熱塩循環(おもに中深層、数百メートル以深で起こる地球規模の海洋循環)

1/4

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ

熱塩循環(おもに中深層、数百メートル以深で起こる地球規模の海洋循環)

 氷が解ける。解ける。 (氷は溶けるとは書かない)  氷床融解や、気温の上昇に伴う海水の膨張により、この100年の間に海面が19センチ上昇した。 (海が温暖化によって暖められることで体積が膨れ上がる。水は熱せられると膨らむ特性があり、海水温が上がることで、海洋内部が膨らんで水位が上がり、海面上昇につながる。 例えば水深500mで2°C上がると水位が25cm上昇する)  さらに、現在は、1990年代のころと比較して6倍のスピードで、氷床の融解が進んでいるという。  このペースで氷が解け続ければ、海水面は劇的に上昇し、今世紀末までに1メートル程度上がるのではないか、と推測されている。  ちなみに、海水準が1メートル上がると、東京では江東区、墨田区、江戸川区、葛飾区のほぼ全域で、海水の侵入などの影響が起こる。  また、大阪でも、北西部から堺市までの海岸線のほぼ全域が水没するということで、私たちの生活にも大きな変化がもたらされると考えられる。  氷山が解ける映像を観ると、氷河期が来る! と思ってしまう。  2004年公開の映画『デイ・アフター・トゥモロー』では、熱塩循環がほぼ一晩で止まり、ヨーロッパと北米が氷河期と化した。  人々は街中で凍え死に、ヘリコプターは墜落、巨大な津波がニューヨークを飲み込んだ。  もちろん、映画の中で起こった現象は科学的に正確ではなく、大げさに描かれているが、大西洋の循環が止まるという考えは、まったくありえないわけでもない。  だが当分の間は、まず起こらないだろう。  が、氷床が解けて大量の真水が海水に混ざると……  熱塩循環が弱まり、北半球ではより極端な気候となる可能性がある。  ︎氷山は海水が凍っていると思っていたけど、真水なのですね。元々は雪が圧縮されたもの。  流氷は海面が凍ったもの。凍ったり解けたりを繰り返し、徐々に凍るため、氷の内部は純度の高い水となっています。  だからウィスキーの中に入れることができるのです。  (氷山、氷河、流氷、ややこしい)
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加