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♯ 15
« 翌日 »
狼架「 くあぁあぁッ ... ねっみぃ ... 」
燈矢「 そうだなァ 」
狼架「 手前は何しれっと居んだよ 」
燈矢「 そこで見かけたんで着いてきただけでィ 」
燈矢「 ... あれ七瀬じゃないかィ ? 」
狼架「 んあ ? ... ほんとだ、七瀬だ 」
燈矢「 何持ってんだィ彼奴 」
狼架「 ... あ、フルートとホルンじゃん 」
燈矢「 ? フルートとホルンは学校にあるだろィ 」
狼架「 にしても重そうだな 」
狼架「 しゃーね、手伝ってやるk( 」
燈矢「 いいっす旦那、俺がやりますんで 」
タッタッタ
狼架「 ... 燈矢の奴 ... 」
狼架「 ... 否、考えたくもない、うん、無罪だ(?) 」
・
魁里「 はぁッ、はぁッ 」
魁里( 流石にホルンとフルートを持っての移動は疲れるわ ... )
魁里( 一寸休憩 ... )
燈矢「 なんでホルンとフルート持ってきてんでィ ? 」
魁里「 ! あんたッ ... 」
燈矢「 まーいいけど 」
燈矢「 大変そうだなァ、手伝ってやってもいいけどォ ? 」
魁里「 ムッカァッ ... 」
魁里「 冗談じゃないわ !!! あんたみたいな不良に楽器を持たせれる訳
ないでしょ !?!? 」
燈矢「 ... そうですかィ 」
燈矢「 まー俺はいいけど 」
燈矢「 狼架に対して云うのはよせィ 」
魁里「 は ? なんで ? 」
燈矢「 タッタ 」
魁里「 一寸 !?!? 」
魁里「 ... ? 」
・
« in 部室 »
風雅「 わっ !? 木漏れ日の楽譜もう届いたんだ !? 」
風雅「 よかった ! 此れで今日から練習できるよ ! 」
魁里「 木漏れ日のパート分けは各楽器に2パートずつ 。
その何方かを僕が君達の実力に合わせて選ぶ 」
魁里「 ま、つまりは1人1パートずつだね 」
詩「 1人1パート ? 」
魁里「 まあ雑に云えば 」
魁里「 全員が全員違うものを吹くってこと 」
詩「 ... え !?!? 嘘 !?!? 吹奏楽ってどの楽器でもみんな同じ楽譜なんじゃ
ないの !?!? 」
羅夢「 何莫迦なこと云ってんだ御前は、楽器ごとに楽譜も変わるし、
なんなら同じ楽器でも今みたいに2つのパートがあることも
珍しくないんだぞ ? 」
詩「 うそぉ ... 」
詩「 ... ペラッ 」
詩( ... お、俺の今の技術で此れを吹けと ... ? )
詩( ... 否無理だろ )
詩「 ... まず楽譜読めません 」
羅夢「 よーしそっからか 」
・
そして羅夢のスパルタ指導が一週間 ...
狼架「 お、おぉ ... 詩御前大丈夫か ... ? 」
詩「 うん ... ( ゲッソリ 」
詩「 でもこれで曲はバッチリだよ !!! 」
兎衣「 あれ、伊那は ? 」
燈矢「 どうしても外せない約束があるって云って帰りましたぜ 」
風雅「 ... 女だね ... 」
燈矢「 趣味悪いですよねェ 」
魁里「 ... じゃあ1回合奏してみよ 」
羅夢「 え、いきなりかよ !? 」
羅夢「 魁里スパルタだねぇー w 」
詩「 羅夢が云わないでよ ... 」
狼架「 詩、いけそうか ? 」
詩「 ... うん 」
狼架「 ... うし 」
兎衣「 じゃ 」
狼架「 いっちょやりますか 」
・
魁里「 ___ 曉、確実に上手くなってはいるけど 」
魁里「 ジブンの音が掴めてない、その所為で下手に聞こえる 」
魁里「 後運指、ところどころ間違ってる 」
魁里「 そんな状態でよく練習してきたって云えたね 」
魁里「 そんなの練習してきたとはいえない 」
狼架「 はぁッ !? 詩の音十分良かっただろ !?!? 」
魁里「 " 棒読み感 " が強すぎて観客の心に届かない、それぐらい貴方なら
判るでしょ 」
狼架「 それはッ ... 」
兎衣「 七瀬、詩だって必死に頑張ってるのに ... その突き放すような云い方は
ないでしょ 」
魁里「 僕は思ったことを云ってるだけ、このままじゃ確実に部が潰れる 」
魁里「 詩は演奏は出来るけど心がこもってない ... つまりはスタートラインに
すら立てていない状態 」
狼架「 でもそれをやるって云い出したのは御前ッ ... 」
魁里「 元はと云えばあんたが居る所為でしょ !?!?!? 」
狼架「 ッ ... 」
魁里「 ... あ ... 」
兎衣「 ... ねえ君 」
兎衣「 もう狼架に近付かないでくれる ? 」
魁里「 でもそれだと部が ... 」
燈矢「 先刻から聞いてりゃ『 部が部が 』... 俺等のことなんか全く
考えてねェ 」
燈矢「 誰か傷つけるような指導誰が受けるんでィ 」
羅夢「 魁里、御前狼架のこととかなんも知らねぇ癖に何云ってんだ ? 」
羅夢「 云っちゃ悪いけど、御前は人の立場で考えることが出来ない ...
