俺様執着男が忠犬になれと命じてくるがアンタに飼われる気などない

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 腹ん中を陵辱(りょうじょく)されんのは、男としての尊厳を手放しているのかもしれねぇが、頭おかしくなるくれぇ気持ちいいんだから男も女もない。  そしてコイツの言うとおり、盛りのついた犬みてぇに本能に忠実に、欲望に正直に腰振って男を求める様は恐ろしく滑稽だろう。  腹ん中の男が痙攣するから、搾り取ってやろうと腹筋に力を込めたら、男が更に膨張するから「デカくしてんじゃねぇよ」と吐息交じりに野次るけれど。  マジどこまで挿入(はい)ってくんだよってくらい奥を突き刺されるから、それだけで俺は二度目の愉悦を飛ばした。 「飲む準備いいか?」  男も頂点を刻むんだろう、腰を大きく打ち付けてくるから、静かなバックヤード内に肌がぶつかり合う乾いた音が反響する。  俺の目ん玉を覗き込んでくる男の獲物を捕らえた視線に追い詰められて、ぞくぞくした。  刹那、内臓に男が断続的に熱いくらいの激情を飛ばしてくるから、その衝撃で俺はまた(ほとばし)りを伴わない軽い絶頂に見舞われて、身体ががくがく痙攣する。  まるで立ちションした後に腰を振るように一滴も残さねぇとばかりに注がれる仕草にさえ、よくわからねぇ雄の色気を感じた。 (なんだろ……こいつのフェロモン的なものは。惑わされるな、俺)
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