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♯ 17
__ ~ ♬
狼架「 おー、詩ばっちしだな 」
燈矢「 これで取り敢えずは安心だなァ 」
風雅「 ... す、 」
風雅「 凄い曉 ! ジブンのパート殆ど間違えずに吹けるようになってる ! 」
風雅「 ね !? 七瀬 ! 」
魁里「 まあ ... 手はあってます 」
魁里「 リズムは大分怪しいですけど 」
羅夢「 見たか詩の演奏 !!! 此奴はやれば出来るんだよ !!! 」
詩「 まー実際やってみたら同じ音をリズム変えて演奏する所
多かったし ! 」
詩「 覚えちまえばこっちのもんよ !! 」
風雅「 皆 ... ! 」
風雅( 凄い頑張ってくれてる ... ! )
風雅「 七瀬、そろそろ皆で合わせてみない ? 」
魁里「 ... 判りました 」
カタンッ
風雅( そういえば俺 ... 七瀬のトランペット聞くの初めてだな ... )
伊那「 おー、初の七瀬のトランペット ! 」
兎衣「 御前全然練習してるとこ見ないけど大丈夫なんだろうね ? 」
魁里「 あんたなんかに心配されたくないな 」
魁里「 スッ 」
魁里「 ... センパイ、合図お願いしてもらっていいですか 」
風雅「 あ、うん 」
風雅「 じゃあ皆、さんはいっで入ってね 」
狼架「 なんかだせー 」
風雅「 いーのっ 」
風雅「 じゃいくよー 」
風雅「 さんはいっ 」
~ ♬
狼架( おおっ ... )
風雅( 出だしはおっけー ... で )
魁里「 ... 」
風雅( 7小節目から七瀬のトランペット ... )
燈矢( ... あれかィ ... )
~ ♪♬ !!!
「「 ... 」」
魁里「 ... ? 」
魁里「 一寸 ! 何全員止まってんのよ ! 」
風雅「 ごッ、ごめんッ ! 」
風雅「 否 ... なんか圧倒されちゃって ... 」
風雅( 凄い ... こんな一瞬吹いただけなのに ... )
風雅( 俺とも、あの小学生とも全然違う )
風雅( 1音1音がものすごく研ぎ澄まされた ... )
風雅( " 吹き込まれた音 " だ )
狼架( ... くそ )
狼架( どーやったら出んだ ... あんな芯の強い音 ... )
魁里「 ぼやっとしてないで ! もう1回最初から ! 」
風雅「 あっ、うん ! じゃもう一度 ! 」
風雅「 さんはいっ 」
~ ♬
羅夢( ... 出だしおっけー )
羅夢( 七瀬のトランペットが入って ... )
羅夢( ここから各パート音が分かれる ... )
バラッ
風雅「 !? 」
羅夢( ... 見事にバラッバラ ... )
羅夢( 他の奴はまあまあってとこ ... 詩が盛大にずれたな ... )
狼架「 おいッ !!! きもちわりー音出すんじゃねぇよ手前等 !!! 」
燈矢「 俺は間違えてないでィ 」
詩「 おッ、俺も完璧だったよ !? 」
羅夢「 詩、悪いけど御前が1番ずれてた 」
詩「 嘘ぉ !? 」
魁里「 皆技術はあるけど、リズム感とかがバラバラすぎるのよ 」
魁里「 ちゃんと周りの音聞いて ! 」
燈矢「 そうかァ 」
兎衣「 ごめん 」
詩「 ... あの、周りの音聞くって ... どういうこと ... ? 」
魁里「 ... え ? 」
狼架「 俺もよくわかんねー ... ずっと1人で演奏してきたから ... 」
兎衣「 同じく 」
詩「 ジブンの音聞きながら周りの音も聞けってこと ? 」
魁里「 あ、当たり前でしょ 聞かないでどうやって合わせるの 」
詩「 どうって ... 1人1人吹けるんだから ... 同時に始めれば
良いんじゃないの ? 」
魁里「 なッ 」
魁里「 そんな訳ないでしょ !? テンポとかリズムとかちゃんと周りと
合わせなきゃ !! 」
魁里「 それぞれ自分勝手に吹くだけで音が合う訳ないでしょ !?!? 」
詩「 そ ... そうなの ... ? 」
兎衣「 でも周りの音聞いたところで俺どうしたらいいか判んないよ 」
魁里「 ... 」
魁里( え ... 周りの音が聴けないってどういうこと ... ? )
魁里( 合わせ方が判らないってどういう意味 ... ? )
魁里( どうやって聴くとか ... 聴きながらどう合わせるとか )
魁里( そんなの考えたこともない ... 感覚的すぎて教えることなんて
できな ... )
「 " 出来ない " なんて泣き言云うんじゃありません !!! 」
魁里「 ッ ... 」
・
「 貴方は将来ジブンの後を継がないといけないの、出来ない判らないなんて
許されない 」
「 トップに立つ人間がしっかりしなきゃ 周りは認められない
弟子を作っても指導ができない ! 信頼が勝ち取れない ! 」
「 泣く暇があるなら練習して !!! 」
・
魁里「 ... 」
風雅「 な、七瀬大丈夫 ... ? 」
魁里「 ... 大丈夫です、取り敢えず最初からもう一度 ! 」
燈矢「 ... 」
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