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♯ 28
氷斗「 実は俺吹奏楽部の演奏に感動しちゃってさー 」
氷斗「 だから俺も吹奏楽部に入れて ? 」
・
悠「 ___ 入部希望 ... 泉 ... ? 」
風雅「 はい ... 」
悠「 ふーん、彼奴が吹奏楽部にねぇ 」
悠( 泉って確か ... )
« 入部動機:楽しそう♪ »
悠「 ... 」
悠「 ま、いんじゃない ? 御前も2年1人で寂しかっただろーし ?
丁度いーじゃん 」
風雅「 別に寂しくは ... 」
風雅「 取り敢えずそれ渡しに来ただけなんで 」
風雅「 失礼します 」
悠「 あーおい夜月ィ 」
悠「 頑張れよー( パタパタ 」
風雅「 ... ? 」
・
風雅( __ 泉、何気に喋ったこと殆どないんだよな )
風雅( 陽キャで女子力高めってイメージだけど ... 実際どんな人なんだろ )
風雅( でも ___ )
「 吹奏楽部の演奏に感動しちゃってさー 」
風雅( ... 届いたんだ、ちゃんと )
風雅( 嬉しいな )
・
風雅「 えー、という訳で 」
風雅「 新入部員の泉氷斗くん ! 俺と同じ2年生です 」
氷斗「 よろしくー 」
詩「 わーっ !?!? すっっごいイケメン !!!! 」
燈矢「 センパイすか、じゃあひょーとセンパイでいいっすよね 」
氷斗「 あははー、何、可愛いね君達ー 」
氷斗「 学年は1コ上だけど部員としては後輩だから 」
氷斗「 色々教えてねー 」
詩「 はいもーなんとりとっ !!! 」
伊那「 詩ってイケメンと美女大好きだよねぇ 」
氷斗「 ! 」
氷斗「 あーっ !!! 七瀬さんだよね !?!? 」
魁里「 え !? 」
氷斗「 演奏くっっそかっこよかったよぉ !!! 」
氷斗「 しかもプロの演奏家の娘さんなんでしょ !? 凄いねぇー !!! 」
氷斗「 俺なんも取り柄ないから憧れちゃうなぁー 」
魁里「 いえそんな ...( ジーッ 」
氷斗「 ? 」
魁里( ピアスバッチバチ ... ネイルもしてる ... てか女子力高 ...
え、肌すべすべ ... )
魁里「 ... 」
詩「 センパイセンパイっ !! 俺曉詩っす !! 詩って呼んでくださいっ !!! 」
燈矢「 俺一ノ瀬燈矢 」
伊那「 羽山伊那だよー 」
氷斗「 あはは、おっけーおっけー、詩に燈矢に伊那ね ! 」
氷斗「 ... と、それから ... 」
氷斗「 狼架と兎衣 ... でいい ? 」
狼架&兎衣「 あ" ? 」
詩「 ボコッ 」
狼架「 いってぇな !!!! 」
兎衣「 何すんだてめぇっ !!! 」
詩「 御前等センパイになんて口聞いてんだっ !!!! 」
狼架「 あ" !? 」
兎衣「 てめーにだけは云われたくねぇよ !!!! 」
氷斗「 あ、ごめん、馴れ馴れしかったね 」
詩「 否いいんすいいんす !!! 此奴等誰に対してもこうなんで !!! 」
燈矢「 是非是非狼架と兎衣って呼んでやってくだせィ 」
狼架「 てめーら何勝手にっ !!! 」
兎衣「 殺す !!!! 御前等後でぜってぇ殺す !!!! 」
氷斗「 あはっ、君達ほんとに仲いいんだねぇ 」
詩「 ! 」
氷斗「 や、俺さぁ、皆の演奏聞いてすっごい感動してー 」
氷斗「 いいなー、俺も一緒にやりたいなーって思ったんだけど 」
氷斗「 もう2年じゃん ? 」
氷斗「 今更入部なんて嫌がられるかなーって思ったんだけど
なーんか和んじゃった ! 」
詩「 い ... 」
詩「 嫌な訳ないじゃないっすかぁ !!!! 寧ろ大歓迎っす !!!! 」
氷斗「 わっ、ありがとう !!! 」
