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♯ 31
「 いやー、七瀬祐菜の娘やってくれるよなー !! 」
「 七瀬の宣伝になったんじゃない ? 」
「 あんなことするなんて !!!! 」
「 七瀬の顔に泥を塗っているのと同じです !!!! 」
「 一体どういう教育を ... !!! 」
「 まあいいでしょう、七瀬の名が更に有名になったんですし 」
魁里「 ... 」
魁里( ... 嗚呼、なんか )
魁里( 莫迦みたい )
___ 祐菜「 どういうつもりなの !!!! 」
祐菜「 2日連続でレッスンをすっぽかすなんて !!! 何を考えてるの !!!! 」
魁里「 ... 別に、その方がお母さんも楽なんじゃないかと思って 」
魁里「 ... もう 」
魁里「 僕のこと背負わなくていいよ 」
__ あがいて、演奏し続けて
でも何も変わらなかった
寧ろ悪化した
「 一寸聞きました ? あの子またレッスンサボったんですって 」
「 もう1ヶ月もサボってるって 」
「 こないだの勉強会も無断欠席よ 」
「 信じらんない、上手いからって調子に乗って 」
「 とんだ問題児よ、あんな子が七瀬家の血だなんて考えられない 」
だったらもう
演奏する意味なんてない
___ 「 師匠、最近の魁里さんの態度は目に余ります 」
「 快く思わない者は増えていますよ、どうなさるおつもりですか 」
__ ガラッ
祐菜「 ... またレッスンサボったわね 」
祐菜「 貴方もうやる気ないんでしょう 」
魁里「 ... だったら何 」
祐菜「 ... だったら ... 」
祐菜「 ____ 」
・
燈矢「 スピ-ッ スピーッ 」
魁里「 ... 」
桃亜「 やー、よく寝んな此奴 」
狼架「 それな、登校中から今までずっと寝っぱなしじゃね ? 」
魁里「 ... 」
魁里( ... やっぱり昨日殆ど寝れてないんだ ... )
兎衣「 おら燈矢、授業全部終わったぞ( ゴスッ 」
燈矢「 んー ...( ムクッ 」
桃亜「 部活は行くんだろ ? 」
狼架「 うわー、すっごい寝癖 」
燈矢「 ... あれ、七瀬来てたの 」
魁里「 悪かったね来てて 」
兎衣「 燈矢、口調 」
燈矢「 ... あ 」
魁里「 ... そういえばあんた、今朝もだけど江戸っ子口調じゃないね 」
燈矢「 ... い、いいから行くぞ莫迦女 」
魁里「 はぁっ !?!?!? 」
・
燈矢「 ふぁーっ、寝すぎてねみぃ ... 」
兎衣「 何云ってんの 」
魁里「 ... 」
魁里「 ... き、昨日の ... ていうか今朝 ... ? のことなんだけど ... 」
詩「 七瀬さぁぁぁぁあぁぁぁんっっっ !!!!( ドンッ 」
魁里「 うわぁあぁぁぁぁっ !?!?!? 」
魁里「 あ、曉っ ... 」
詩「 よかったーっ、今日は学校来てくれたんだねーっ !!!! 」
伊那「 こら詩 !!! 」
伊那「 狼架等も黙ってねぇで止めなよぉ !!! 」
狼架「 めんどくさくて 」
兎衣「 面白くて 」
燈矢「 眠くて 」
伊那「 御前等なぁ ... 」
伊那「 でもよかった、昨日は風邪 ? もう大丈夫 ? 」
魁里「 あ、うん 」
伊那「 これ、レモン味の飴 」
伊那「 これ舐めると喉もすっきりするし元気になるよ、あげる 」
魁里「 あ、ありがと ... 」
魁里「 ... 」
「 云いたくなったら云えば 」
魁里「 あ、あの ... 」
詩「 うっ、うっ、ごめんねぇ ... 俺等がいっぱい迷惑かけたから ... ! 」
魁里「 えっ ? 」
燈矢「 まだそんなこと云ってんのか手前は 」
狼架「 此奴等御前が、俺等の下手さに疲れて休んだんじゃねーかって 」
魁里「 は !? 」
兎衣「 そんな繊細じゃないよね君 」
魁里「 っ ... 💢 」
魁里「 そんな訳ないでしょ 」
魁里「 ... 部活は ... 」
魁里「 ... た、楽しい ... し ...( ボソッ 」
「「 ... 」」
「「 ブワッ 」」
狼架&兎衣&燈矢「 ビクッ 」
詩「 七っ ... 」
氷斗「 じゃあなんで皆に本当のこと黙ってるの ? 」
詩「 え ... 」
伊那「 ... ひょーとセンパイ ... 」
風雅「 ! 」
風雅「 な、何、皆どーしたの 」
伊那「 ぶちょー 」
詩「 え、えっと、あの ... ? 」
氷斗「 ごめんね七瀬さん、俺お母さんに七瀬さんのこと色々
聞いちゃったんだ 」
氷斗「 なんで七瀬さんがわざわざ部に入ってるのかなって思ってたけど
それ聞いて納得 」
氷斗「 他にトランペット演奏できる場所がなかったから仕方なく ...
