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♯ 6
桃亜「 センパイ先刻はさーせん ... 此奴等救いようのねぇ莫迦で ... 」
狼架「 あ" !?!? 」
風雅「 い、いいよ全然 ... 」
風雅「 でも、誰か入ってくれるかな ... 僕の演奏どうだった ... ? 」
兎衣「 上手かった 」
風雅「 ! 」
狼架「 ... 上手い、けど 」
狼架「 音がずれてる所為で下手に聞こえる 」
風雅「 グサッ 」
桃亜「 否ほら、此奴サックス莫迦だから ... トランペットの音が耳に馴染
ないからですよ(ゴンッ 」
狼架「 あた" ッ 」
風雅「 だ、だよね ... やっぱり流行りの曲とかにすればよかった ... 」
狼架「 ... いんじゃねーの、あれトランペットのソロ曲で有名な曲なんだろ 」
狼架「 よくわかんねーけど、気持ち悪くはなかったし 」
風雅「 何それ ... 」
兎衣「 まぁ ... 部員もいざとなったら ...(ジーッ 」
狼架「 なぁ ... (ジーッ 」
桃亜「 ギクッ 」
桃亜「 ほ、ほら、このガッコ蒼達も来とるで 」
桃亜「 暇そうだし声かけてみれば ? 」
狼架「 げぇッ !!! 」
狼架「 いらねぇよあんな奴等 !!!! 」
風雅「 まあ地道に色々声かけて ... 」
ガチャッ
風雅「 ... え 」
サァッ ...
美人ッ ...
風雅「 あ、あのッ ... 」
?「 ごめんなさい勝手に入り込んで(ニコッ 」
?「 あの、ジブン此方の部に入部したいんですが 」
風雅「 え"ぇ"ぇ"ッ !?!? 」
?「 入部許可していただけます ? 」
風雅「 きょッ、許可なんてそんな ... 勿論大歓迎です !!! 」
?「 良かった ! 此れ入部届です 」
狼架「 おい手前随分俺の時と対応が違うじゃねぇか !!! あ"ぁ" !?!? 」
兎衣「 万死に値するね ...(ニコッ 」
風雅「 だって宵宮はまだしも神楽は登場の仕方おかしかったじゃん !!!! 」
風雅( にしても凄い ... こんなにすぐ人が来てくれるなんて ... ! )
桃亜「 まあまあお二人、どーどー 」
狼架・兎衣「 ギャーギャーッ 」
風雅「 えっと名前は ... 」
風雅「 ... え 」
風雅「 ... な、七瀬魁里さん ... ? 」
魁里「 はい 」
風雅「 もしかしてあの世界的なトランペット演奏家の ... 七瀬祐菜さんの ... 」
魁里「 はい、娘です 」
風雅「 どぅぇええぇぇぇッ !?!?!? 」
魁里「 まあ、母をご存知なんですか ? 」
風雅「 ご存知もなにもッ !!! 祐菜さんといえばッ !!! 」
風雅「 数々のコンクールで金賞を総取り !!! 今は世界的に活躍してる
超大物演奏家じゃないですかッ !!!! 」
狼架「 え、此奴そんなすげぇ奴なのか 」
兎衣「 あー、なんか聞いたことある名前 」
桃亜「 俺も 」
風雅「 しかも魁里さんもッ !!!! 色々なコンクールの最優秀賞を総取り
してッ ... !!! 」
魁里「 そ、そんな大したものじゃ ... 」
狼架「 ムカッ 」
狼架「 ふんっ !!! だからなんだよ !!!! 評判っていうのは全くあてに___ 」
風雅「 で、でもなんで七瀬さんみたいな人が今更こんな吹奏楽部に ... 」
風雅「 ましてやうちみたいな弱小校 ... 」
魁里「 ジブン、生まれた時からずっとトランペットの世界で生きてきて 」
狼架「 ! 」
魁里「 でも吹く時は1人か大人とだけで ... 」
魁里「 同世代の人達と合奏したことは殆どなかったんです 」
魁里「 だけど去年、高校の全国高校吹奏楽コンクールの予選で此処の演奏を
聞いて ... 嗚呼、なんて楽しそうに演奏する人達なんだ ... って 」
魁里「 こんな人達と一緒に合奏出来たらなって ... 」
風雅「 ... あ 」
風雅「 あ"りがほ"ぅ ~ ッ ....(ドバッ 」
魁里「 確か他に女のセンパイもいらっしゃいましたよね ? 」
風雅「 あ、否 ... センパイはもう卒業しちゃって ... 」
風雅「 今は俺と其処に居る昨日入った神楽と宵宮だけで ... 」
風雅「 俺達だけじゃ力不足かもしれないけど ... 」
魁里「 なーんだ男3人 ? 」
風雅「 ... え ? 」
ドカッ
魁里「 猫かぶって損したー 」
・ ・ ・ 。
ん ?
