんて!
施設がオープンした後は、アルバイトとして(別にお金なんてもらってなかったけど)働いていた僕は、高校を卒業した後は、正式にスタッフとしてパークのスタッフとして働いている。
社長である父親は、行動力はあるが、事務的なことや施設の管理運営といったことについてはさっぱりなので、今ではそれらのことは僕がすべて取り仕切っている。
大変なことも多いけど、毎日邪馬台国に関係する仕事ができるのはうれしかったし、辛いなんて思ったこともなかった。
幸いスタッフの人も僕と同じ考えの人が多くて協力的だったので、パークで働く毎日は楽しかったし、充実していた。
邪馬台国祭りの開催期間はちょうど三連休にあたる三日間。
多くの人に来場してもらうために、様々なイベントを用意している。
参加者に邪馬台国の女王・卑弥呼の格好をしてもらい、誰が卑弥呼に一番ふさわしいかを決める「ミス卑弥呼コンテスト」。
通常営業で実施している邪馬台国ショーの内容を拡大した「十周年特別版・邪馬台国ショー」。
そのほかにも多くのアトラクションを用意している。
そして、邪馬台国祭りのメインイベントでありフィナーレを飾るのは、最終日に実施する「邪馬台国大合唱」。
これは「邪馬台国の歌」と呼ばれる邪馬台国パークで作った歌を、ショーで卑弥呼役を務める女性を中心にして、スタッフやお客さん全員で歌って踊って盛り上がろうというものだ。
パーク内で一番高い建物である物見櫓の上に卑弥呼役の女性が立ち、それをその場にいる全員が囲んで、みんなが一体となって楽しく歌って踊る……きっとすごく盛り上がるはずだ。
本番に向けて解決すべき課題も多くあったが、スタッフと協力しながらひとつずつクリアしていった。
このままいけば、素晴らしい邪馬台国祭りになる。
僕もスタッフも、そう思っていた。
……しかし、そううまくはいかなかった。
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