2人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
試験まで1週間を切ると、長岡くんは昼休みも勉強にあてるようになった。
そんな彼を同級生たちは冷やかして、そのたびに注意したい気持ちになるものの、行動に移せない自分がもどかしかった。私が本当にガキ大将だったら、心の友を馬鹿にする奴は許しておかないのに。
ため息をついてしまう私を心配してか、ルミが話しかけに来てくれた。
「これあげる。駅前に新しくできたカフェのクーポン券。2人分使えるみたいだから」
「え? 2人で使えるなら、一緒に行こうよ」
「私はその……駄目なの、ダイエット中で! だから、他の人と楽しんできて」
頑張ってね、ルミはそんなことを言い残して自分の席へ戻っていった。
仕方ない、先日の詫びに姉でも誘ってみるか。
最初のコメントを投稿しよう!