低能だな 」
魁里「 ... 」
風雅「 ちょ、一寸皆ッ ... 」
詩「 大丈夫だよ 」
詩「 ... 羅夢、今日も指導頼める ? 」
羅夢「 嗚呼 」
風雅「 じ、じゃあ取り敢えず今日は解散ってことで ... 」
「「 はーい / うす / ん 」」
バタンッ
魁里「 ... 」
・
桃亜「 ... ? 」
桃亜「 なんかやつれた御前 ? 」
狼架「 るせー 」
桃亜「 御前がやつれるとか ... そんなに吹部ハードなのか ? 」
狼架「 ハードっつーか、今までの人生で最悪の気分だ 」
狼架「 あの女指導が酷い、最低すぎる 」
桃亜「 七瀬さん ? 」
桃亜「 ... ふーん、なら七瀬さんもそんな環境で育ったんかな 」
狼架「 は ? 」
桃亜「 否ほら教え方とかって、ジブンが経験したことに基づいて
教えんじゃん 」
桃亜「 しかもあの有名演奏家の娘だろ ? 」
桃亜「 なーんか大変そうだよな、色々 レッスンとかも厳しそうだし 」
「 こんなの練習してきたとはいえない 」
狼架「 ... 」
狼架「 ガタッ 」
桃亜「 何処行くんだ ? 鞄持って 」
狼架「 別にー、一寸野暮用 」
桃亜「 昼飯は ? 」
狼架「 適当に食う 」
・
魁里「 ... 」
「 低能だな 」「 近付かないで 」「 誰が受けるんでィ 」
魁里「 ... 」
___「 魁里ちゃんなんでそんなに必死なの ? 」
・
「 この合奏曲コンクールで出る訳でもないんだしもっと気楽にやろうよ 」
「 私達楽しく演奏したいのに 」
「 魁里ちゃん真剣すぎて怖いよ 」
「 ついてけない、もうひとりで吹けば 」
・
風雅「 七瀬 」
魁里「 ビクッ 」
魁里「 ... センパイ 」
魁里「 ... 昨日はすいませんでした、吹奏楽のことになると遂 ... 」
風雅「 いいや、部員達もきつく云い過ぎてたし、お互い様だよ 」
... しーん 。
魁里「 皆が部活辞めたら僕の所為です 」
風雅「 ! 」
魁里「 その時はどうにかしてちゃんと ... 」
風雅「 ちょ、待った !! 皆そんなすぐ辞めたりなんかしないよ !! 」
風雅「 ... 否、一ノ瀬達は判んないけど ... 」
風雅「 ... でも神楽は、何があっても辞めないよ 」
魁里「 ... なんで彼奴のことそんな信用してるんですか 」
風雅「 それは ... 」
魁里「 あそこまで云われたら、誰だって辞めたくなりますよ 」
魁里「 スッ ... タッタ 」
風雅「 ... 」
・
燈矢「 なんだィこんなとこ呼び出して 」
詩「 まさか愛の告白 ー ? なんちゃって ♡ 」
伊那「 えー、まあ別に俺男女どっちでもイケるからいいけどー 」
詩「 え、御前きしょ ... 」
伊那「 あはは殺すよ ー ? 」
詩「 流れるように暴言吐くの辞めてくれる ? 」
狼架「 だーもーうっせぇ !!! 渡すモンがあんだよ !!! 」
詩「 渡すモンがあって校舎裏呼び出すって ... 」
燈矢「 少女かァ手前は 」
兎衣「 え、狼架可愛すぎる ... 」
狼架「 しばくぞ 」
狼架「 ほらよ、俺様の特製だ、使え 」
詩「 え、何 ___ 」
ぎゃーっっはっっはっは !!!
