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♯ 14
風雅「 ___ 集合時間10分前 ... 」
風雅( ちゃんと皆来るかな ... )
魁里「 センパイ 」
風雅「 ! 」
魁里「 おはようございます 」
風雅「 え、はッ、七瀬 !?!? 」
風雅「 な、なんか変装っぽいね ... 一瞬誰か判んなかったよ 」
魁里「 嗚呼、僕吹奏楽界じゃかなり顔知られてるんで 」
風雅「 えぇッ !?!? それでッ !?!? 」
風雅( じ、自意識過剰 ... )
風雅( 否、考えるな俺 !!! )
魁里「 他の6人はまだ ... 」
詩「 あ"ぁ"ん !?!? なんだとぉ !?!? 」
風雅「 !!!! 」
伊那「 そっちがそんなとこ溜まっとくから悪いんでしょぉ ? 」
「 んだと !?!? 俺等北高だぞ !?!? 痛い目みたいのか !?!? 」
詩「 上等じゃ ... 」
風雅「 わーッ !!!! 一寸何やってんの三人共 !!!! 」
伊那「 あ、ぶちょー 」
詩「 何って此奴が喧嘩売ってきたんだよ 」
魁里「 こんな莫迦相手にしてどうすんのよ 」
「 あ"ぁ" !?!? んだとてめぇ !!!! 」
風雅( 余計なことを !!!! )
「 おッ、でもよく見りゃ可愛いじゃん 」
「 御前が相手してくれんなら其奴等のことは許してやってもいーぜ ? 」
魁里「 冗談は顔だけにしてくれる ? 」
「 ッこの女ッ !!! 」
風雅「 七瀬さッ ... 」
燈矢「 七瀬避けろィ 」
魁里「 え 」
燈矢「 ズドォンッ 」
ドガァッ
「 ... チーン 」
風雅「 え !?!? 一ノ瀬 !?!? 」
風雅「 ろ、ロケラン !?!? 」
伊那「 おー燈矢やっと来たか 」
詩「 遅いぞーッ !? 」
燈矢「 仕方ないだろ、寝坊しちまったんでィ 」
燈矢「 で、七瀬、大丈夫かィ ? 」
魁里「 ... プイッ 」
燈矢「 あ" ? 礼ぐらい云えやこの野郎 」
風雅「 まあまあまあ !!! 」
魁里( ... なんなのよ ... 彼奴 ... )
伊那「 にしても狼架遅いなぁ 」
詩「 寝坊か ? 」
ダダダダッ
狼架「 わりぃ遅くなった !!!! 」
兎衣「 ごめん 」
伊那「 あ、来た 」
風雅「 なんで遅れたの ... って血まみれ !?!? 」
狼架「 面倒くさい輩に絡まれて ... 」
風雅「 嗚呼、返り血 ... って喧嘩は駄目だよ !?!? 」
兎衣「 えー、なんで ? 」
風雅「 なんでって ... 」
魁里「 喧嘩が学校にしれたらあんた達が処分されるだけじゃなく
吹奏楽部にも迷惑かかるの 」
風雅「 一寸七瀬 !!! 言い方 !!! 」
狼架「 ... わりぃ 」
詩「 でも正当防衛だったらいいよね ? 」
伊那「 ていうか俺この後約束あんだけどー 」
燈矢「 また女ですかィ 」
伊那「 うん 」
風雅( 駄目だ ... )
風雅( 今後が不安すぎる ... )
テクテク
風雅「 ... って 」
風雅「 此処で演奏するの ... !?!? 」
風雅「 な、なんかもっと静かな会場で演奏するのかと ... 」
風雅「 こんな騒がしいところで音ちゃんと聞こえるのかな ? 」
魁里「 このイベントでは普段あまり触れることのない吹奏楽等の演奏を
もっと色んな人に聞いてもらおうっていう趣旨のものなので 」
魁里「 吹奏楽以外にも琴にバイオリン ... 色々演奏しますよ 」
「 えー、皆さん ! 今日は春の演奏会にようこそ !! 今日は音楽の魅力満載の
プログラムなので、是非見ていってくださいね ! 」
「 ではまずトップバッター、あの七瀬祐菜さんの弟子達による
嵜本レオによる " 木漏れ日 " です ! 」
狼架「 ! 」
風雅「 七瀬祐菜って ... 」
魁里「 ... はい 」
魁里「 今日演奏するのは、母親の弟子達です 」
ザッ
「「 ... !?!? 」」
兎衣「 ... がッ 」
兎衣「 餓鬼じゃないか !!!! 」
燈矢「 全員小学生に見えるでィ 」
伊那「 へー、凄いね 」
詩「 わー、思ってなさそう 」
魁里「 ... だから ? 」
風雅「 否だからって ... 」
詩「 うん ... なんだこの妙な敗北感は ... 」
兎衣「 小学生が演奏できるような曲俺達やんの ... ? なんか恥ず ... 」
羅夢「 御前等、先刻のアナウンス聞いてなかったのか ? 」
狼架「 あ ? 」
羅夢「 あの七瀬祐菜の弟子だぞ ? 」
狼架「 ... ま、まあ小学生でも演奏できる曲なら、一ヶ月で ___ 」
ジャランッッッ
「「「 !?!?!? 」」」
スゥ ...
