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♯ 36
詩「 否 ~ 、悪いなー、なんか無理やり押しかけるみたいで ! 」
燈矢「 わーい、狼架の家ー 」
伊那「 おねーさんには迷惑かけないようにするから ~ 」
伊那「 でも一晩中吹けるって防音しっかりしてるんだなぁ、すっごいねぇ 」
燈矢「 姉貴さんも寛大だなァ 」
狼架「 まあ ... 昨日は家俺1人だったし 」
詩「 おねーさん独身なの ? 」
狼架「 まーありゃ結婚出来ないだろ 」
狼架「 スタスタ 」
詩「 え、ちょ、ろか何処行くの ? 」
狼架「 何処って ... 家此処 」
「「「 ... 」」」
タワマン ~ ✨
・
伊那「 ろろろろろろかくん ? お ... おねーさまって一体なんの仕事
してんの ... ? 」
狼架「 知らん 」
燈矢「 俺等場違い感凄くねぇ ... ? 受付居たでィ、受付 ... 」
狼架「 別に( ピッ 」
ガチャッ
バンッッッ
狼架「 ブッッッ 」
「「「 ビクッ 」」」
狼架「 っってぇ ~ !!!!! 那都てめぇ ... っ 💢 」
那都「 ... カフェオレ 」
狼架「 あ" ? 」
那都「 カフェオレ買ってきた ? 」
「「「 !?!?!? 」」」
狼架「 はぁ ? カフェオレ ? 💢 」
那都「 LINEしたでしょ、買ってきてって 」
狼架「 んなもん見てねーよ 💢 」
那都「 ... こんのくそがきゃ ... 💢 」
那都「 居候の分際で買い物も出来ねぇってどーゆーことじゃこ"ら ぁ" !!!!! 」
((( え"え"え" !?!?!? )))
狼架「 カフェオレ1つでキレすぎだろてめぇ !!!!! 」
那都「 てめぇとはなんだてめぇとは !!!! 」
伊那「 ちょっ、おちっ、落ち着いておねーさんっ !!!! 」
那都「 あ" ? 」
「「「 アワアワ 」」」
那都「 ... 何手前等 」
・
那都「 ふーん、狼架の友達なんだ( ドカッ 」
那都「 うちは神楽那都、まーよろしく少年達 」
((( 少年 ... )))
那都「 でもあんた一応古宵ちゃん以外にも友達居たんだねー、
安心したわ 」
狼架「 うっせぇな、つかそこら中に服脱ぎ捨てんなっつってんだろ 」
那都「 うちの家なんだからどうだっていーでしょ 」
狼架「 せめて下着はやめろ下着は !!!! 」
詩「 ブッ 」
伊那「 あー、まだ詩には刺激強かったか 」
燈矢「 てゆーか狼架の部屋は ? 」
狼架「 あー ... 彼処 」
詩「 ... ドアからしてもう桁違いなんですケド ... ? 」
伊那「 楽器は何処あんの ~ ? 」
狼架「 楽器はリビング、其処 」
「「「 ! 」」」
燈矢「 ... サックス ... 2つある ... 」
伊那「 父さんのと後1つは ... 那都さんの ? 」
狼架「 あーいや ... 俺がばーちゃんから借りてきた 」
詩「 え !? なんで !? 」
狼架「 や ... なんつーか 」
狼架「 __ ... 親父のサックス、なんかまだ俺がほんとに吹いていいのか
判んなくて ... 」
「「「 ! 」」」
那都「 ... 」
狼架「 貰った時はすぐに吹こうと思って学校まで持ってったけど 」
狼架「 七瀬にああ云われて 」
「 盗まれたり壊されたりでもしたらどうすんのよ !!!! 」
狼架「 過去2回俺の所為で楽器いっぱい壊されたのに ... まだ成長してねぇ
全然考えたりてねぇと思って 」
___狼架「 ばーちゃん、悪いんだけどこのサックス暫く預かってて
くんねぇ ? 」
狼架「 やっぱ俺まだ吹く資格ねぇ気がする 」
静江「 何云ってんだい、一郎があんたの為に作って 」
静江「 あたしがあんたを認めたから渡したんじゃないか 」
狼架「 ___ ... 」
静江「 ... しょうがないね 」
静江「 だったら家で練習できるよう違うサックスを1つ貸してやる 」
静江「 でも一郎のサックスも持って帰りな 」
静江「 それであんたの中で、ジブンで納得して吹ける時が来たら 」
静江「 ちゃんと音を鳴らしておやり 」
狼架「 ___ ... 」
静江「 但しあんまり待たせるんじゃないよ、一郎のサックスを 」
狼架「 ___ で、まだ吹いていいのかイマイチ判んないままっつーか ... 」
狼架「 情けねーけど ... 」
燈矢「 ____ ... に決まってんだろィ ... 」
燈矢「 吹いていいに決まってんだろィ !!! 」
狼架「 ! 」
燈矢「 駄目な理由なんてねーじゃん、御前楽器のことすげぇ大事に
してんでさァ、親父さんの気持ち大事にしてんでさァ 」
燈矢「 御前がちゃんとまっすぐすぎるぐれーまっすぐサックスと向き合って
来たの 」
燈矢「 ちゃんと見てたでィ 」
燈矢「 俺等はちゃんと見てたでィ !!!! 」
狼架「 っ ... 」
狼架「 ___ ... だ ... からっ ... 」
狼架「 なんでおめーらが泣きそうになってんだよ ...( グシャッ 」
那都「 ごちゃごちゃ云ってねーでさっさと吹きやがれ !!! 俺の作ったサックスを
腐らす気か !!!! 」
狼架「 ! 」
那都「 ... って云うと思うけどね、うち等の父さんなら 」
那都「 てかトランペットとかもあんのに更にサックス2つもあると邪魔だから
ばーさんに借りたサックスさっさと返してきてくんない ? 」
狼架「 ... 」
詩「 ろか ! 父さんのサックスってこっちだよね ? 」
狼架「 嗚呼 」
詩「 はい( スッ 」
狼架「 ... 」
狼架「 スッ 」
・
詩「 一番最初何吹く !? 」
詩「 やっぱ風雪 !? 」
狼架「 否、どうせなら親父に教わった曲吹きてぇんだけど 」
狼架「 あの曲の音判んねぇんだよな ... 」
那都「 どけぃ( ゲシッ 」
狼架「 っなにすんだよっ !!!! 」
那都「 黙れ、親父があんたに教えた曲の楽譜を那都さまが高速で書いて
やってんの( カキカキ 」
狼架「 ! 」
那都「 知ってた ? あの曲親父が作った曲だよ 」
狼架「 え" 」
狼架「 ... 親父が ... ? 」
那都「 ... よし出来た、ほら吹いてみ 」
狼架「 ... 」
「 ほら、マウスピースにはめてみろ 」
狼架「 カチャッ 」
狼架「 ... 」
狼架「 スッ 」
パァンッ ...
