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♯ 35
けど仮に
このサックスにゴールを作るなら ___
パァンッッッ
魁里「 ... これが 」
魁里「 僕のサックス 」
... シンッ
悠「 なんだ御前等、此奴の演奏聞いてビビったか ? 」
魁里「 ... 」
燈矢「 ... すっ 」
燈矢「 すげぇっ ... 」
悠「 ! 」
燈矢「 なんか上手く云えねぇけど ... 」
燈矢「 サックスってこんな風にも演奏出来んだ ... ははっ 」
燈矢「 鳥肌止まんねぇっ ... 」
詩「 俺も俺もっ !!!! なんかすっごい心臓バクバクしてるっ !!!! 」
詩「 七瀬さん凄いめっちゃかっこいい !!!! 」
伊那「 俺音楽で感動したの初めてだわ ... 」
羅夢「 すげぇ ... 七瀬が楽器全般得意なのは知ってたけど ... 」
兎衣「 トランペットとサックスじゃジャンルも変わるし吹き方も大分
違うのに ... こんなにもカンペキに ... 」
氷斗「 七瀬ちゃん ... 素敵 ...( ギュッ 」
魁里「 え 」
風雅「 ___ ... 」
ドクンッドクンッ
風雅( ___ 違った )
風雅( 全然違った ... ! 神楽と氷斗のサックスとは ... !!! )
風雅( 同じサックスなのに音色も何もかもまるで別物だ ... !!! )
風雅( 1音1音がまるで命を持っているように響いて ... )
「 只楽譜通りに演奏出来たところで、それはまだ曲でもなんでもない 」
「 そこから曲想を練って演奏して、ジブンのものにして 」
風雅「 ドクンッ ... 」
悠「 ... チラッ 」
「 初めて人に響く曲になる 」
悠「 ! 」
風雅( ___ そうか )
風雅( 此れが曲かっ ... !!! )
悠「 ___ ... 」
悠( へぇ ... )
狼架「 ... ザワザワッ ... 」
狼架「 ザワッッ ... 」
狼架「 ドカッ 」
狼架「 どうしたらそんな風に演奏出来るようになるのか ... 教えてくれ !!!! 」
魁里「 ___ 」
魁里「 同じように演奏する必要なんてないよ 」
狼架「 ゴンッ 」
魁里「 え、や そんなショック受けるような話じゃなくて ...(汗)」
魁里「 今のはあくまでも " 僕なりの演奏 " だから 」
魁里「 皆はそれぞれ " ジブンなり " の演奏をしていけるようになれば
いいと思う 」
狼架「 判った ! でそれはどーやって演奏すんだ ? ✨ 」
魁里「 ... 」
魁里( なんて真っ直ぐな目なの ... )
悠「 なあ御前、七瀬っつったっけ ? 」
魁里「 あ、はい 」
悠「 御前がそうやってさらっと云ってることって 」
悠「 此奴等にしちゃすげー高度なことだと思うけど 」
悠「 幾ら実力者な八神と狼架も感覚派だろ ? 狼架もそうだけど多分八神も
8割理解出来てないんじゃないかなぁ 」
羅夢「 ! 」
羅夢( た、確かに8割は理解してねぇけど ... なんで ... )
狼架「 あ" !? うっせぇな、てめぇ勝手に話入ってくんなよ !!!! 」
悠「 あーはいはい 」
悠「 邪魔者はそろそろ退散すっか、いーもん聞けたし 」
悠「 あ、夜月、大会はちゃんと申し込んどいてやっから 」
悠「 頑張れよ 」
バタンッ
風雅( ... イマイチ掴めない人だなほんと ... )
狼架「 おっしゃやるぜ !!!! 」
兎衣「 なんか凄い燃えてきた ... !!! 」
風雅「 ___ ... 」
風雅( ジブンなりの演奏 ... か ... )
・
風雅( 取り敢えず俺が吹いてたトランペット ... あれはまだ曲でもなんでも
なかったな ... )
風雅( 只センパイに教わった通り、楽譜をなぞって吹いてただけだ )
風雅( でもソロ練習にかけられる時間はもうそんなないし ... )
風雅( 短期間でジブンなりの演奏するとかかなり無謀だよな ... )
風雅( " 今の俺達のゴール " は一体何処にすれば ... )
風雅( やっぱ基本を身につける ... ? )
氷斗「 何難しい顔してんの 」
風雅「 ! 泉 」
風雅「 否、一寸演奏のこと考えてて ... 」
氷斗「 うわ、真面目だねぇ ~ 」
風雅「 真面目だよ、悪い ? 」
氷斗「 ... 否、羨ましい 」
氷斗「 何かに本気になったりとか ... そーゆーの ... 俺ねぇもん 」
風雅「 ... 」
風雅「 じゃあ吹奏楽部に本気になれば ? 」
氷斗「 ! 」
氷斗「 チラッ 」
風雅「 ... ニコッ 」
氷斗「 ___ ... 」
風雅「 ていうか全国目指してるなら本気になってもらわないと困るし 」
氷斗「 ... 」
氷斗「 あんた意外とSでしょ、こないだから色々と ... 」
風雅「 え"っ !? な、なんで !? 」
・
« in 屋上 »
詩「 う" ~ ん、やっぱ難しーなー ... 」
詩「 ジブンなりの演奏って ... どうやってやるんだ ? 寧ろ何を持っての
ジブンなりの演奏 ? 」
桃亜「 俺に聞くな俺に 」
伊那「 俺授業中考えてたら寝ちゃった ~ ... 」
燈矢「 俺腹減って早弁しちまったでィ 」
詩「 ろかは ... 」
桃亜「 見てやるな 」
兎衣「 可愛い好き天使愛してる 」
桃亜「 御前に関しては黙っとけ 」
狼架「 ... 彼奴の演奏聞いて、成程こう吹きゃいーのか ! と思ったら同じよーに
演奏する必要ないとかジブンなりとか ... 」
狼架「 判んねぇ ... ほんと判んねぇ ... 」
伊那「 昨日はあんな勢いだったのに ~ ? 」
燈矢「 ほんとでィ 」
詩「 迷い込むの早いなー 」
狼架「 うっせぇ !!! 昨日一晩中サックス吹き続けてたらもう訳判んなく
なったんだよ !!!! 」
詩「 一晩中 ? 」
兎衣「 あそっか、狼架お父さんの作ったサックスあるもんね 」
伊那「 否つーか1日中吹けんの ? 家で ? 」
燈矢「 あ、云われてみれば 」
詩「 てゆーか ... 今狼架って何処住んでんだっけ ? 」
狼架「 ... どこって ... 」
狼架「 姉貴ん家 」
詩「 ... え、え ... !? そーなんだ ... !? 」
桃亜「 あれ御前等知らなかったっけ ? 」
兎衣「 そういや知らんかった気がする 」
燈矢「 知らねーよ !!! てゆーか御前等は知ってたんでィ !?!? 」
桃亜「 まあ ... 」
兎衣「 当然 」
伊那&燈矢&詩「 へーえ ... ? ✨ 」
狼架「 !? 」
詩「 いーなー、サックス持ってるだけでも羨ましいのに家でも吹けんのか、
いーなー 」
伊那「 おまけにドラムにホルン、フルート、トランペットもあるんだってね ?
いーなー 」
燈矢「 俺等も練習してーなァ 」
狼架「 ... 」
狼架「 ... しょーがねぇな ... 」
「「「 やったー !!!! 」」」
兎衣( ... そいや俺今日用事あんだった ... )
兎衣( ... 行けねぇ ... (泣))
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