だったんだね 」
氷斗「 夜月くんは、この吹奏楽部のこと大事に思ってるみたいだけど 」
氷斗「 七瀬さんにとっては単なる " 逃げ場 " でしかなかったって訳だ 」
氷斗「 だから 」
氷斗「 誰にも本当のこと云ってねーんだろ ? 」
風雅「 ... 泉 ... 先刻から一寸話が見えないんだけど ... 」
氷斗「 嗚呼ごめんね夜月くん、七瀬さん本当のこと打ち明けにくそうだから
俺が ___ 」
魁里「 センパイ 」
魁里「 自分の事はちゃんと自分で云います 」
氷斗「 ! 」
魁里「 それから本当のこと黙ってたのは、僕がずっと " そのこと " から
目をそむけたかったからです 」
魁里「 でも ... 」
魁里「 ... 」
魁里( 今ならちゃんと )
魁里( 向き合える気がする )
魁里「 ___ 皆には今まで云ってなかったけど 」
「 貴方もうやる気ないんでしょう 」
「 ... だったら何 」
「 ... だったら ___ 」
魁里「 僕 」
魁里「 七瀬家と義絶してるの 」
狼架「 ! 」
風雅「 え ... 」
氷斗( ... あーあ )
氷斗( 引いてる引いてる )
氷斗( そりゃそうだよねぇ、こーんな隠し事されてたんだもん )
氷斗( でもねぇ、人間関係なんて所詮そんなもんなんだよ )
氷斗( 皆結局上辺だけの付き合いで )
氷斗( 信じるとか仲間なんて全部綺麗事 ... )
狼架「 ___ ... 」
狼架「 ギゼツってなんだ ? 」
風雅「 ズベッ 」
詩「 さぁ ... ? 」
兎衣「 そんなんも知らないの ... 」
魁里「 ... 雑に云えば、七瀬家と縁を切られてるってこと 」
狼架「 ! 」
「 御前って親にトランペット習ってんのか 」
「 あんたには関係ないでしょ 」
伊那「 そうだったんだ ... 」
詩「 色々大変だったんだね ... 」
伊那「 もう持ってる飴全部あげる 」
魁里( ... 力抜けるわ ... )
風雅( ... 義絶ってことは ... お母さんとも ... )
風雅「 あ、あの ... 」
魁里「 ブルブル ... 」
風雅「 ! 」
風雅「 ... 七瀬 」
燈矢「 話してくれてありがとう 」
魁里「 ! 」
燈矢「 ! 」
氷斗( ... は ... )
燈矢「 ... つーか 」
燈矢「 手前が昨日休んだりすっから此奴1人で教えんの大変そー
だったでさァ、風邪なんかでぶっ倒れてんじゃねぇ、体力つけろィ 」
風雅「 もう一ノ瀬っ !!! 他に云い方ないのっ !? 」
狼架「 しょーがねーだろ、燈矢あまり言葉知らねーし 」
燈矢「 はっ倒されたいのか 」
魁里「 ... 」
魁里「 ニコッ 」
氷斗「 ... 一寸待ってよ ... なにそれ ... ありがとうって ... 」
氷斗「 御前等莫迦じゃないの ... ? 」
風雅「 泉 ... ? 」
氷斗「 はは ... 信じらんない ... 青春ごっこもここまで来ると笑えてくるわ ... 」
氷斗「 ... よかったねぇ、いい " お仲間 " が居て 」
魁里「 ! 」
氷斗「 ... あほらしっ( バッ 」
風雅「 はぁっ !? ちょっ ... !!! 」
風雅「 泉 !!! 待った !!! ねぇっ !!! 」
風雅「 泉っ ... 」
氷斗「 うっさいな !!! 」
氷斗「 っ ... あーもー計画台無し、部員の関係壊れるどころか余計深まるとか
ちょーうざぁい、最悪の結果 」
風雅「 え ... ? 」
氷斗「 ... 俺がほんとに手前等の演奏に感動して入部したと思った ?
