0人が本棚に入れています
本棚に追加
〜エピローグ〜
熱い夜を過ごした朝、秀斗の腕にはカリストの横顔があった。
「おはよう。」
初々しいカリストの横顔が秀斗にとっては眩しかった。そしてその瞬間。
(俺・・・いや・・・私は・・・)
切なく悲しい声でカリストはつぶやいた。
「ようやく思い出したようね。ゼウス。」
秀斗・・・大神ゼウスは神としてけして犯してはいけない、カリストとの恋に苦しんでいた。そして出した答えは、カリストへの愛情だけを持った自分の化身としてラファエルに乗り移りカリストと一緒に全てを捨てて暮らそうとしてたのだ。だからこそ大神ゼウスの記憶を封じたのだ。
「カリスト。結局、私は神である事を思い出してしまった。思い出した以上、天空界で生きなければならない。」
「ゼウス。貴方はまだ肝心な事を忘れてるわ・・・。」
そう涙を浮かべカリストが答えると、カリストの姿が消え始めた。
「全て思い出したさ。愛しさのあまりカリスト、君をを束縛して・・・君は命を断ってしまった。」
独り残された部屋にはカリストが身に付けていたピンクのワンピースが残っていた。
最初のコメントを投稿しよう!