この海に破戒の歌声を

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 夏休み前最後の登校日、アブラゼミが一斉に鳴き始めた。それと同時に、樫美島の地域では梅雨明けが発表された。  僕らは学校終わり、いつもの小屋にいた。小屋の中は蒸し暑かったが、二人でいると何処よりも心地よくなる。 「今日、ボイスレコーダー持ってきたんだ」そう言って、僕は制服のズボンのポケットから小型の長細いレコーダーを出した。
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