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それは聞く者の胸を締め付けるものでした。子供たちは泣いて家に帰りました。老人は数珠をもって祈り、働き盛りの者たちも仕事の手を止めて、風がやむのをじっと待つようになりました。
いったい何の声なんだ。泣いているのか、歌っているのか。こんな歌がしょっちゅう聞こえてくるようでは安心して眠れない。町の人々は口々に訴えました。
町を離れる人も出始めました。
誰かがあそこに行って確かめなければならない。でも誰が?
そんな時、旅の行者様が町を訪れました。諸国をめぐって修行をされている、徳の高いお坊様でした。人々の苦しむ姿を見て、行者様はおっしゃいました。
『私でよければ供養に行きましょうか』
願ってもない申し出でした。行者様の身の回りの世話などをするために、村の出身者である私が付き添うことになりました。私も恐ろしくはありましたが、村がどうなっているかは知りとうございました。
行者様と二人で山を登りました。村があった場所に着いて、私は息をのみました。土砂の上が一面の花畑になっていたのでした。
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