魁里「 ビクッ 」
魁里「 な、何 ... ! 」
魁里( 彼奴等 ... ! )
狼架「 ッ ... 笑ってんじゃねぇよ !!!! 」
兎衣「 ろ、狼架御前ッ ... これ作ったの ? 御前が ? 」
伊那「 なんでまたッ ... w 」
魁里「 あ" !? あの女をギャフンと云わせる為に決まってんだろうが !!! 」
魁里( ... 僕 ... ? )
詩「 それで俺等の分まで作ってくれた訳 ー ? 」
詩「 ろかくんったら ー ! 」
狼架「 御前等まじしばくぞ 」
燈矢「 いーよ狼架ァ、てめーの気持ちはよく判ったィ 」
兎衣「 有り難く使わせてもらうよ、授業中にでも 」
狼架「 まだ顔が笑ってんぞ 」
伊那「 気のせー気のせー 」
詩「 これで七瀬さんをギャフンと云わせようぜ !!! 」
伊那「 じゃーねーぇ 」
兎衣「 またね ー ! 」
燈矢「 じゃ、また 」
魁里( ... 何、まさか仕返しでも企んでる訳 ... ? )
魁里( これだから不良は ... )
狼架「 くっそ ... 彼奴等 ... 」
ドカッ
魁里( 所詮彼奴の云う " 必死 " なんて ... )
魁里「 ... !? 」
狼架「 ... 」
魁里「 バッ 」
魁里( え、何今の ... 段ボールで作った自作サックス !?!? )
魁里( てことは彼奴等に渡したのは ... ホルンとフルート、チューバ、
ドラムの自作楽器 !? )
「 ろか御前これ作ったの ? 」
魁里( なんで ... )
「 ジブンの音を見つけられていないんじゃスタートラインにすら
立ってない 」
「 あんたがこの部に居るからでしょ !!!! 」
魁里「 ... は 」
魁里「 ははッ ... 」
「 魁里ちゃんなんでそんな1人で必死なの ? 」
「 ついけないもう1人で吹けば 」
「 __ 神楽はきっとどんなことがあっても辞めないよ 」
魁里「 ッ ... 」
狼架「 詩のに優しさで番号書いてやった俺天才✨ 」
魁里「 ... 番号書くの辞めたほうがいいわよ 」
狼架「 うおッ !?!? 七瀬ッ !?!? 」
魁里「 そんな風に番号があると、それを頼りに演奏しちゃう癖が
ついちゃうから 」
魁里「 一寸趣味で演奏するとか 遊びなら別にいいけど 」
魁里「 違うなら辞めたほうがいい 」
魁里「 ... ま、彼奴の場合、運指表全部覚えるのだけでも一ヶ月かかりそう
だけど 」
狼架「 あ" ぁ" !?!? 彼奴はそんな阿呆じゃねぇよ !!! 」
魁里「 ホルン吹けるとか云ってまだあのレベルだし 」
狼架「 糞 ... やっぱムカつく ... 」
魁里「 ... 曉に云っといて 」
狼架「 あ ? 」
魁里「 音は棒読み感があるけど、すっごく綺麗な音してる 」
魁里「 ジブンの音を見つければ更に良くなる ... って 」
魁里「 そして貴方も 」
魁里「 音がすっごく綺麗、無駄もない 」
魁里「 きっと教えてくれた人が良かったんだね 」
狼架「 ! 」
狼架「 ... そうか 」
魁里「 ... フッ 」
・
« おまけ »
詩「 でもろかこんなの作れたんだー、手先器用だなぁ 」
バンッ
詩「 え、何 !?!? ろか !?!? 」
狼架「 ズンズンッ 」
燈矢「 うわ、何しに来たんでィ 」
狼架「 バシッ 」
狼架「 キュッキュッ ... 」
狼架「 バンッ 」
詩「 え ... あ、番号消されてる 」
狼架「 フーッ( 満足気 」
詩&燈矢( ... 判らん ... )
兎衣( 天使か ... 否女神か ... )
伊那( えーそんな可愛い顔するんだー )
伊那「 パシャッ 」
後日、満足気な顔の狼架の写真が桃亜の手に渡り、散々からかわれた
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