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あの日以降、何故だか「自分の素顔」を「自分自身の顔」だと認識出来ず、パニックに陥ってしまう様になった私。
勿論、秘密裏に様々な医者にかかってみたが――原因は一切不明で全く治療も出来ないままだった。
でも、こんなこと……視聴者や監督、テレビ局のスタッフやファン達には絶対に知られる訳にはいかない。
(私が自分の顔を見る度パニックになるなんて知られたら、きっと失望される。今まで築き上げたキャリアも未来も……全てを失ってしまうに違いないわ)
そう考えた私は、やがて楽屋はおろか控え室ですら――自宅で一人きりの時以外は、絶対にメイクを落とさない様になったのだ。
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