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♯ 7
桃亜「 __ おい狼架 。 何時までいじけてるんや 」
狼架「 いじけてねーよ 。 阿呆か 」
桃亜「 いじけてるやん、思いっきり 」
狼架「 ... 吹奏楽部さぁ 」
狼架「 そこそこイケメンには入部許可貰ったけど、そもそも俺って 」
狼架「 あの女の云う通り ... 楽器やる資格すらなかったのか 」
桃亜「 ... 俺が知るかよ 」
狼架「 てめー真剣に考えろや !!!! 漫画読んでんじゃねーか !!!!(ゲシッ 」
桃亜「 ってぇな !!! なんで俺が考えなあかんのや !!!! 此れは
御前の問題やろがい !!!! 」
狼架「 なっ、手前何時からそんな冷血人間になったんだ !!!!
兎衣ちゃんはこういう時もっと慰めてくれて ... 」
桃亜「 その甘やかしが御前にとっては毒なんや !!!! いい加減自立しろ
この莫迦が !!!!! 」
狼架「 トモダチが悩んでんのにその態度か !?!? 図体でけぇくせに
心は小せぇんだな !!!!! 」
桃亜「 あ" !?!? 付き合ってやってるだけありがたいと思えや !!!!
このお子様が !!!! 」
ギャーギャーッ
・
風雅「 ... 」
" 入部届 1 - 3 七瀬魁里 "
「 プロになる予定なので話題作りに ... 」
「 弱小吹奏楽部を全国1位に ... 」
「 その人が吹奏楽とどう向き合ってるから全てですから 」
風雅( ... ずっと吹奏楽の世界で生きてくるとああなるんだろうか ... )
風雅( しかし七瀬祐菜の娘があんな人だっただなんて ... )
風雅「 なんかもう次元が違う ... プロて ... 1位て ... 」
風雅「 神楽のことといい ... これからどうなるんだ吹奏楽部 ... 」
「 全国なんてすぐですから 」
風雅「 ... そんな軽々しく云わないでくれ 」
全国なんて俺には ...
・
« 翌日 1 - 3 »
狼架「 なッ、なんでッ ... 」
狼架「 なんで手前が此処に居んだよ !!!! 」
狼架「 俺の隣 !?!?!? 」
魁里「 僕入学式からずっとこの席ですけど 」
魁里「 てゆーか何あんた、何方様 ? 」
狼架「 て ... てめぇ ... 」
魁里「 ツーンッ 」
「 楽器傷つけるような奴に 楽器演奏する資格ないから 」
狼架「 ドカッ 」
ザワザワ
狼架・魁里「 ... 」
狼架「 ...し ... 資格ってのだけどよ ... 」
魁里「 は ? 」
狼架「 昨日てめーが云ってただろ、資格がどーのこーの ... 」
魁里「 だったら何 」
狼架「 資格ってどうやったら貰えんの 」
魁里「 ... 」
魁里「 は ? 」
狼架「 だからッ、資格ってどうすりゃ貰えるんだよ !?!? 」
狼架「 御前天才トランペット演奏家の娘なんだろ !?!? 」
狼架「 知ってんじゃねーのッ 」
魁里「 ... 質問が馬鹿すぎて人を軽蔑したのは初めてだよ 」
「 HR始めんぞー席つけー 」
狼架「 っざけんなこんな奴の隣になんか座れっか !!!! サボる !!!! 」
「 え"ぇ !?!? 」
バタバタッ
「 おい神楽ッ !!!! 」
魁里( ... なんてしょうもない奴 ... )
「 七瀬さん誤解してるよ、神楽は___ 」
魁里( ... 何が誤解なんだか、あんなガサツな音しか出さなさそうな奴 )
魁里( 音は嘘をつかない、音はその人の本質がつまってる )
魁里( だから僕は ... )
「 七瀬家から出ていきなさい 」
魁里「 ... 」
・
« 屋上 »
狼架「 くそッ !!!!(ガシャンッ 」
狼架「 もー知るかッ !!! すっげぇ頑張って聞いたのにッ !!!! 」
狼架「 資格なんか俺がやるっつったらそれでいーんだよ !!!! 」
狼架「 あんな女に文句なんか云わせねー !!!! 解決だ解決 !!!!(バタンッ 」
「 こら狼架 ! 楽器跨ぐんじゃねぇ !!!! 」