詩「 ひょーとセンパイも俺等と一緒に全国目指しましょう ... !!! 」
氷斗「 えっ、全国目指してんの !? すごーっ !! 」
ワイワイッ
風雅( なんかもう馴染んでる ... )
風雅( これなら上手くやっていけそうかな ... )
魁里「 ... 」
狼架「 ... で ? 今日から部活何すんの、全国用の練習 ? 」
風雅「 あ、うんそれなんだけど 」
風雅「 全国の予選は12月なんだ、でもその前に出来る限りいろんなとこで
演奏した方がいいと思って( ゴソッ 」
風雅「 ___ で、昨日色々調べてたら此れ見つけて( ペラッ 」
「「 ___ 高校生関東・中国吹奏楽祭 ... ? 」」
風雅「 うん 」
風雅「 大会規模は此処茨城県を含めた関東地方、そして全国出場校が
多く存在する広島を含む中国地方の1都11県 」
風雅「 団体の部と個人の部2つあって、団体の部は人数制限なし 」
風雅「 各県( 都 )から優勝校を1校選出して、そこから更に最優秀校を
決めるんだって 」
風雅「 ... これに、参加してみたいと思うんだけど ... 」
詩「 ... う、 」
詩「 うおおおっ !!! それってつまり他校との戦いってことだよな !?!? 」
風雅「 たっ、戦い !? ま、まあうん ... 」
燈矢「 うし、燃えてきたぜィ 」
伊那「 いーねぇ、面白そうだし出よ出よー 」
風雅「 神楽宵宮に七瀬も大丈 ... って燃えてるっ !?!? 」
狼架&兎衣&魁里「 メラメラッ ... 」
風雅「 えっとじゃあ、大会8月で ... そこまで時間ある訳じゃないから、
木漏れ日みたいにすぐ ... 」
魁里「 あ、いえ、できれば僕 ... 」
魁里「 その前に一度 " 吹奏楽のバラード " やっておいた方がいいと思うん
ですが ... 」
風雅「 バラード ? 」
魁里「 木漏れ日の時はあまりに時間がなくて、基本とか全部すっ飛ばして
しまったので 」
魁里「 此処でもう一度基本やリズム感等を再確認、修正し ... 後 」
魁里「 " 何か " が違うんです 」
風雅「 違う ? 」
魁里「 " バラード " もやった人の音と、 " 現代曲 " しかやってない人の音 」
魁里「 上手く云えないけど ... 音に奥行きが出るっていうか ... 」
狼架「 音に ... 奥行き ... 」
狼架「 てめぇはまたそういう判りづれぇこといいやがって ... ← 感覚派 」
魁里「 あんたの理解力が乏しいだけでしょ ← 理論派 」
風雅「 まあまあっ !! 」
風雅「 うーん、バラードかぁ ... 」
魁里「 駄目ですか ? 」
風雅「 否駄目っていうより ... 」
風雅「 泉さんとか 楽器初めての人にとっては一寸とっつきにく過ぎるって
云うか ... 」
魁里「 あ ... 」
氷斗「 あー 」
氷斗「 俺なら大丈夫、楽器初めてじゃないから 」
「「 え !?!? 」」
詩「 ひ、ひょーとセンパイ楽器経験者だったんすか !?!? 」
伊那「 なんの楽器 ~ ? 」
氷斗「 んとねー、サックス 」
氷斗「 経験者って程じゃないんだけど、三年ぐらい母さんの影響で
習ってたんだー 」
氷斗「 昔から母さんの演奏よく聞いてたから、バラードも多分そんな抵抗
ないよ 」
氷斗「 後簡単な曲なら大体吹ける 」
氷斗「 俺音感持ちだし 」
詩「 音感もっ !?!?!? すげぇーっ !!! 」
燈矢「 心強いなァ 」
風雅( ... 泉が ... )
風雅( 同じクラスに楽器の経験者が居たなんて ... なんか変な感じだ ... )
魁里「 ... 」
風雅「 あ、それならバラードやろっか 」
風雅「 何がいいかな ? 」
魁里「 そうですね、" 風雪の詠 " とかどうでしょう 」
