catch me .

♯ 16

ﾊﾞﾀﾊﾞﾀｯ

燈矢「 やっべ、遅刻だァッ !!!! 」

「 何 ? 燈矢もう学校行くの ? 」

燈矢「 うん、今日から部活の朝練が始まるんだィ 」

「 は !? 部活 !? あんたが !? 何部 !? 」

燈矢「 別になんでもいいだろィ 」

「 ま、別にいーけど ... どーせすぐ辞めちゃうんじゃないの ? 」

燈矢「 うっせェ 」

燈矢「 ... 」

燈矢「 取り敢えず彼奴が真剣な限り、辞めるつもりはねーよォ 」

ｶﾞﾁｬﾝｯ

「 ... はぁ ? 」

・

詩「 此処がレ♯ ... 此処がレ♭ ... 」

伊那「 おーい、ちゃんと前見て歩かないと危ないぞー 」

伊那「 俺彼女とLINEしてたら三度電柱にぶつかった 」

詩「 伊那 ! 」

詩「 ぶはッ !! トリプルアイスみたい !! ｗ 」

伊那「 どーよ、少しは運指間違えねぇようになったぁ ? 」

詩「 うんもー大分 !! 授業中もずっと眺めてたし !! 」

・

風雅（ ... 朝練、か ）

風雅（ 昨日の部活 ... ）

・

魁里「 ... 羽山、ずれてるしオリジナルに走りすぎ 」

魁里「 まだまともに叩けないんだから勝手にオリジナル作んないで 」

伊那「 えーいいじゃん楽しいしぃ 」

魁里「 良くない、合奏でも少しテンポずれてたよ 」

伊那「 それはごめん 」

魁里「 ... でも 」

魁里「 リズム感と丁寧さがいい感じになってて、音はすっごく綺麗 。
　　　 なおかつドラムならではのロック感は失われてない 。 」

魁里「 そこは羽山の持ってる才能だね、大事にして 」

風雅「 !? 」

風雅（ 七瀬が褒めた ... !? 初めてみた ... ! ）

狼架「 てか明日朝何時からだよ ? 」

風雅「 え ? 」

狼架「 ... 朝練、やんじゃねーの 」

風雅＆魁里「 ! 」

風雅「 え、皆大丈夫なの ... ? 」

燈矢「 まあ ... 俺朝弱いから期待はしないでほしーけどォ ... 」

詩「 来なくても怒んないでね ? 」

伊那「 取り敢えず起きようとは心がけるよぉ、偶に市街だし ★ 」

魁里「 ... 女か 」

伊那「 御名答 ★ 」

兎衣「 この屑男が ... 」

伊那「 酷いよー ? 」

狼架「 正論だろ 」

・

風雅（ なんか ... 昨日は七瀬と神楽も喧嘩してなかったし ... ）

風雅（ いい感じになってきたぞ ... ! ）

・

ｷﾞｬｰｷﾞｬｰｯ

風雅（ わっ、もう誰か来てる !! 凄い気合 !! ）

ｶﾞﾁｬｯ

風雅「 おは ＿＿＿ 」

狼架「 なんでてめーはそういう云い方しかできねーんだよ !!! 」

魁里「 煩い !!! 本当にそうなんだからしょうがないでしょ !!! 」

魁里「 曉の理解力が足りないのよ !!! 」

狼架「 あ" !? 」

詩「 あ、ぶちょー ッ !!! 」

詩「 すいませんッ、俺のことで喧嘩になっちゃってッ ... 」

風雅「 曉は悪くないよ !!! 」

風雅「 で、2人共 !?!? 今度はなんで喧嘩してるの !? 」

狼架「 おおそこそこイケメン 」

狼架「 別に ... 詩のパートで凄いタンギング技術が必要なとこあんじゃん 」

風雅「 嗚呼 ... Bパートの 」

狼架「 詩まだタンギング技術そんななくて ... どうやってもガサツで
　　　 ぼやけた音しか出ねーから ... 」

・

詩「 ... んー 」

詩「 ねえ、どうすればタンギングって綺麗にできる ? 」

魁里「 は ? 」

詩「 こないだの小学生 ... タンギングも凄い綺麗に出来てたじゃん 」

詩「 なんかコツとか ... 」

魁里「 只の練習不足でしょ 」

詩「 うッ ... 」

狼架「 あ" !? 他にもっといいアドバイスとかねーのかよ !?!? 」

詩「 え、一寸ろか !?!? 」

魁里「 だから吹き込みが足りないの !!! 曉の努力不足 !!!! 」

狼架「 んだと !?!? 」

ｷﾞｬｰｷﾞｬｰｯ

・

風雅「 ... で、今に至ると 」

狼架「 時間ねーのに此奴ケチケチしてなんも教えねー 」

魁里「 楽して上手くなろうとか甘すぎでしょ 」

狼架＆魁里「 ﾊﾞﾁﾊﾞﾁｯ 」

風雅「 あーもーッ ... 」

風雅「 多分タンギングが上手く出来ないのは、口の形だと思う 」

詩「 口の形 ? 」

風雅「 えーっとね、タンギングは「 とぅ 」って云う感じで息を吹き込めば
　　　 出来るんだよ 」

詩「 とぅって云う感じ ... 」

風雅「 そう 」

風雅「 練習を重ねればこんな風に ... 」

ﾊﾟｯﾊﾟｯﾊﾟﾊﾟｯﾊﾟﾊﾟｯﾊﾟﾊﾟﾊﾟｯﾊﾟﾊﾟﾊﾟﾊﾟｯ