んなわけあるかっつーの 」
氷斗「 御前が演奏前のスピーチで " 大事な仲間と居場所失いたくない " とか
さっむいこと云ってたからからかってやったんだよ 」
氷斗「 ほんとに手前等みたいなの見てると ... ッ 」
氷斗「 虫唾が走るッ !!!! 」
氷斗「 ... ハァッ 」
氷斗「 チラッ 」
風雅「 ... 」
風雅「 云いたいことはそれだけ ? 」
氷斗「 ッ ... 」
風雅「 泉って余っ程暇なんだね 」
風雅「 スッ 」
「 本人が云ってくれたことしか信じねぇから 」
「 話してくれてありがとう 」
バンッッ
風雅「 ぶっ ... 」
風雅「 なっ !?!? 」
氷斗「 ッ ...( ポロッ 」
風雅「 ... え 」
氷斗( むかつく ... )
氷斗( むかつくむかつくッ ... !!! )
・
「 御前周りの友達に散々俺のこと愚痴ってたんだって ? 」
「 そんな俺に文句あんならもう別れよう 」
氷斗「 は ? なにそれ ? 俺愚痴なんか云ってないよ ? 」
__「 氷斗 ! 」
「 聞いたよ、あんた奈美に男取られたくないからって嫌がらせ
したんだって ? 」
「 そんなことする奴だとは思わなかったよ 」
「 なんだそれ最低だな 」
「 男が女子に手出すとかまじありえねぇ 」
それは誰からも批判されることなく
俺から彼氏を取る為のその子嘘だったのに
皆あっけなく信じた
その子は中1の半ばに転校してきた子で
俺の方が友達とも彼氏とも付き合い長かったのに
氷斗「 待ってよ ... 俺そんなこと云ってない !!! 嫌がらせだってしてない !!! 」
氷斗「 ちゃんと話聞いてよ !!! 」
__「 なんか奈美にずっと嫌がらせしてたんだって 」
「 なにそれこわー 」
「 恋愛絡むと豹変する奴って居るよなー 」
氷斗「 ... 」
__氷斗( 信じてもらえないのって俺が悪いの ? )
氷斗( そんな信用なかった訳 ? )
氷斗( ... それとも ... )
氷斗「 ねぇ、一寸い ? 」
「 ? 」
氷斗( 人間関係ってそんなもんなの ? )
それから仲よさげな奴を見かけては
近づいて適当な嘘を吹き込んでやった
そしたら面白くらい、皆簡単に壊れていった
知り合って間もない俺の嘘を
いとも簡単に信じ込んで
・
だから今回もそうだと思った
周りからあんなに莫迦にされてる奴が
不良とかお嬢様とか
不釣り合いなメンツ揃えて " 仲間 " とか云っちゃって
どうせ一寸つついてやればすぐ壊れると思ったのに
「 俺本人の云ったことしか信じないから 」
「 話してくれてありがとう 」
俺は
あんな形であの言葉が聞きたかったんじゃないッ ... !!!
氷斗「 ッ ... 」
氷斗「 最悪 ... 」
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