魁里「 まー部活発表1人だったし ? そうかなーとは思ってたけど 」
風雅「 あ、あの七瀬さん ? なんかキャラが ... 」
魁里「 あんなの素な訳ないでしょ、女のセンパイ居たら 」
魁里「 僕みたいな実力者は生意気って思われかねないし ? 」
魁里「 演技ですよエンギ 」
魁里「 ネチネチ嫌がらせとかされたらうざったいんで 」
( ... えぇえぇぇえぇ !?!? )
狼架「 おい !!! ロクでもねぇぞこの女 !!!! 」
兎衣「 なんて屑なんだ ... 」
桃亜「 此れは俺もフォローしきれへん ... 」
風雅「 じ、じゃあ先刻云ってた入部の理由は .... 」
魁里「 嗚呼、僕いずれプロになるんで 」
風雅「 ! 」
魁里「 部活は売り出す時の話題作りに丁度いいかなーって 」
風雅「 わ、話題 ... ? 」
魁里「 そ ♥ 」
魁里「 弱小校を全国1位に導いた天才少女、遂にデビュー !!! 」
魁里「 なんてね ♥ 」
魁里「 話題性抜群っしょ 」
風雅「 ぜッ、全国1位 !??! 」
狼架「 弱小校 ... 」
桃亜「 まあ正論 ... 」
魁里「 幾ら実力があっても母親が有名でも、今の時代話題性がないと
売れないんですよねー 」
魁里「 だからこの吹奏楽部を1位にして、華々しくプロデビューしてやろうと
思って 」
風雅「 なッ、なんッ ... 」
魁里「 まあセンパイも元々目指してたなら 」
魁里「 目的は違えど目標は同じですよね 」
魁里「 大丈夫、僕が入れば全国なんてすぐですから 」
魁里「 一緒に頑張りましょ 」
風雅「 ッ ... 」
ヒュッ
ドンッ
狼架「 てめぇなんだよいきなりえらそーにッ !!!! 」
兎衣「 そうだよ、君なんかに導かれなくても、狼架の実力なら全国は
余裕だ 」
風雅「 え"ぇ"ッ !?!? 」
魁里「 ドゴォッ 」
狼架「 うぐッ 」
兎衣「 狼架 !?!? 」
魁里「 あんたなんかに話してないよ、イキっちゃってカッコ悪い 」
兎衣「 手前ッ ... 」
魁里「 てかなんなのあんた、発表の時といい ... 」
魁里「 なんであんたみたいなのが吹奏楽部に居る訳 ? 」
狼架「 ッ ... 」
風雅「 か、神楽はッ ... 」
魁里「 それからセンパイも !!! なんですかこのチューバは !!! 」
魁里「 酷い破損 ... 破損の仕方も自然に壊れたものじゃないし ... 」
魁里「 一体どういう管理の仕方してるんですか 」
風雅「 ! それは____ 」
狼架「 俺のせーだよ !!! 」
桃亜「 ! 」
兎衣「 ! 」
風雅「 ! ]
風雅「 そんなッ ... 別に神楽が壊した訳じゃッ ... 」
魁里「 ふん ... やっぱり見た目通りって訳 」
ガッ
狼架「 うおッ 」
魁里「 あんたがなんでこの部に居るのか 」
魁里「 知らないし興味もないけど 」
魁里「 楽器傷つける奴に 楽器演奏する資格なんてないから 」
狼架「 ッ !!! 」
兎衣「 御前ッ !!! 」
桃亜「 兎衣くんステイッ !!! 」
狼架「 ... そうか ... 」
風雅「 七瀬さん !!!!! 」
風雅「 ... よそう、こういうピリピリしたムードは良くないよ 」
風雅「 仲良くやろう、ね ? 」
兎衣「 ... ペシッ 」
魁里「 ... 」
兎衣「 狼架、大丈夫 ? 」
狼架「 ... ダッ 」
兎衣「 ! 狼架 ! 」
桃亜「 狼架 ... 」
風雅「 神楽 !! 」
魁里「 ほっとけばいいんですよあんなの 」
風雅「 ッ七瀬さん、誤解してるよ ... 神楽は___ 」
魁里「 ___僕にとっては 」
魁里「 その人が吹奏楽とどう向き合ってるかが全てですから 」
風雅「 ッ ... 」
魁里「 じゃ、今日はそれ渡しに来ただけなんで 」
兎衣「 御前逃げんじゃねぇぞ ...ッ 」
パシッ
桃亜「 ... 兎衣くん、今日はもう帰れ 」
兎衣「 でも狼架がッ ... 」
桃亜「 そんな状態の兎衣を見て ... 彼奴が喜ぶとでも ? 」
兎衣「 ッ ... 」
桃亜「 ... 狼架は俺に任せて 」
桃亜「 それじゃあ 」
バタンッ
兎衣「 ... ペコリ 」
バタンッ
風雅「 .... 」
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