風雅「 早くタンギング出来るようになると思うよ ! 」

詩「 ... えぐ ... 」

風雅「 ... きっと七瀬もそういうことが云いたかったんじゃないかと ... 」

狼架「 ... おいてめー !!! 省略しすぎだろ !!! 」

魁里「 ﾌﾝｯ 」

風雅（ ... こないだから思ってはいたけど ... ）

風雅（ 七瀬ってあまり教えるのに向いてないんだろうな ... ）

風雅（ 多分天才肌だから ... 何が出来ないとか判んないんじゃ ... ）

風雅（ 七瀬1人に迷惑かけないよう俺も頑張らなきゃ ! ）

ｶﾞﾁｬｯ

伊那＆燈矢「 わりー一寸遅れちゃった / ちまったァ 」

・

« 昼休み in 屋上 »

桃亜「 で ? 腹が立って手作りサックスで練習してストレス発散してんの ? 」

狼架「 おう、流石に此処でホンモノ吹いちゃ迷惑だからな 」

狼架「 それに俺うちにサックスねーし 」

桃亜「 あれ ? 御前の家1個サックスなかったっけ ? 」

狼架「 あのサックスはレンタルしてただけだ 」

桃亜「 でもなんかな ー ... サックスって持って帰れねぇの 」

狼架「 学校の決まりで駄目なんだと 」

狼架「 だからってホンモノなんか買えねーし 」

桃亜「 んじゃせめて誰かに借りるとか 」

狼架「 誰にだよ 」

桃亜「 俺が知るか 」

狼架「 楽器持ってて、放課後練習させてくれそうなとこなんてそうそう ... 」

狼架「 ... あ 」

・

« KAMISATO »

狼架「 っつーわけで俺等5人此処で練習させてくれ !!! 」

狼架「 楽器いっぱいあるし !!! 」

静江「 あたしゃあんたらのばあちゃんじゃないんだよ !!! 」

静江「 図々しいにも程があんだろ !!! 」

狼架「 いーじゃねーか ! 迷惑かけねーから !! 」

静江「 あんたらみたいにでかい子がわらわら居るだけで十分迷惑だよ !! 」

静江「 大体あんたらに場所と楽器貸して、あたしになんのメリットが
　　　 あるんだい 」

静江「 貸し代でもくれるのかい ? 」

狼架「 か、金はねーけど一応 ... 」

" 肩たたき券 "

ﾎﾞｺｯ

静江「 大人舐めんじゃないよ !!!! 」

狼架「 ... じ、じゃあ 」

狼架「 1ヶ月後、ばーちゃんに凄い良い演奏聞かせてやるよ 」

静江「 ! 」

狼架「 ... 」

兎衣「 冥土の土産になるよーな 」

狼架「 ちょ、兎衣ちゃんッ ... 」

ﾎﾞｺｯ

伊那「 なんで俺等まで ... （泣） 」

燈矢「 手前は一生殴られとけィ 」

伊那「 酷い燈矢 」

静江「 ... 全く 」

・

静江「 そうかい、あんた一郎の息子か 」

狼架「 親父のこと知ってんのか !? 」

静江「 よく知ってるとも、お世話になってたしね 」

静江「 そうかい、あんたがねぇ ... 」

＿＿＿「 一郎、あんたんとこ今息子が居るそうじゃないか 」

「 それも随分な悪餓鬼だって噂だよ 」

「 ああまーな 喧嘩ばっかでロクに帰ってきやしねぇ 」

「 あんた体調は大丈夫なのかい ? あんまり無理するんじゃないよ 」

「 何云ってんだ 息子と暮らせるなんて楽しくてしょうがねーよ ! 」

「 それに今彼奴に足りねーのは あったかい飯と叱ってくれる相手だけ
　 なんだ 」

「 俺が面倒見ねぇで誰が見る ! 」

「 ... まああんたが良いなら良いが ... 」

「 ＿＿＿ 静江 !!! 聞いてくれよ !!! 」

「 息子がッ !!! 俺の息子がなッ !!! 吹いたんだ !!! 俺の作ったサックスを
　 息子が吹いた !!! 」

「 ! 例の悪餓鬼がかい ? 」

「 そうとも ! しかも一寸教えただけで吹けちまってよ !! 」

「 彼奴きっと才能あるぞ !!! 」

・

狼架「 ... 」

静江（ ... 一郎 ）

静江（ 今の言葉あんたに聞かせてやりたかったよ ）

静江「 男に二言はないだろうね 」

「「 ! 」」

« おまけ »

- 狼架の休日 -

狼架「 お、吹奏楽の漫画ある 」

" 読書 "

狼架「 ... 」

" 練習 "

狼架「 くかーっ 」

" 睡眠 "

... ｶﾞﾁｬｯ

桃亜「 ... おい 」

桃亜「 何人ん家でそんなくつろいでんだよ 」

狼架「 んあ ? 夜飯 ? 」

桃亜「 しばくぞ 」

兎衣「 おじゃましまーす !!! 桃亜のオムライス食べに来た ー !!! 」

桃亜「 てめーら ... 💢 」

基本桃亜の家で過ごす

桃亜からすると迷惑でしかないが（）

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