くらくら

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放課後、こころちゃんのお見送りをした私は"いつか"のために備えて、可愛いラッピングを買った。 ふらっと立ち寄ったドラッグストアでアイシャドウも買う。 帰宅して、インスタを見てから、テスト勉強に励む。 途中、集中力がなくなって、あやちゃんにお菓子を渡す妄想をした。意識の外側にいるもう一人の私に、ぽこっと頭を叩かれて我に戻る。 勉強、たまに妄想。カフェラテを飲んで、また妄想。買ったばかりのアイシャドウのキラキラを瞼に塗る。勉強は少しだけ、を繰り返す。 そうやって一日が終わろうとする夜。 "いつか"は突然やってきた。 「兄貴のこと振り向かせたいなら胃袋掴めば?」 玄関先で気怠そうに言ってのけるのは、幼なじみで、あやちゃんの弟である雪村菖くんだ。 お父さんとお母さんが仕事で遅くなる日だって聞いたから、夕飯のお裾分けを持って行ったの。 「知らんけど」の、適当な言葉をくっつけ、眉根を寄せた。 菖くん、急にどうしたんだろう。 妄想してたのバレちゃった……? 掌で頬を挟む。唇の端を指先の力で持ち上げる。 へらっとしてなかったはず…だけど、顔に『あやちゃん』て出てたのかなぁ。
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