魁里「 難易度も少し難しいぐらいなので、丁度いいんじゃないかと 」
狼架「 風雪の詠 ... 吹奏楽のためのバラード第1番で代表的な曲 」
兎衣「 トランペットの高音とサックスのリズムが主な旋律の曲 」
風雅「 凄い、よく知ってるね 」
狼架「 忘れたのかよ、俺サックス2年目だっつの、流石に知ってるわ 」
風雅「 ごめんごめん 」
詩「 ほう ... ? 」
狼架「 俺的には木漏れ日より簡単そうだな、吹いたことはないけど
楽譜的に 」
兎衣「 俺もそう思う 」
魁里「 そう思うかもしれないけど、バラードは結構難しいよ 」
魁里「 現代曲とは表現方法も全く違うし 」
魁里「 タンギングの嵐、リズム感 ... 」
魁里「 神楽達はまだしも曉に演奏できるかどうか ... 」
狼架「 おい失礼だぞ !!!! 」
詩「 ろかっ !!! 事実だからっ !!! 」
風雅「 とっ、取り敢えずやってみようか !!! 」
伊那「 あ、でもさぁ 」
伊那「 この学校サックス1つしかないんだよね ? だったらサックス1つ
足りなくない ? 」
風雅「 あ" っ 」
風雅「 しまったそうだ、どうしようっ !!! 」
燈矢「 学校で買ってもらえたりとかしねぇのかィ ? 」
風雅「 うーん流石に ... 」
狼架「 ... 」
狼架「 俺 」
狼架「 ジブンのサックス持ってくる !!!! 」
狼架「 んでひょーとに貸してやるよ !!!! 」
風雅「 え" ?!?!? 」
風雅「 神楽サックス持てったっけ !?!?!? 」
狼架「 ばーちゃんから貰った 」
伊那「 サックスを !? 」
兎衣「 でも狼架のサックスでしょ、嫌じゃないの ? 」
兎衣「 ほら、唇つけるし 」
狼架「 その部分だけ買って取り替えればいいだろ 」
燈矢「 ずりィ、なんでてめーだけ ... 」
狼架「 ... お、 」
狼架「 親父が ... 最期に作ってくれてて ... 」
狼架「 それくれた ... 」
兎衣「 .... は、は ... まじか ... 」
風雅「 神楽 ... 」
伊那「 そっか、そっかぁ !!!( ナデナデッ 」
燈矢「 親父さん御前にサックス残してくれてたのかァ 」
詩「 よかったねーろかっ !!!! 」
狼架「 んでおめーらが泣いてんだよっ !!! 」
燈矢「 るせーやィ 」
伊那「 あははっ 」
氷斗「 ... な、何 ... ? 」
氷斗「 ねえ、なんで皆あんなに喜んで ... 」
魁里「 ... フッ 」
氷斗「 ___ ... 」
風雅( 神楽 ... 良かった ... )
魁里「 あ、センパイ、サックスのマウスピースなら家に何個か
あるので 」
魁里「 持ってきますね 」
風雅「 え、でも七瀬フルートとホルンも持ってきてくれたし ... 」
風雅「 2回も悪いよ、俺が家まで行って持ってこうか ? 」
魁里「 ! 」
魁里「 い ... いえ、それは大丈夫です 」
風雅「 で、でも ... 」
風雅「 あ、家来られるの嫌とかだったら別に近くの場所でも ... 」
魁里「 大丈夫ですから 」
詩「 七瀬さん遠慮しないでふーがセンパイに頼っちゃいなよー 」
燈矢「 そうでィ、甘えんのも大事でさァ 」
燈矢「 なんなら俺等も何かあったら手伝 ___ 」
魁里「 だっ、 」
魁里「 大丈夫だってば !!!!!! 」
魁里「 ... ハッ 」
詩「 あ、そ、そっか ... 」
魁里「 ッ ... 」
風雅「 あ、えっと今日は、それぞれ個人練で ... 」
氷斗「 ... 」
氷斗( ふぅん ... ? )
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