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♯ 25
始まりは ほんの僅か1ヶ月前
誰からも相手にされない部 荒れ果てた部室
___ でも其処に
神楽が現れて
世界は一変した
・
ザワッ
「 うわほんとに演奏すんだ 」
「 熱いねー 」
「 俺等まで巻き込むなって感じだけど 」
「 だって正直 どうでもいいよね 」
ザワザワ
静江「 ... 悪かったね、無理云って中入れてもらって 」
静江「 部外者だってのに 」
「 何云ってるんです 」
「 静江さんにはずっと我が校の吹奏楽部の面倒見てもらってるんです 」
「 それに 」
「 実は先日神楽くんが ___ 」
・
「 ___ 当日もう1人演奏を聞かせたい人 ... ? 誰です ? 」
狼架「 ばーちゃん 」
「 え ? 」
狼架「 ... 楽器屋のばーちゃん 」
「 ! 」
狼架「 当日すげーいい演奏聞かせるって約束したんで 」
狼架「 いいっすか、いいっすよね 」
・
「 ___ って 」
静江「 ! 」
「 慕われてますねぇ 」
静江「 ふん 」
静江「 あんたも意地が悪いね、校長のあんたが一言部を存続させると
云ってやれば、こんな大袈裟なことにはならなかっただろうに 」
「 ふふ、だって面白いじゃないですか 」
「 頑張ってるのに、全く周りに見つけてもらいない子 」
「 黙っていても、何もしていなくても、悪目立ちしてしまう子 」
「 正反対の2人が並んだあの日から 」
「 私はなんだかずっとワクワクしているんですよ 」
「 この子達が奏でる音は 一体どんな音なんだろうって 」
狼架「 ドカッ 」
「「 ... 」」
「 ... ぶふっ、え、ちょ、まじで !?!?! 」
「 神楽彼奴もまじで演奏する気 !?!? 」
「 嘘だろ なんの冗談だよ 」
「 やべ 超うける 」
「 莫迦笑うな、殺されんぞ ... 」
「 否無理でしょ笑うでしょ 」
「 ... ふん、笑いモンにされてざまぁねぇな 」
「 な、なああの女って ... 」
「 あ" ? 」
魁里「 カタッ 」
「 ! 」
___「 もっと練習しろっての 」
「 ... あの女も吹部だったのか ... 」
「 つくづく鼻につく部だな ... 」
風雅『 ええと、全校生徒の皆さん 僕達吹奏楽部は ___ 』
「 いいからさっさとやれよー 」
風雅「 ! 」
「 俺等の貴重な時間使って つまんねぇ演奏聞いてやんだからよー 」
「 そーださっさとやれよ 」
「 楽器なんか演奏するより教頭ぶん殴った方が早いんじゃね ? 」
「 やだー !! 」
「 早くしてよー 」
ザワザワ
詩「 ... 」
魁里「 ... 」
風雅「 ッ ... 」
狼架「 ガタンッ 」
狼架「 ギロッ 」
風雅( ひっ ... )
(( ひぇえぇぇッッッ ))
シンッ ...
風雅「 ... チラッ 」
狼架「 ! 」
狼架「 カタンッ 」
___「 センパイにはよく扶けられてますよ 」
風雅( __ ... 違う、俺の方だ )
風雅( 逃げ出したくなったり、背を向きたくなった時 いつも
扶けられてたのは )
風雅( 俺の方だ )
風雅「 ギュッ 」
風雅『 ___ おかしければ笑ってくれて構いません 』
風雅『 つまらなければ文句云ってくれて構いません 』
狼架「 ! 」
風雅『 ... それでも 』
風雅『 大事な仲間と居場所を失いたくないので 』
風雅『 僕達は最期まで 真剣に演奏しきります 』
桃亜「 ... フッ 」
桃亜( 流石夜月風雅だな )
静江「 そうこなきゃね 」
「 そうですね 」
「 恥っず !!! さっむ !!! 」
魁里「 ... ニコッ 」
風雅「 ! 」
「「 ニコッ 」」
風雅「 チラッ 」
狼架「 ! 」
狼架「 コクッ 」
風雅「 ... ニコッ 」
風雅「 カタンッ 」
___「 なあ狼架 」
「 御前いっつもつまんなそーな面してっけどよ、学校で楽しいこととか
好きな奴とかいねーのか ? 」
「 ... ねーよ、何も 」
...
ダァンッッ
「「 !?!?!? 」」
「 !?!? 」
ザァァァァッ
「 ___ ... は ... ? 」
「 え ... ? 」
ビリビリッ
桃亜「 ビリッ 」
桃亜( ははっ、サイコーッ ... )
「 なん ___ ... 」
魁里「 パーッパラッパッパ」
伊那「 ドォンッッ 」
ブワッ
「 ちょ、え、なにこれ ... 」
「 吹奏楽ってこんな ___ ... 」
伊那「 ダカダカダカッ 」
狼架「 ザーッパーッッ 」
狼架「 ... 」
__ ガッ
・
「 さっすが狼架 !!! 」
「 もう敵なしじゃーん 」
スッ ...
