復活の朝

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復活の朝

 コンクリートジャングルは本物のジャングルに変わる。ビルや橋は植物に覆われ、数百年のうちに灰色の都会は緑で埋まる。  その中で、河川による浸食や落雷、山火事による火災で、人が建てた建造物も崩壊していくだろう。  そして緑が増えれば、当然ながら昆虫が急速に増加する。人類の消失とともに農薬や化学物質の散布もなくなるので、その増加スピードは爆発的なものになる。  この昆虫の増殖から、それをエサにする鳥類や哺乳類も一挙に繁栄していくだろう。特に専門家が予測するのは、「大型生物の復活」だ。  かつて恐竜以後の地球を支配したマンモスや大型のライオン、トラ、サイは、人類の繁栄とともに姿を消していった。しかし、人がいなくなれば、大型生物が再び地球規模で復活し始める。  専門家によると、「もし人類が世界中に拡散していなければ、今日のアメリカ中南部はライオンやトラが、地中海地域はゾウが、北欧はサイが覇権を握っていただろう」と指摘する。  ただし、大型生物が生態系の覇者に返り咲くには、300万〜700万年はかかるそうだ。  また、一度絶滅したマンモスの復活などは見込めないが、それとは別に恐竜を凌ぐ新種の巨大生物が誕生するかもしれない。  それでも、人類が残す遺産の中で最も大きな「地球温暖化」の影響は根強いという。  人類亡き後の気候変動については予測が困難だが、もし工業プラントの爆発や放射能の拡散、製油所の火災などが頻繁に起こるなら、熱を持った莫大な量の二酸化炭素が大気中に放出される、と予測される。  大気中の二酸化炭素は海が吸収してくれるが、それにより多くの海洋生物が犠牲になるだろう。また、海の吸収量にも限度がある。  もし海が限界に達し、大量の二酸化炭素が大気中に放置されるなら、温暖化は続き極地の氷冠をさらに融解させ、永久凍土を軟化させることで、さらに多くの二酸化炭素が放たれることになる。  この悪循環が、人類がいなくても長きにわたって続く……  しかし、温暖化の悪循環も永遠には続かない。  例えば、約2億年前のジュラ紀には、大気中の二酸化炭素量が現在の5倍以上に達し、海洋の酸性度が跳ね上がって、自然は厳しい環境下に置かれた。  ところが、その極限状態に適応し進化を遂げた動植物がたくさん現れたのだ。  つまり、地球の極端な環境変化にかかわらず、自然には常に生存の道を見つける力がある。  結局、人類がいなくなっても、地球が負った深い傷は長期にわたって消えない。  しかし最後には、豊かな自然とともに息を吹き返し、母なる大地のもとへと帰っていくのだ…… (Yahoo知恵袋から)  どのタイミングで、氷期が始まる?            (了)
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