マイ・パニック・エンディング

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私が自分の素顔を見るとパニックになる様になったのは……今から約3年程前からだ。 あれは丁度、学園もののドラマの撮影の合間。 撮影していた時期は真夏で、しかも屋外の撮影だった為、演者もスタッフもかなり汗だくになってしまっていたのを今でもよく覚えている。 そんな時、汗でかなり崩れてしまったメイクを直す為、一旦楽屋代わりにしていたホテルの部屋へと戻った私。 部屋に着いてすぐ、私は先ずは洗面所に入り、メイクを全て落とした。 そうして、顔を上げた時――私の目に飛び込んできたのは、鏡に映った「見知らぬ女性」の顔だったのだ。 「きゃぁぁ?!」 思わず悲鳴をあげる私。 その声に、沢山のスタッフや警備員が私の部屋へと駆けつける。 「へ、部屋の中に知らない女の人が!」 私は泣きながら、スタッフやホテルのクルーに今見た女性のことを打ち明ける。 そうして、すぐにスタッフやクルーが総出で不審な女性を探してくれたのだが――彼女が発見されることは、ついぞなかった。 だが、それも当然だろう。 私が「見知らぬ女性」と認識した、鏡に映っていたあの顔。 あれは――メイクを落とした私自身の素顔だったのだから。
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