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「キフカ会の当時の知名度もあって、この事件は全国的に大ニュースになったらしいよ」
頷いたり顔を歪ませたりしながらも、僕の話を静かに聞いていた楓歌がようやく口を開いた。「そんなことがあったんだね……この穏やかな島に」
楓歌は石碑に向かい、物憂げな表情を浮かべる。
「そうだね、今の姿からは想像もできないよね」
「でも、歌に罪はないよ」
僕もそう思うよ、と頷き、一呼吸空けて言った。「ただ、当時を知る人からすると、そういう訳にもいかないみたいなんだ」
楓歌は怪訝な顔を覗かせた。
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