狼架「 ... 」
・
「 御前も吹いてみるか ? 」
「 違うそうじゃねぇって 」
- 🎶 ~" 🎶
「 どーよ完璧だったろッ ...(チラッ 」
「 ははっ、うめぇじゃねぇか 」
「 おめぇ中々筋が良いぞ 」
「 ... べッ 」
「 別にこんなもんの筋がよくたって嬉しくもなんともねーっつーの !!! 」
「 なんだとぉ !?!? 」
「 こら待てろ___ 」
「 ... はぁッ、楽器持ってきやがって 」
「 でもまあ 」
「 興味は湧いたみたいだな 」
バタンッ
狼架「 ... 」
狼架「 ギュッ 」
狼架「 ... 」
狼架「 ... - " ♪ 」
___「 御前に原因があるんじゃないのか !!!! 」
「 楽器演奏する資格なんてないから 」
・
狼架「 ... くそ ... 」
・
ガチャッ
風雅「 ! 」
魁里「 こんにちは 」
風雅「 どッ、どうも 」
風雅( なんか気まずいな ... )
風雅( ... 神楽に宵宮 ... 今日来るかな ... )
風雅「 ... あ 」
「 目指せ全国1位 」
破られてぼろぼろになった筈のその張り紙が
綺麗に ... 新しくなっていた
風雅「 なッ、七瀬さん此れはッ ... 」
魁里「 嗚呼、前のは剥がれてたんで張り替えときました 」
魁里「 目標も前より高くなったことだし、気分も新たに ... 」
風雅「 勝手なことすんなよ !!! 」
魁里「 ... 」
風雅「 ! ... あッ、ご、ごめん ... 」
風雅「 でも目標もッ ... 七瀬さんにとっては話題作り程度のことかも
しれないけど ... 」
風雅「 俺みたいな凡人には ... 全国目指すことさえ夢みたいなことなんだ 」
風雅「 実力に見合わない夢を持つ程子供でもない !!! 」
風雅「 それだけは判っといてほしくて ... 」
魁里「 ... 実力なんて目指してからついてくるんですよ 」
魁里「 上を目指さない人に 実力なんか一生つきません 」
風雅「 ッ ... 」
魁里「 後さん付けは辞めてください 。 貴方センパイでしょう 」
魁里「 ... センパイは、全国行きたくないんですか 」
魁里「 だったらなんで去年の予選会 落選して泣いてたんですか 」
風雅「 ! 」
風雅「 なッ、見てッ ... 」
魁里「 悔しかったからでしょ 」
魁里「 もっと上に行きたかったからじゃないんですか 」
魁里「 僕だったらこの吹奏楽部を全国に ... 」
風雅「 全国って !!! 」
風雅「 誰か1人に ... 連れて行ってもらうところじゃないと思う ... 」
魁里「 ! 」
風雅「 ... 皆で、一緒に行くところだと思う 」
パタンッ
魁里「 ... チラッ 」
魁里「 ... 」
風雅「 ズカズカッ 」
「 ___えぇ !!?? 全国 !?!? 」
・
「 冗談でしょ !?!? アタシ達の実力判ってる !?!? 」
「 勿論 !!! 」
「 でも目指すのは自由でしょ ? 」
「 目標は大きく持ったほうがきっと上達も早いよ !!! 」
・
風雅「 ッ ... 」
「 センパイは全国行きたくないんですか 」
「 ... だったらなんで泣いてたんですか 」
風雅「 ... くそッ 」
・
狼架「 ズーンッ 」
狼架「 くそッ、あの女もう来てやがるッ 」
狼架「 んで俺が入りづれぇんだよッ 」
狼架「 俺のが1日センパイなのにッ 」
魁里「 カタンッ 」
狼架「 お ? 」
狼架「 なんだトランペット吹くのか ? 」
狼架「 プロの娘だのあんだけえらそーにしてんだ 」
狼架「 どんだけのもんか 聞かせてもらおうじゃ ... 」
兎衣「 あ、いたいた !!! ろ____ 」
... ~ ♪ ~ ~ ~ ♪
狼架「 ... え 」
兎衣「 は ... ? 」
狼架( え、彼奴が吹いてるの ... )
兎衣( トランペット ... だよな ... ? )
狼架( ... ちげぇ )
兎衣( 今まで聞いたトランペットと )
