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♯ 8
__ ~ ♬
風雅「 終わった ... 」
魁里「 嘘 ... あんな奴にこんな綺麗な音が ... ? 」
兎衣「 狼架ーッ !!!! 」
バンッ
狼架「 うおッ !?!? 兎衣ちゃん居たのか !?!? 」
桃亜「 やっぱ御前のサックスはいいな 」
狼架「 桃亜も居たのかよ !?!? 」
魁里「 なんなら僕もセンパイも居るけど 」
狼架「 はぁッ !?!?! 」
狼架「 き、今日もう帰る !!!! じゃな !!!! 」
風雅「 嗚呼一寸 !??! 」
兎衣「 狼架また明日ねー !!!! 」
バタンッ
・
« 翌日 »
風雅「 ___ えッ、神楽休み ? 」
風雅「 なんで ? 風邪とか ? 」
桃亜「 あはは、彼奴莫迦なんで風邪は引かないっすよ
多分サボりじゃないすか 」
風雅「 ... そう ... 。 」
風雅「 判った、ありがとう 」
タッタ
桃亜「 ... はぁッ 」
桃亜「 ほんっと世話のかかる奴 」
・
風雅( ... 七瀬に云われたこと、よっぽど気にしてんのかな )
風雅( 連絡しようにもLINE持ってないし ... )
風雅( それとも怒って退部するとか云い出す ... ? )
風雅( いやいや、それはないよね )
風雅( なんだかんだ俺も神楽のこと全然判って___ )
" 吹奏楽部 "
風雅「 ... 」
風雅「 ベチンッ 」
風雅( 大丈夫 ! きっと明日には神楽も ... )
・
« 翌日 »
風雅「 えッ !?!? もう帰った !?!? 」
風雅「 な、なんで !? やっぱり何処か具合でも ... 」
桃亜「 否詳しいことは ... すんません 」
風雅「 ッ ... 」
それからというもの
風雅「 あッ、神楽 !!! 」
狼架「 ギクッ 」
狼架「 ダーッ 」
風雅「 神楽ッ !?!? 」
風雅「 神楽ッ !!!! 」
狼架「 ピョンッ 」
風雅「 えぇえぇッ !?!?!? 此処2階だよッ !?!? 」
神楽は部活に来るどころか、風雅を避け続け ___
・
狼架「 スピ-ッ 」
「 であるからして___ 」
魁里「 ... 」
魁里( ふんッ、やっぱり只の不良だね )
風雅「 ___ ... 」
... ~ ♬
そして、遂に一週間 ____
桃亜「 す、すんません、今日も用事があるとか云ってすぐ帰っちゃって ... 」
風雅「 ... 古宵 ... 」
桃亜「 ... はい ... ? 」
風雅「 何か隠してるよね ? 流石に限界だよ ? 」
桃亜( ... よし狼架、俺の命の為に云わせてくれ、すまん )
桃亜「 じ、実は ___ 」
・
ダッ
「 すんませんセンパイ、狼架に絶対云うなって口止めされてて 」
風雅「 ! 」
魁里「 ... 」
風雅「 七瀬ッ ... 」
「 でさー w 」
ドンッ
風雅「 いってッ !?!? 」
「 うおッ !?!? 」
「 ってぇなぶつかってきてんじゃねぇよ !!! 」
風雅「 すいません !!!! 」
「 あれ、其奴夜月じゃね 」
「 夜月 ? 」
「 ほら、吹奏楽部の ! 」
「 あー ! あのしょっぼい演奏してた奴かー ! 」
風雅「 ! 」
「 そーそー ! 演奏はつまんねぇし 」
「 途中で1年の不良に邪魔されるし 」
「 散々だったよなー御前 」
「 あんなんじゃ部員集まんねーだろ 」
「 俺入ってあげよーか ? ♥ 」
「 ばーか、行くぞ 」
風雅「 ッ ... 」
「 頑張ってねー♥ 」
魁里「 ... 頑張るのはあんた達の方でしょ 」
風雅「 !? 」
「 ... は ? 」
「 え、今の俺等に ... ? 」
魁里「 チューニングもろくに出来ない癖に 何人の演奏莫迦にしてんの ? 」
魁里「 そんな暇あんなら もっと練習しろっての 」
「 ッんだとてめぇッ ... 」
ザワザワ
「 えーなに喧嘩ー ? 」
「 こわー 」
「 い、行こうぜ 」
「 ッ ... 」
タッタッタ
風雅「 な、七瀬 ... 」
魁里「 スッ ... 」
風雅「 ... あのッ !!! 」
風雅「 一寸一緒に来てほしいんだ !!!! 」
魁里「 ... なんですか 」
・
« KAMISATO »
風雅「 ... 此処か 」
魁里「 なんだ、修理を頼んだ楽器屋さんじゃないですか 」
魁里「 修理が終わったんですか ? それならわざわざ来なくても
楽器屋さんが ____ 」
「 君達 ! 」
風雅「 ! 」
魁里「 はい、なんでしょう ?(ニコッ 」
風雅( あ、猫被りモード ... )
「 もしかして神楽くんのお友達 ? 」
魁里「 ... え 」
風雅「 ! 居るんですか神楽 ! 」
「 嗚呼、中に 。 入 ___ 」
バチーンッ !!!!
