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プロローグ
「ごめんね~!!」
また何回目かの告白が笑い話かのように微塵にも砕け散った。
ラファエルはまだ幼い連れ子の為に実の母親を探していた。
この日もマッチングアプリを使い、気に入った女性?とようやく会う事になったのだが・・・
ラファエルは名前の通り大天使ラファエルだ。そして又、子持ちのシングルファザーでもある。
「尚弥。今日も駄目だったよ。まぁ〜ドンマイドンマイだな!!」
「父さん。いつ母さんが欲しいって言った?そんな暇あったら早くこの世界から抜け出す方法でも見つけてよ。」
尚弥は下界であるこの世界に嫌気が刺していた。それもそのはず、尚弥は実の父である大天使ラファエルと人間との禁断の恋の証であった。
下界には無縁な尚弥は慣れ親しんだ天空界へ早く戻りたかった。
しかし禁断の恋をしたラファエルは大神ゼウスから怒りを買い人間の姿に代えられて尚弥と共に下界で暮らしているのだ。
「父さん。父さんの女好きはもういいから、本題の母さんを探してくれよ。大神ゼウスから、母さんを見つけたら連れて戻っていいって言われてるだろ!?」
「だからマッチングアプリで探しているんじゃないか?マッチングアプリならよりどりみどりだ。これだけ女性がいればそのうち見つかるさ!!」
実はラファエルは尚弥の母親の顔も名前も大神ゼウスに記憶を消されて思い出せないのだ。その中で母親を探さなくてはならない。
それが大神ゼウスの罰則であった。
(・・・仕方ない。)
ラファエルはポケット中からタロットカードを出して、
「こんなこども騙しでもこの世界では、使えるからなっ!!」
そうつぶやきながら尚弥の母親の居場所を占い始めた。
大天使ラファエルとその子である尚弥の母親探しの旅路はどうなるか・・・タロットカードが物語る。
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