ドム嫌いの人間サブは妖ドムに妄愛される

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可愛い(good)。——帯を解いて見せて(strip)」  気ながしの帯を解いて、左右に広げて見せる。  ——心臓が爆発してしまいそうだ。  大きくて早い鼓動が全身を脈打っていて、白月にまで聞こえているんじゃないかと思うと不安になった。 「とても綺麗だよ空良。——ちゃんと見せれて偉いね(good)」  口付けながら、薄く口を開くとそこから白月の舌が潜り込んできた。  舌を絡ませあって、そのまま吸い付かれる。快感で体を震わせつつも「んっ」と声を漏らすと、白月が嬉しそうに笑いを溢した。  歯列をなぞられ口腔内の上部を擦られる。濃度を増していくにつれて息が乱れていった。  露わにされた素肌を直接撫でられると、やたら鼻にかかった声がもれはじめて懸命に押し殺す。 「んぅ……、ぁ」 「空良。声も全部聞かせて」 「そんな、良い声してないし、僕の声を聞いて……やる気なく……ならない?」  暫し無言で見つめられ、白月に手を取られて、下に持っていかれた。 「これ、元気ないと思う?」  羞恥で頭が茹ったかのように熱くなった。  服越しにも分かるくらいに張り詰めた白月のモノに触れさせられていて、こんな自分に性的な興奮を覚えているのだと知った途端、嬉しさと気恥ずかしさが同時に訪れる。 「白状すると、今まで分からないようにしてただけで普段もこうだったよ」 「〜〜っ!」 「ふふ。顔真っ赤だね。分かってくれた?」  口を引き結んだまま首だけを上下させた。首筋に口付けられながら、素肌にも手を這わせられる。 「あ、あっ」 「性急にするつもりはないから、安心していいよ」  あんなに張り詰めたままでも、こちらの体の緊張をといたり、開く為の前戯に時間を割いてくれる優しさが嬉しく思えた。  触れられる度に体が熱を発して、次の行為を待ち望んでいるように腰が浮く。 「ひ、ぁ」  手を触れなくても育ち始めていた自身の屹立が白月の服に擦れてしまい、逃れるように腰を引いた。 「私で感じてくれてるの嬉しい。——見せて(present)」  これでは自分から触って下さいと強請ったような気になって気恥ずかしい。自らはだけさせた服を引き寄せたがすぐに指示され、またゆっくりと布を退ける。 「——良く出来たね、空良。(good)もっと私で感じて」  下に移動した白月が口を開いたかと思いきや、手を添えて口内に含まれる。 「嘘……っ、ん、あっああ」  頭を上下され、あまりの気持ち良さに頭の中で光が明滅した。淫靡な水音が響き、自身の意思関係なく高みへと追いやられる。 「白……月、あ、ああっもう……出るから……口ッ、離して、ぁ、ん、っああ!」  あっという間に絶頂へと誘われ、白月の口の中に吐精してしまったことに対して泣きそうになってしまった。  申し訳なさと、我慢出来なかった不甲斐なさで切ない。 「空良、そんなに嫌だった?」 「嫌というか、居た堪れない……」 「私が好きでやってるんだから気にしなくて良いのに」  口付けられた後、持ってきた小瓶の蓋を外して、白月は中身を手のひらに出していた。  その指で奥まった窄まりを撫でられ、思わず腰を浮かせてしまう。 「初めは異物感や違和感が凄いと思うけど、少しだけ我慢してくれる?」 「分かった」  白月の形の良い綺麗な指が滑りを帯びて、内部に入ってくる。異物感に息を詰めそうになって、力を抜いてソッと息を吐く。何度か出し入れされて上の部分を探られた瞬間体が戦慄いた。 「んん、んーーー!」  ある一点を白月の指に刺激される度に、自分の体じゃないみたいにビクビクと跳ね上がった。  押し寄せる快感の波が強くて異物感も違和感も全てなくなっている。 