パシッ
狼架「 ... 触んな 」
タッタッタ
「 ... こっわ、なんだよあれ 」
「 いつものことじゃんほっとけって 」
「 どーせ彼奴誰のことも信用してねーんだから 」
「 喧嘩の時だけ利用すればいーんだよ 」
狼架「 ... 」
・
魁里「 パーッ 」
風雅( ... よし、七瀬のソロに入った ... )
風雅( 此処まではカンペキ ... ! )
魁里「 パァッ ... 」
静江「 ___ ... 龍の鳴き声 」
「 え ... ? 」
静江「 否、なんだかそう聞こえてさ 」
静江「 仲間の居ない 」
静江「 孤独な龍の鳴き声 ___ 」
魁里「 パーッパララッ ... 」
魁里「 パァァッ ... 」
「 っ ... 」
桃亜「 ___ ... 」
__ ガチャッ
・
桃亜「 ! 」
狼架「 スーッ 」
桃亜「 おいこらてめー、何また勝手に人ン家に上がり込んでんだよ 💢 」
桃亜「 しかもまた血まみれかよっ ... 」
ゲシッ
桃亜「 ___ ... ほい、手当完了 」
桃亜「 ったく ... 」
桃亜「 御前今父さんのとこ住んでんだろ ? 」
桃亜「 ちゃんと帰ってやれよ 」
狼架「 うっせーな 」
桃亜「 御前何時までそんなんで居るつもりだよ ?
俺だって面倒見切れねーぞ 」
狼架「 あっそ 」
桃亜「 おい狼架っ !!!! 」
バタンッ
桃亜「 ... はぁっ、餓鬼が ... 」
兎衣「 あれっ !?!? 狼架はっ !?!? 」
桃亜「 先刻帰った ... って御前も勝手に上がり込んでんじゃねぇ帰れっ !!!! 」
桃亜「 てゆーか御前も血まみれかっ !?!? 」
兎衣「 俺まだ学校行ってるしマシな方 」
桃亜「 理由になってねぇよ莫迦野郎 ... 」
・
「「 すぅっ ... 」」
パッパッパパッパパパッ
・
一郎「 今朝友達が御前のこと迎えに来てたぞ 」
狼架「 は ? 」
一郎「 学校連れて気だったみてーだな 」
一郎「 古宵桃亜ちゃんと宵宮兎衣くんって云ったか 」
一郎「 桃亜ちゃん、御前がこのまま学校辞めて 喧嘩ばっかのろくでなしに
なんじゃないかって心配してたわ、いい子だな w 」
一郎「 兎衣くんは御前と同じ部類か ? 包帯と絆創膏だらけだったぞ 」
狼架「 ... だったらどうだってんだよ 」
トントンッ
一郎「 ... 」
一郎「 なあ狼架 」
一郎「 御前自分の事諦めるなよ 」
狼架「 ... 」
一郎「 周りがまだ御前のこと諦めてねぇのに 御前が一番最初にジブンを
見捨ててんじゃねぇ 」
一郎「 そんなんじゃいつか本当に孤独になっちまうぞ 」
狼架「 __ ... 今と何が違う訳 ? 」
一郎「 ! ... 」
一郎「 そんなこと判らんのか、莫迦モン ... 」
狼架「 ... 」
狼架( 判んねーよ )
「 あんたの所為で私の周りからの評判は悪くなるばかりよっ !!!!! 」
「 なー聞いた ? 彼奴親から見捨てられたんだって 」
「 えー 」
「 超うける 」
・
詩「 フッ 」
詩( しまった、入りそびれたっ ... )
「「 ! 」」
「 ? なんか変な音ー 」
「 ... こーゆう曲 ? 」
燈矢( やべ、詩に気つられて俺もずれたっ ... )
伊那( わっ、引きずられるっ ... )
伊那( 最悪だ、歌詞ミスった ... っ )
詩( えーっと、えーっと ... )
魁里「 っ ... 」
狼架( おいおい何処行くんだ御前等 ... !!! )
兎衣( うぇっ、気分悪 ... )
風雅( っ、まずい、どんどんずれてるっ ... )
( どうすればっ ... )
・
ザァァァァッ
狼架「 ... 」
ザァッ ...
