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捕食者(フォーク)の発作が出ると、自分を制御できなくなる。 目の前では、確かにこの手が史呉を襲っているのに、それを制止する気持ちは微塵も湧かなかった。危険なことをしていると言う認識もできない。まるで、現れたもう一つの人格に自分の身も心も操られたような感覚。 捕食衝動を発症し、薬液を飲まされ気を失う直前に聞こえた謝罪の言葉と、苦しげな史呉の表情が脳裏に焼きついて離れない。 何で謝ったのだろう。 史呉は襲われた側で、被害者なのに。 ♢ 最近は、薬のおかげで前のように体調が悪くなることはなく、普通の生活ができている。 史呉とも普通に接することができているし、匂いもしない。 麻呀は薬の偉大さに感心すると同時に、無症状で生活していることに慣れ始めていた。 まるで、周りにいるごく普通の人間と同じなのだと、戻れたのだと錯覚していた。
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