「空良の良いとこ見つけたよ」 「あ、あ、んぅ、や……、白月、何……コレ」 「前立腺だよ。空良、気持ち良い?」  指を追加されて集中的に擦られると背中が大きくしなった。 「あ、あん、あっ、あ……気持ち……ッ良い」  一度吐精して萎えかけていた空良の陰茎がまた勃ち上がって、透明な雫をこぼし始めている。白月はそれにも指を絡めて刺激しながら、また指を追加した。 「あん、ん、あっああ、白月ぃ……それっ、両方は……ぁ、刺激……強すぎ……ふ、ッああ、またイクから……、ひ、ぁ、離し……て」  もうイクと思った瞬間、手を離されてしまい絶頂は空回りする。後孔からも指を抜かれたが、その代わりに少し間を置いて肉感のある硬いモノを押し当てられた。 「空良、体の力を抜いて息を吐いてて」  頷くと、指とは質量の違ったモノが入ってきて布団のシーツを握りしめる。圧迫感が今までの比ではない。 「ふ……ぅ、あ、あ……ッあ!」  小刻みに動きながら入るところまで収められ、短く息を吐き出した。 「空良、大きく息を吐いて深呼吸して」  白月の言う通りに深呼吸する。慣れたのを見計らい「動くよ」と言われて、また頷いた。  さっき指で刺激されていた前立腺を陰茎で擦られると、途端に中を擦られるのが快感に変わり上擦った嬌声しか出なくなる。 「あ、あ……ん、ああッあ」 「空良、気持ち良い?」 「あああ、ん、ああっ、……ちいい。白月、中……ッ気持ち良い」  パチュンと音が立つ度、聴覚からも快感を呼び起こされ、頭の中が真っ白になっていく気がした。 「白月、ダメ……ぇ、も……ああ、イキ……そう、ひ、ァ、アア!」 「じゃあ、一緒にイこうか」 「ん、イク……っ、白月と一緒に……イク! アアアーー!」  欲を弾けさせるのとほぼ同時に、白月の欲も中に吐き出された。  *  白月と初めて会ってから三ヶ月が経過していた。  会社の屋上で女性社員二名を合わせて全七名で昼食を摂っている。最近ではこのメンバーで昼食を摂る事が多い。その内の男性社員の一人が思いついたように口を開いた。 「そうそう。ずっと気になっていたんだけど月見里のパートナーてどんな人? それってネックレス型のカラーだよな?」  唐突にされた質問に、見事に咽せた。ゴホゴホと咳き込んだ後で、質問に答える。 「僕には……っ、勿体無いくらいにとても優しくて綺麗な人だよ。僕の嫌がる事は絶対しないし。寂しがり屋で泣き虫なとこはとても可愛いと思う」  白月とは今きちんとパートナーとして付き合っている。自分には本当に勿体無いくらいに綺麗で可愛い妖だと思う。 「へぇ、そういう風に言えるって何かいいなあ。羨ましい。見てみたい!」 「え……」  そう言われてドキリとした。  基本的に白月は普通の人間には姿を見せない。少し前に伊藤にだけは姿を見せていたけど、あれは特例だ。 「えっと……それはちょっと……」  しどろもどろに答えてしまい、場の雰囲気を壊してしまったのではないかと考えてしまったが、どうやら考え過ぎだったようだ。 「そんな良い人なら見せたくないに決まってるじゃん! 私なら誰にも紹介しないよ〜取られたら嫌だし!」  豪快に笑いながら女性社員の一人が言って、その話は流れて別の話題へと移っていった。  ——良かった。  踏み込んだ話題にされても何も答えられない。胸を撫で下ろした。  ——僕も白月は誰にも会わせたくないな。  案外嫉妬深かった自分を発見してしまい内心苦笑する。  それにしても、こんなにたくさん助けて貰って、色々世話になっているのに白月に何も恩を返せていない。  今日は白月の話を聞いてみようと心に決めて、社員たちとの会話を楽しんだ。
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