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♯ 10
詩「 ___ と云う訳で 」
詩「 吹奏楽部の救世主 ! 曉詩でーす !! 」
伊那「 羽山伊那です 」
燈矢「 一ノ瀬燈矢 。これから宜しくな旦那ァ 」
風雅「 だ、旦那 ... ? 」
兎衣「 嗚呼、此奴父親譲りの江戸っ子口調なんです 」
風雅「 嗚呼、そうなの ... 」
風雅「 え、救世主 ... ? どういうこと ... ? 」
狼架「 気にすんな、どうせすぐ飽きて辞めっから 」
伊那「 へー、ドラムもあるんだ 」
詩「 俺ホルンやってみたい ! 」
燈矢「 俺はフルートやってみたいなァ 」
魁里「 センパイ、今日は部活なにする予定でした ? 」
風雅「 嗚呼、今日は神楽のリード買いに行こうかと ... 」
✘ リードとは
サックスのマウスピースに固定する板のようなもの 。
リードの質で音が変わるとも云われている 。
狼架「 リードか、俺が今使ってるリード大分ぼろいから丁度いいや 」
魁里「 買いに行く前に彼奴等の楽器を決めたほうが良いと思うん
ですけど 」
風雅「 嗚呼、そうだね 」
風雅「 君達ー、楽器の希望ってある ? 」
伊那「 パーカッション 」
詩「 俺フルート !!! 」
燈矢「 俺はホルン希望でィ 」
風雅「 おっけー、じゃあ序に羽山の打楽器練習台も買いに行こっか 」
伊那「 うす 」
・
詩「 やー、こーして放課後 皆でぶらつくとか楽しいねー !!! 」
狼架「 ヤローばっかじゃねぇかむさ苦しい 」
兎衣「 ていうかなんで詩と燈矢も着いて来てるの 」
狼架「 それ、手前等着いてきたとこで買うモンねぇだろ 」
詩「 いいじゃん !!! 大人数の方が楽しいし !!! 」
燈矢「 どうせ帰っても暇なんだ、いいだろィ 」
伊那「 あのー、できれば早くして貰いたいんっすけど 」
風雅「 あ、ごめん用事とかあった !? 」
伊那「 はい 」
伊那「 女と遊ぶ約束しちゃったんっすよねー、少しでも遅れると
殴られるメンヘラ女と 」
風雅「 え、えぇ ... 」
狼架「 諦めろ、此奴は超が付く程の屑だ 」
風雅「 はぁ ... 」
伊那「 だぁれが屑だってぇ ? 」
兎衣「 御前以外居ないだろ 」
魁里「 ... ! 」
「 いらっしゃーい ! 」
魁里「 スッ 」
狼架「 ... 食い意地はってんなぁ御前 」
魁里「 違うよ 」
魁里「 楽器屋さんにはこの前お世話になったでしょ 」
魁里「 だから何かお土産買っていこうと思っただけ 」
狼架「 ... オミヤゲ ... 」
狼架「 気使いすぎじゃね ? 」
魁里「 普通でしょ 」
狼架( そーいや此奴結構なカネモチなんだった ... )
魁里「 それ1つください 」
狼架「 ... 御前の母親もトランペットやってんだよな 」
魁里「 そうだけど 」
狼架「 じゃあトランペットって ... 母さんから教わったのか ? 」
魁里「 ... あんたには関係ないでしょ 」
狼架「 なッ ... 」
「 1200円でーす 」
魁里「 はい 」
狼架「 スッ ... 」
ダンッッ
魁里「 ... は ... 」
狼架「 世話になったんは俺だから俺が払う !!! 」
魁里「 一寸 !? 」
狼架「 うっせぇ !!! 」
魁里「 お金此れじゃ足りないけど !? 」
狼架「 ゴンッ 」
・
風雅( ... な、なんで )
風雅( ますます険悪なムードになってるんだ ... )
狼架&魁里「 ズモモモ ... 」
詩「 うおー、すっげぇ !!! なんかいっぱいあるー !!! 」
静江「 なんかまた煩いのが増えたね 」
風雅「 すいません ... 」
静江「 ほれ、リードじゃ 。好きな種類選びな 」
哲己「 はーい、打楽器練習台だよー 」
詩「 おー !!! すっごい !!! 」
伊那「 えー、打楽器練習台高すぎない ? 」
哲己「 普通の値段が此れなんだ、ごめんねー 」
伊那「 部費が少なすぎてこんな高いものも自腹って ...
流石に同情するっすよセンパイ 」
風雅「 うッ ... 」
静江「 ギャーギャー騒ぐな煩いな 」
詩「 え俺 !?!? 」
静江「 御前以外に誰が居るんだよ 」
狼架「 ... よし 」
狼架「 ばあちゃん、リード決まった 」
静江「 おお、早いね 」
狼架「 えっと金 ... 」
静江「 ... ほれ 」
狼架「 ... え 」
静江「 あのお菓子、あんたが買ってきてくれたんだってね 」
狼架「 ! ... パッ 」
魁里「 ... 何よ、それは本当のことでしょ 」
狼架「 ! 」
静江「 一応チューバの修理も手伝ってもらったしね 」
静江「 それとあの菓子で、代金ってことにしてやるよ 」
伊那「 なーおばちゃん、序に俺のもまけてくれない ? 」
静江「 御前みたいな屑に誰がまけるか 」
伊那「 ひっどー 」
兎衣「 事実なんだからしょうがないでしょ 」
伊那「 ボコッ 」
兎衣「 あでッ 」
狼架「 ... 一生使う 」
静江「 ... 大袈裟な でも 」
静江「 その" 気持ち " があるからまけてやるんだ 」
・
燈矢「 そいや狼架、御前まじでサックスやってたんだなァ 」
狼架「 んだよ悪ィか 」
燈矢「 悪ィとは云ってないだろィ 」
詩「 なんか俺ノリで入部届出しちゃったけどどうしよ 」
伊那「 まーその辺は大丈夫っしょ 」
詩「 伊那と燈矢は大丈夫なの !? 」
燈矢「 家柄上フルートは吹いたことあるんでィ 」
伊那「 ドラム経験者 」
詩「 ... 初心者俺だけかよ ... (泣) 」
詩「 でもまあ七瀬さんあんなに喜んでたし ... 」
詩「 よしとする !!!! 」
・
「 ___ どう思われます教頭 」
「 北中の不良共がこぞって吹奏楽部に ... 」
「 それも神楽のつるんでる連中です 」
「 ... 」
___「 父親の大事にしてたものを守りたいんです 」
「 ... くだらん( グシャッ 」
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