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♯ 23
風雅「 発表再来週の朝会の時にって 正式に決まったよ !! 」
「「 ... 」」
詩「 うわぁあぁっ !!! まじかぁあぁぁっ !!! 」
伊那「 やっぱほんとに演奏すんのなぁ 」
伊那「 まあそのつもりだったけど 」
詩「 でもいざ日程が決まるとなんか一気に緊張感が ... !! 」
燈矢「 朝寝坊したら終わりだィ ... 」
詩「 うおやべぇ ... 一気に心臓が ... 」
燈矢「 胃が痛ェ ... 」
伊那「 俺人前で何か披露するの小学校の発表会以来かもー ... 」
狼架「 阿呆か、今から緊張してどーすんだよ 」
兎衣「 それな、情けない 」
詩「 俺等は御前等と違って繊細なの !!! 」
伊那「 つーかそういうこと云ってる奴が本番で1番ガッチガチなんだよぉ 」
ボコッ
詩「 彼奴サイテーよっ(コソッ 」
伊那「 酷いほんとに(コソッ 」
狼架「 聞こえてんぞてめーら 」
詩&伊那「 スイマセン 」
狼架「 フンッ 」
魁里「 ... 大丈夫 」
魁里「 しっかり練習して体に覚えさせれば 」
魁里「 本番どんなに緊張しようが頭が真っ白になろうが 手はちゃんと
動くから 」
詩「 七瀬さん ... (ジーンッ 」
魁里「 まあ今のままじゃ ずれて止まって悲惨なことになるだろうけど 」
詩「 え ... 」
狼架「 んだとこら 」
風雅「 とっ、兎に角 !!! 」
風雅「 発表まで後2週間切ったし、悔いだけは残さないようやれることは
全部やろう !! 」
詩「 お ... おー ... 」
・
魁里「 ___ ストップ !!! 」
魁里「 神楽、今の1行 ... 折角曲の中盤で1番目立つサックスソロなんだから 」
魁里「 もっと芯のある音で響かせて 」
狼架「 あ" ? 」
狼架「 なんだそれ ... どうすりゃいーんだよ 」
狼架「 芯のある音って ... 吹き方変えれば出んの ? 」
魁里「 否そういうことじゃなくて ... 」
魁里「 ... 」
魁里「 ... こ、この前あんたが吹いてたみたいにだよ ... 」
風雅「 ! 」
狼架「 この前って何時だよ 」
魁里「 っだから ! この前1人で楽器屋さんで演奏してたような感じに ... ! 」
狼架「 わっかんねーよそんなん !!! 覚えてるわけねーだろ ?!!? 」
魁里「 なんで覚えてないの !? 使えないね !!! 」
狼架「 あ" !? 」
風雅「 わ" ーっ !!!! ]
風雅「 なっ、七瀬 !! 云いたいことは判るけど、 " 芯のある音 " を
自在に出すって幾ら神楽でも難しいんじゃ ... 」
風雅「 凄い抽象的だし ... 」
狼架「 殴る、やっぱ此奴殴る !!! 」
風雅「 神楽落ち着いて !!! 」
魁里「 ... 」
魁里「 ... そうですよね 」
魁里「 " 神楽なんかに " そんな音出せる訳ないですよね 」
魁里「 期待した僕が莫迦でした 」
狼架「 ブチッ 」
狼架「 てめー云ってくれんじゃねぇか !!!!( ガタッ 」
兎衣「 わ" ー っ !!! 落ち着け狼架 !!! 」
風雅「 七瀬云い過ぎっ !!!(泣) 」
風雅( な、なんでだろう ... なんかまた一段と七瀬の神楽への態度が
厳しくなったような ... 何故 ... )
詩「 まーでもあれだね、どんまいろか ★ 」
燈矢「 大丈夫、俺等も期待してないでさァ 」
伊那「 1行とは云えだーいじなソロなんだから間違えずに吹けよ ー !!! 」
ボコッ ドコッ ボゴッ
伊那「 酷いっ !!! 」
詩「 あの人凶暴よっ !!! 」
燈矢「 ロクな男じゃないでィ 」
狼架「 どいつもこいつもっ ... 💢 」
狼架( ... 芯のある音 ... )
狼架( 吹き方を変えるとかではなく ... )
狼架「 ボンッ 」
風雅「 神楽っ !?!? 」
・
魁里「 最初の入りこんな感じでもっとアタック強くして 」
詩「 アタック ... ? バレ ー ? 」
・
桃亜「 なんでわざわざ俺ん家で練習してんだ御前はっ !!!! 」
狼架「 俺もー楽譜暗記した、カンペキ 」
桃亜「 帰れ !!!! 」
・
魁里「 音小さくすると音が遅れがちだから気をつけて 」
「「 ? ? 」」
・
~ ♪♬
ダンッッ
「「 ... !!! 」」
詩「 ... はっ 」
詩「 初めて止まらず最期までいった ー !!!! 」
詩「 しかも楽譜見ずにっ !!! 」
詩「 うおーっ !!!! 」
詩「 あ、やべ、泣きそう 」
兎衣「 凄いっ !!! やったね狼架 !!! 」
狼架「 いちいちくっつくなっ !!! 」
燈矢「 七瀬、やったなァ 」
風雅「 本番もこれくらい演奏できれば ... ! 」
魁里「 ま ... まあ、 " 最低限 " のレベルにはなったかと ... 」
狼架「 いちいち可愛くねーな、偶には素直に喜ぶとかできねーのか 」
魁里「 " 最期まで止まらず吹く " なんて ... むしろ出来なきゃ困るレベル
でしょ、どう喜べっての 」
風雅「 まあまあ、俺達にとっては大きな一歩だよ 」
風雅「 ここからもっと吹き込んでかなきゃだけど 」
静江「 あんた達、お茶いれたよ、少し休憩しな 」
風雅「 ! ありがとうございます ! 」
・
詩「 ズズーッ 」
詩「 っあーっ、うめーっ !!! 」
詩「 ばーちゃんのいれてくれたお茶好きっ !!! 」
伊那「 ほっとするよねぇ 」
燈矢「 お茶菓子うめぇ 」
静江「 そりゃ良かった 」
狼架「 なあばーちゃん、どーよ俺等の演奏 」
狼架「 大分良くなってきたろ( ニヤ - ッ 」
静江「 ... そうだねぇ、ま、大分形にはなってるねぇ 」
静江「 テストとかなら合格ラインじゃないかい 」
狼架「 んだよその云い方 」
静江「 だってあんた達この演奏で学校中を納得させたいんだろ 」
静江「 そこの嬢ちゃんはよく判ってると思うが 曲で人の心を動かすってのは
そう簡単なことじゃない 」
静江「 あんた達はよく練習してる 音もいいしパワーもある 」
静江「 後は吹く時の気持ちの在り方じゃないかい 」
詩「 気持ちの ... 在り方 ... ? 」
静江「 そ 」
静江「 なんの為に吹くのか、誰に届けたい音なのか 」
静江「 一寸意識するだけで音色はガラリと変わるモンだよ 」
静江「 大事な人に 大切な言葉を投げかけるように吹いてごらん 」
静江「 音は言葉でうまく気持ちを伝えられない人の為の 」
静江「 もう1つの言葉だよ 」
「「 ! 」」
静江「 不器用で、誤解されやすいあんた達に 」
静江「 ぴったりじゃないか 」
狼架「 ... そうか( ニコッ 」
兎衣「 ... 天使か ... 」
狼架「 は ? 」
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