狼架「 ... ? 」
狼架( 雨やんだ ... ? )
狼架「 ! 」
桃亜「 いい加減にしろよ御前 !!! 死にてぇのかっ !?!!? 」
兎衣「 狼架 ... 」
桃亜「 じいちゃんすげー心配してたっつの、ほら帰んぞ !!!! 」
狼架「 るせーな、離せ ... 」
桃亜「 ゴンッ 」
兎衣「 ドゴッ 」
狼架「 ってぇなっ、何す ___ 」
狼架「 ... え 」
桃亜「 ッ ... ( ポロッ 」
兎衣「 もう一寸ジブンの体大事にしてよ莫迦ッ ... ( ポロポロッ 」
狼架「 ... 」
グイッ
「 いつか本当に孤独になっちまうぞ 」「 今と何が違う訳 ? 」
桃亜「 ... 帰んぞ 」
兎衣「 怪我してるッ ... 手当ッ ... 」
桃亜「 云っとくけど御前も相当ボロボロだかんな 」
兎衣「 うっ ... 」
「 そんなことも判らんのか、莫迦モン ... 」
___燈矢「 ってぇな、離せィ !!! 」
「 るせー、さっさと歩けや 」
「 逃げよーったって無駄無駄ー ♥ 」
狼架( ... 彼奴等よく桃亜や兎衣と一緒に居る ... )
狼架「 ___ ... 」
狼架「 フイッ 」
狼架「 ... っ 」
狼架「 タッ 」
... ボコッ
詩「 ___ な、なんでっ ... 別に仲間でもなんでもねーのにっ ... 」
狼架「 ___ ... 」
「 御前等よく桃亜や兎衣と一緒に居んじゃん 」
・
魁里「 スゥッ ... 」
パァッ
「「 ビクッ 」」
風雅「 !? 」
狼架「 ! 」
兎衣( ... あ )
風雅( 七瀬、皆が合わせやすいよう小節の頭を強くしてくれてる ... ! )
燈矢&伊那&詩「 ! 」
伊那( そーいうことか ... よしっ )
風雅( 七瀬に )
狼架( 彼奴に )
(( 合わせるっ !!!! ))
ブワッッッ
「 ! 」
燈矢( よっしゃ戻ったっ ... ! )
風雅( 後は神楽のソロと最期の盛り上がりだけっ ... ! )
狼架「 __ ... 」
・
一郎「 狼架、御前この間の喧嘩桃亜ちゃんと兎衣くんのトモダチ
助ける為だったんだってな 」
狼架「 ! 」
一郎「 悪かったな、親父知らなくて ... 餓鬼とか云っちまって 」
一郎「 しっかし御前男じゃねーか !!! 見直したぞ !!! 」
ナデナデッ
狼架「 辞めろっ !!! 」
一郎「 ってな訳で御褒美にほら !!! 」
一郎「 今日のお昼は俺特製の最高の食べ物にしてやったぞ !!! 」
狼架「 ... は ? 」
一郎「 最近流行ってるんだろ ? という訳で作ってみた !! 」
一郎「 フルーツサンド !!! 1から俺の手作りだ !!! 」
狼架「 ... ブッ 」
狼架「 それがフルーツサンド ... ? 形やばすぎだろっ ... w 」
一郎「 ... 御前 」
一郎「 今笑った ? 笑ったよな ?( ガシッ 」
狼架「 ! ... 悪いかよ( バシッ 」
一郎「 ははっ、御前 ... そんな風に笑うんだなぁ ... 」
狼架「 ... っ ... 」
一郎「 なあ狼架、そうやって笑顔を向けられる相手 ... 」
一郎「 多くなくていいからもっと作れ 」
一郎「 ... そんでもってこの手はよ、誰かを殴ったり傷つけたり
するんじゃなく ___ 」
「 大事な何かを救ったり 幸せを掴む為に使え 」
・
風雅( ... よし ! なんとか此処まできた !! )
風雅( 次神楽のソロ ... )
__ 大事な人に大切な言葉を投げかけるように
吹いてごらん
狼架「 ピィンッ ... 」
「「 ! 」」
「「 !? 」」
狼架( __ おい親父、聞こえてっかよ )
ブワッ ... パァーッ ...
狼架( __ なぁ )
「 ... っ 」
魁里「 っ ...( ゾクッ 」
風雅( 神楽 ... )
燈矢&伊那&詩( 狼架 ... )
桃亜「 フッ ... 」
静江( ... 流石一郎の息子なだけあるね )
「 ... ニコッ 」
「 っ ... 」
( __ これが )
( これがあの神楽だとっ ... !? こんな優しい音っ ... い、否 !! 私は何を
云っているんだ !!! )
( こんな筈っ ... )
魁里「 ... パァッッッ 」
風雅( 最期の盛り上がり ... ラストスパート ... )
伊那( 届け )
燈矢( 届け )
詩( 届け )
兎衣( 届け )
狼架( 届きやがれ )
ドッ
「 うわ ... わ ... 」
~ ♬♪
伊那「 ダァンッッッ 」
「 ... 」
静江「 フッ 」
「 ... フッ 」
「 っ ... 」
狼架「 ... ニコッ 」
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