狼架「 いって" ぇぇぇぇぇ !!!!! 」
風雅&魁里「 !?!? 」
「 バカもん !!! だから慎重にやれと云ったろう !!!! 」
狼架「 だーッもう判ってるよ !!!! 」
「 なんだいその言葉遣いはッ !!! あんたがどうしてもってしつこいから
手伝わせてやってるんだろう !!!!! 」
ゴンッ
狼架「 て" ッ 」
「 全く最近の若いモンは 」
狼架「 ババアの癖になんつーパンチ力持ってやがんだ 」
「 ババアとはなんじゃーッ !!!! 」
ゴンッ
狼架「 いって"ぇよ !!!! 」
魁里「 ? ... な、何 ... ? 」
風雅「 あの ... 」
「 一週間前にね 」
「 校長先生から楽器の修理の依頼を貰ったすぐ後 」
「 神楽くんが突然うちに来て ____ 」
・
狼架「 あの ... 」
「 ん、どうしたんだい ? 」
狼架「 その ... チューバ、壊れたの俺の所為なんで 」
狼架「 直すの手伝わせてください 」
・
「 ___ って 」
風雅&魁里「 ! 」
「 いやぁ、驚いたよ 」
「 まあでもうちのばあちゃんもああだから 」
「 このたわけモンがッ !!!! 」
「 ... 最初は断固拒否で 」
・
「 何を抜かしとるか !!! 楽器をこんなにした奴に触らせると思うか !!!!
帰れ !!!! 」
・
「 でも神楽くん毎日来てねぇ 」
「 ご飯も食べずにずっとうちの前に座り込んでるから 」
「 こっちもまいっちゃって 」
「 で遂にばあちゃんも« 壊れた理由 » と « 直したい理由 » をきちんと
話すことを条件に、手伝いを許可したんだ 」
風雅「 ! じゃあ神楽のこと全部 ___ 」
「 聞いたよ、過去の事も全部 」
「 神楽くんにとっては話したくないことだったんだろうけど 」
「 ちゃんと話してくれたよ 」
魁里「 なんでそこまで ___ 」
「 ... " 資格 " が欲しいんだって 」
風雅&魁里「 ! 」
・
狼架「 ジブンは莫迦だから、楽器傷つけた奴が楽器をやっていいのか
判らない 」
狼架「 でも楽器を作り出してる人間に認めてもらえたら
やってもいいぞって資格貰えたら 」
・
「 " 堂々と楽器と向き合える気がするから " って 」
魁里「 ... 」
風雅「 七瀬 ! 」
魁里「 ばっかみたい、どんだけ単純なんだっつーの 」
魁里「 ほんっと呆れるわ 」
魁里「 ... きっと彼奴から出る優しくて真っ直ぐな音は
彼奴の性格を表してたんでしょーね 」
風雅「 七瀬 ... 」
風雅「 あ、あの 」
風雅「 こないだはごめん ... それと先刻はありがとう 」
風雅「 ... 七瀬に云われた通り、確かに僕 ... 心の底では全国に憧れてた 」
風雅「 でも去年惨敗して 思い知って それでもまた上を目指す勇気が
俺にはなかったんだ 」
魁里「 ... いえ、僕も色々偉そうなこと云い過ぎました 」
魁里「 部活とか初めてで、スタンスとかもよく判ってなくて 」
魁里「 ... まあ今も判ってませんけど 」
風雅「 ... 」
魁里「 ... でも、判るように努力するので 」
スッ
魁里「 改めて 入部許可してもらえますか 」
風雅「 ... 勿論 」
ガシッ
魁里「 ... よかった、此れで正式に全国1位を目指せるんですね 」
風雅( そ、それは変わんないんだ ... )
魁里「 ... でも 」
魁里「 僕だって別に 1位目指すのに何処の吹奏楽部でも良かった訳じゃ
ないですよ 」
風雅「 ... え、それって ___ 」
ガシャッガッシャーンッ
風雅「 ... あ 」
狼架「 ... おおお御前等、なんで此処に ... 」
「 こら !!! 道具落とすんじゃないよ !!!! 」
「 ったくあんたは何やって ___ 」
「 ___ 何だい、学校の友達かい ? 」
風雅「 嗚呼、俺達吹奏楽部の ... 」
「 嗚呼 ! 御前さん達も大変だな ! こんな莫迦が部員に居て 」
「 ... おや、御前さんは ... 」
魁里「 ! 」
魁里「 ... フイッ 」
「 ... ___ 」
風雅「 あの、よければ俺達もなにかお手伝いさせてもらえませんか ? 」
魁里「 ! なんッ ... 」
風雅「 同じ吹奏楽部の仲間なんで 」
魁里「 ッ ___ ... 」
魁里「 はぁッ ... 手伝うこと、何かあるんですか 」
狼架「 ____ 」
狼架「 ___ じッ 」
狼架「 冗談じゃねーよ !!! 此れは俺1人でやってんだ !!! 御前等出てくんな !!! 」
狼架「 大体俺が手伝えるまでどんだけ ___ 」
「 じゃあお願いしようかね 」
風雅「 ありがとうございます 」
狼架「 ... ま 」
狼架「 待てババア !!!! 俺の時と随分反応が違うじゃねーかッ !!!! 」
魁里「 ほんと煩いわねあんた 」
狼架「 あ" !??! 」
風雅「 まあまあ 」
狼架「 つか桃亜彼奴バラしやがって !!!! ぶっ飛ばす !!!! 」
・
桃亜「 ヘブシッ 」
桃亜「 ... 風邪か ? 」
その頃の兎衣はというと
兎衣「 うぇぇぇぇぇん !!!! 狼架に会いたいッ、ゲホッゴホッ 」
熱で寝込んでいた()
・
〚 今後も登場する予定の人達 〛
KAMISATO 宵咲店 店長« 神里静江 / 𝐊𝐚𝐦𝐢𝐬𝐚𝐭𝐨 𝐒𝐢𝐳𝐮𝐞 »
その孫 « 神里哲哉 / 𝐊𝐚𝐦𝐢𝐬𝐚𝐭𝐨 𝐓𝐞𝐭𝐮𝐲𝐚 »
・
〚 おまけ 〛
狼架と桃亜のその後
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