「「「 !! 」」」
ザァッッパパァッ バラッパッパッパラ
狼架「 ... 」
「「「 ... 」」」
那都「 ... 」
___一郎「 なあ狼架 」
一郎「 音ってのはな、心を響かせるモンなんだ 」
一郎「 そんで曲ってのは、作った人間の心そのものだ 」
一郎「 心そのものなんだよ 」
狼架( ___ 親父はなんでこの曲作ったんだろうな )
何時、何を想って
どんな気持ちで俺に教えたんだろうな
狼架「 ... フッ 」
___ 嗚呼そっか、曲と向き合うってのは ___
___ パァンッ
「「「 っ ~ !!! 」」」
燈矢「 すげぇ ... いい曲だな ... 」
伊那「 ね、あったかくて一寸切なくて ... なんか心洗われたよ 」
詩「 ろかの父さんのサックス、ほんとに音色綺麗だね ! 」
詩「 音が光ってるみたいだった ! 」
燈矢「 そーそー光ってた、なんだろあれ、すげぇな 」
詩「 1音1音光の粒みたいでさぁ !! 」
伊那「 狼架の父さん凄いな 」
伊那「 凄い楽器作ってたんだねぇ 」
狼架「 ___ 」
狼架「 おう( ニコッ 」
「「「 ! 」」」
「「「 ダバッ 」」」
狼架「 !? 」
狼架「 おめーら先刻から泣きすぎだろっ 」
詩「 うっ、うっ、だっておまっ、笑っ ... 」
燈矢「 グスッ ... 」
那都「 ___ 」
__ 一郎「 なあ那都、頼みがあんだけどよ 」
一郎『 もし俺になんかあったらそん時は ... 狼架のこと面倒見てやって
くれねぇか 』
那都「 はぁ ? 何親父、そんな縁起でもない 」
一郎『 頼む 』
一郎『 ... 彼奴な、最近少し目が優しくなったんだ 』
一郎『 こないだなんか初めて笑顔見せやがった 』
一郎『 もう少しなんだ 』
一郎『 もう少しできっと前を向いて歩き出せる 』
一郎『 でももし此処で俺が死んじまったら、また彼奴の帰る家が
なくなっちまう、それは衣狼もだ 』
一郎『 彼奴等を叱る大人が居なくなっちまう 』
一郎『 無理を云ってるのは判るが ... 頼む 』
一郎『 狼架と衣狼にはずっと ... 』
一郎『 笑っててほしいんだ 』
一郎『 俺が居なくなった後でも ___ 』
・
詩「 次風雪やろーよ ! 」
伊那「 俺等も入るから楽器貸してー 」
燈矢「 俺いつも途中でリズム判んなくなるでさァ 」
詩「 後はさー 」
狼架「 此処こー吹いた方がかっこよくね、ドラムはこー叩いた方がいーと
思う 」
燈矢「 おー、確かにかっけぇ 」
伊那「 確かにこっちで叩いたほうがリズムも乗るしかっこよくなるね ... 」
那都( ___ 大丈夫 )
狼架「 へへっ( ニコッ 」
那都( ちゃんと笑ってるよ )
・
« おまけ »
風雪練習中
「 ただいまー( ガチャッ 」
「「「 え 」」」
「 ... 那都、狼架、此奴等誰 」
那都「 狼架の友達らしいよ 」
「 えぇ !? 狼架の友達 !? 」
狼架「 なんだその地味に失礼な反応は 」
「 ごめんってぇ ~ 」
那都「 あー、また怪我してる 」
那都「 手当すっからこっちこい 」
「 はーい ... 」
詩「 えっと ... 狼架、誰 ... ? 」
狼架「 嗚呼 」
狼架「 俺の弟 」
伊那「 え !? 狼架弟居たの !? 」
狼架「 おう 」
衣狼「 はじめまして ~ 、狼架の弟の神楽衣狼でーす 」
燈矢「 手前等両方不良で名前に狼付くんだなァ 」
衣狼「 っすね、多分親父が入れたんだろうっすけど 」
衣狼「 まあよろしくっす 」
((( ていうか ... )))
狼架「 あっ !? 御前手ェ腫れてんぞ !?!? 」
衣狼「 あー、バットで殴られそうになって自衛したからかも 」
那都「 ったく、そういう時はバッド奪って殴り返すんだよどんくさいな 」
衣狼「 うるせぇ 」
((( ... 神楽姉弟全員美形すぎねぇか ... ? )))
どうやったらこんな美形姉弟が誕生するのかと想った燈矢達であった
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