パーッラッパッッパザァンッッッ
「 スッ ... 」
「 NPIK何を選んでも正解なんかない世界は 掠れていく 」
風雅( ぼ、ボーカルもついてる ... )
羅夢( ... 吹奏楽とバンドの混合か ... )
「 勇気とか愛情とか そんなものは いらない 」
「 だけど思い通りに行くことなんかなくて 苦しくて 虚しくて 劣等感に
おおわれ 」
「 この世の全てが灰色になってしまったんだ 」
ザァァァァァァァァァッ
「 この灰色だらけの世界に 木漏れ日をさしてくれないか 」
「 引き上げてまた堕ちての繰り返し それが人生ってもんなんだよ 」
「 この灰色だらけの世界に木漏れ日をさせたとするのなら 」
「 それはきっと貴方だけなの 判って 」
「 僕を闇から引き上げて 」
パッ ... サァァァッ
風雅( ! )
狼架( 叫んでる感じのサビから一気に寂しげに ... )
「 そんな都合の良いことなどは そうそう 起こらないようでして 」
「 僕を 冷たい風が押す 温かいもの等存在しない 」
「 だけどあの日現れた 君に 引き上げられて云われたんだ 」
「 何があってもまた堕ちても 僕が引き上げてあげるよと 」
サァッ パラ - ッ ドンッッ
「 この灰色だらけの世界に 木漏れ日が差してきたよ 今 」
「 引き上げてまた堕ちての繰り返し それが人生ってもんだけど 」
「 引き上げてくれる人がいるから僕は 生きていけるんだろな 」
「 それはきっと貴方だけなの 信じて 」
「 僕と 一生を添い遂げて 」
ダンッッ
ワァァァァッ !!!
魁里「 __ という訳で 」
魁里「 今の曲を1ヶ月後までに演奏できるように 」
「「 否無理だろ 」」
狼架「 俺と伊那、燈矢はいいとして ... 残りの奴等殆ど初心者だぜ ? 」
風雅「 な、七瀬 ... 他の曲探した方が ... 」
魁里「 死にものぐるいでやれば大丈夫です 。今の曲トランペット以外
そこまで難しくないので 」
魁里「 トランペットもファーストが難しいだけでサードは簡単です 。
あ、なのでファーストは僕がやりますので 。 」
魁里「 3番まである曲だけど、今の演奏みたいに2番までだけにすれば
3分程度で丁度いい長さだし、これだけ男子が居ればパワーも
あるし 」
魁里「 上手くいけば1ヶ月後、今の教頭と全校生徒が
今の貴方達みたいに衝撃を受ける 」
魁里「 かも 」
ズベッ
詩「 一寸七瀬さん ~ (泣) 」
羅夢「 よし詩、御前今日から俺の家で毎日ホルンレッスンな 」
詩「 え" 」
伊那「 えーいいなぁ、こんな美人と同じ部屋に二人きりとかぁ
弄り放題じゃーん 」
ゴンッ
伊那「 いったッ !?!? 」
羅夢「 殺すぞ手前 ... 」
燈矢「 今のは御前が悪い 」
風雅「 此ればかりは一ノ瀬に同意 」
伊那「 女で遊んで何が悪いんだよぉ 」
「「 否屑だろ 」」
伊那「 酷いなぁ 」
ゾロゾロ
風雅「 あ、先刻の子達だ 」
「 よかったわよ 」
風雅( ... あの綺麗な女性は先生かな ? てことは七瀬のお母さん ? )
風雅「 七瀬、声とかかけなくていいの ? 」
魁里「 ... 」
魁里「 大丈夫です(フイッ 」
燈矢「 ... ? 」
狼架「 なんだ彼奴、急に様子おかしくなりやがって 」
伊那「 でもまー、思ったより面白かったよなぁ 」
燈矢「 伊那と同感でィ 」
兎衣「 詩袖にケチャップ付いてるぞ 」
詩「 あ、フランクフルト食ったから 」
詩「 で、この後どうする ? 」
伊那「 あー、皆で御飯とか行くー ? 」
燈矢「 おーいいですなァ 」
兎衣「 まだ食うのか御前は 」
風雅「 あ、じゃあどっかファミレスとか ... 」
魁里「 僕は遠慮しておきます ではまた明日 」
風雅「 え、あ ... 」
詩「 ... あーあ、七瀬が出会った時の中身のまんまだったらなーぁ 」
伊那「 詩女に夢抱きすぎたってぇー、女は怖いよー ? 」
伊那「 まー俺女なら誰でもイケるけど 」
燈矢「 屑男は黙っときやがれィ 」
魁里「 ... タッタ 」
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