狼架&兎衣( 全然違ぇ ... !!! )
狼架「 あ、う、兎衣ちゃん ... 」
兎衣「 ろ、ろか ... 」
兎衣「 ... あれ、ほんとにぶちょーと同じ楽器だよね ... ? 」
狼架「 ... 嗚呼 ... 」
兎衣「 ふ、吹く奴でこんなにも音色が違うモンなの ... ? 」
「 餓鬼の御前になんざ、吹奏楽の素晴らしさなんて判らねぇだろうよ 」
狼架( ... サックス以外の楽器なんて興味もねぇし、
全然判んねぇけど ... )
兎衣( 1音1音凄く響いてくる ... ! )
「 判ってねぇなぁ ! この楽器の計算された作りを 」
狼架( ... そういえば親父、トランペットも作ってたっけ )
兎衣「 ズッ 」
ドサッ
狼架「 う、兎衣ちゃん ... 」
兎衣「 うん ... 」
狼架&兎衣「 凄い ... 」
「 楽器傷つけるような奴に 楽器演奏する資格ないから 」
狼架「 ッ ... 」
ダッ
兎衣「 あ、一寸狼架 !?!? 」
・
« 校長室 »
バンッ
「 おや 」
「 どうしたんですか、神楽くん 」
狼架「 ... お、御願いがあって ... 」
「 ... ニコッ 」
「 なんでしょう 」
・
« 翌日 »
風雅( あぁ ~ ッ ... 昨日より気まずい ... 神楽に宵宮、それに七瀬 ...
ちゃんと来てるかなぁ ... )
風雅「 ... ん ? 」
風雅「 あ、あのッ ! 此れは一体 ... 」
「 嗚呼、夜月くんこんにちは 」
「 こないだのことで楽器も傷ついたと聞いたのでね 」
「 修理に出す為、楽器屋さんに来てもらったんだよ 」
風雅「 ! いいんですか !? 」
「 勿論、君達に責任はないんですから 」
「 只、チューバはなくなるんですが ... 今チューバ担当の人は
居るんですか ? 」
魁里「 ... 確か宵宮って奴がチューバでした 」
風雅「 ! 七瀬知ってたんだ 」
魁里「 まあ一応ね 」
「 そうですか ... 修理が終わるまでどうしましょう ... 」
魁里「 ... それならジブンの家にあるチューバ1つ持ってきます 」
風雅「 え !? 七瀬トランペットなのにチューバも持ってるの !? 」
魁里「 嗚呼、楽器は一通り吹いたり弾いたりしてるし 」
「 おや、すまないね ... 」
魁里「 いえ、全然 」
「 それじゃ、なにか問題があったら教えてくださいね 」
風雅「 あ、はい ! 」
魁里「 ありがとうございます 」
・ ・ ・ 。
兎衣「 あれ、チューバ修理出すんだ 」
兎衣「 俺どうしよー ... 」
魁里「 僕が1つ持ってくる 」
兎衣「 あ、そう、ありがと 」
風雅( 宵宮ってほんと神楽と古宵以外には冷たい ... )
魁里「 そういえば神楽がサックスつっついてましたけど 」
魁里「 いいんですか ? 」
風雅「 ! 」
風雅「 もしかしたら初めて神楽の生演奏が ... !!! 」
狼架「 スッ ... 」
「 神楽も相当な実力者ですよ 」
風雅( 実力者の演奏 ... )
兎衣「 お、演奏すんのか 」
桃亜「 へー、彼奴のサックス久し振りに聞くな 」
兎衣「 うおッ、桃亜 」
桃亜「 よ 」
魁里( ... ふん、どうせ曲にもなってないくだらない演奏 ... )
... ~ ♪
~ ♪ ~ ♫ ~ ♫ ~ ~ ♬
魁里「 ... !? 」
風雅「 え ... ? 」
魁里( 嘘でしょ ... あんな不良から ... )
風雅( こんな優しい音が ... ? )
魁里( しかも上手い ... リズムも強弱も ... 全てが完璧 ... )
魁里( 彼奴 ... 初心者じゃなかったんだ ... )
兎衣「 はっ 」
桃亜「 結局は彼奴の演奏が1番だな 」
兎衣「 ね 」
狼架「 フッ 」
風雅「 笑った ... !? 」
魁里「 ! 」
桃亜「 見たこともないくらいに楽しそうに演奏する 」
兎衣「 狼架の演奏が 」
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