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♯ 13
___ こうして
狼架達吹奏楽部は、吹奏楽部存続のかかった演奏を
全校生徒の前ですることになった訳で ___
風雅( う" ~ ん ...(汗) )
風雅( 一ヶ月 ... 一体何をどうすれば ... )
風雅( まずは演奏曲決めて其処から ... )
風雅( ... それに ... )
風雅( " 先生 " にも一応報告しなきゃか ... )
風雅( 否でもそれより今の問題はメンバー ... どうしようあのメンツ ... )
風雅( ... 全く噛み合う気がしない ... (泣) )
風雅「 う"っぷ ... 」
「 だッ、大丈夫か夜月 !!! 」
・
風雅「 ... え ? 新入部員 ? 」
兎衣「 はい、ホルンを教えてもらう為、そして演奏の為の臨時かも
しれませんが ... 」
兎衣「 入って 」
ガチャッ
羅夢「 どもーッ !!! 八神羅夢でーっす !!!! 」
風雅( ... また不良だ ... (泣) )
兎衣「 羅夢は時宮中学吹奏楽部出身の実力者です 。個人ホルンコンクールで
最優秀賞を取った実績もあります 。 」
風雅「 時宮中学 !?!? 」
羅夢「 そそ、結構有名っしょ ? 彼処の吹奏楽部 」
« 時宮小中一貫学校 »
偏差値75を超える試験を合格したものだけが入れる超難関校で、
小学校から中学校へのエスカレーター式
中でも有名なのは中等部の吹奏楽部で、
数々のコンクールで優勝を果たすという実績を持っている
いえば " 強豪校 " だ
風雅「 そ、そんな時宮中学出身の八神が教えてくれるなんて ... 」
風雅「 曉 !!! 君は将来有望だよ !!!! 」
詩「 えぇえぇぇ !?!?! 」
・
羅夢「 ホルンのマウスピースへの唇の当て方はこう 」
羅夢「 唇と軽く閉じて、両端に引く。口角が下がらないように若干上げ気味
でね。例えると笑う時の感覚に近いかな 」
羅夢「 この状態で唇を少し開いて息を吹く。 」
羅夢「 ほれ、やってみろ 」
詩「 一寸待って 」
羅夢「 どうした ? 」
詩「 呪文にしか聞こえなかった 」
羅夢「 阿呆か 」
羅夢「 まず音が出なかったら話にならんぞ 。詩、御前あの集団と一緒に
演奏するんだぞ ? 」
詩「 あの集団 ... 」
狼架「 ~ ♬ - ♫ !!! 」
兎衣「 - ♫ 」
風雅「 - ~ ♫♪ 」
伊那「 タタッタッタッ ... ドドドンッ 」
魁里「 ~ ♪ 」
燈矢「 ~ ♫ 」
詩「 ... 無理だ ... 」
羅夢「 こらすぐ諦めるな 」
羅夢「 取り敢えず基本の音、B♭出してみろ 」
詩「 ... ~ ッ 」
- " ♪
羅夢「 おー、出るじゃねぇか 」
羅夢「 けどガサツな音だな、此れを綺麗な音にしなきゃ 」
詩「 綺麗な音 ... 」
羅夢「 俺流の綺麗な音の出し方だけど ... 笑ってほしい相手を想像するんだ 」
詩「 笑ってほしい相手 ... ? 」
羅夢「 嗚呼、1人ぐらいは居るんじゃねぇのか ? 笑ってほしい奴が 」
詩「 ... 兄ちゃん 」
羅夢「 どうしてだ ? 」
詩「 俺の兄ちゃん、病弱で ... 俺がちっちゃい頃から入院ばっかりしてた 」
詩「 兄ちゃんが笑った所を殆ど見たことがない ... だから 」
詩「 兄ちゃんに笑ってほしい 」
羅夢「 ... その気持ちがあるなら綺麗な音は出るよ、絶対 」
羅夢「 全校生徒の心をつかめるような音が、な 」
詩「 ! 」
羅夢「 ... てことでほれ、此れ運指表な 」
詩「 ... え 」
羅夢「 後は頑張れー、それじゃ俺個人練するから 」
詩「 ... えぇッ !?!? 」
・
魁里「 よし、じゃあ合奏してみましょう 」
詩「 ゼ-ッハーッ 」
狼架「 何合奏すんだ ? 」
魁里「 行進曲よ、勇気の旗を掲げて 」
狼架「 あー、あれか 」
詩「 え、まだ楽譜読めてない ... 」
燈矢「 え、何云ってんでィ御前さん 」
燈矢「 ぱっと見で音ぐらい判るでしょ 」
詩( 駄目だ此奴等、音楽の天才すぎて話にならない )
風雅「 ま、まあまあ曉、出来るとこだけでいいから 」
魁里「 じゃあ行きますよ、せーの 」
~ ♪ ~ ♫ ~ ♪ ~ ♬
・
魁里「 ... センパイ 」
魁里「 1ヶ月後、吹奏楽部は廃部かもしれません 」
風雅「 え、なんで !!? 」
魁里「 曉のホルンが下手すぎてです 」
詩「 スイマセン ... 」
羅夢「 まあまあ !!! 1日で此れならホルンの才能はあるぞー 」
魁里「 ... ホルンを一ヶ月でスピード上達させる為にできることといえば 」
魁里「 最初から演奏曲を吹く練習をする 。基本は全てふっとばして 」
風雅「 で、でもまだ何吹くかも決まってないのに ... 」
魁里「 いえ、一応候補は決めてあります 」
風雅「 ほんと !? 」
魁里「 はい 」
魁里「 ... カサッ 」
魁里「 ... 」
魁里「 ... 今度 」
魁里「 その候補曲を演奏するコンサートがあるから、見に行く ? 」
風雅「 ! 」
狼架「 ところでその候補曲ってなんだ ? 」
魁里「 " 木漏れ日 " だよ 」
兎衣「 聞いたことない曲だなぁ ... 」
魁里「 聞いたことなくて当然です 。最近出来たばかりの曲ですから 。 」
詩( ... この部を廃部にさせたら ... )
詩( 狼架への " 恩 " が返せねぇ ...ッ )
詩「 俺ッ !!!! 頑張るッ !!!! 」
「「 ! 」」
羅夢「 ... 嗚呼、頑張れ(ニッ 」
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