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1.※男モブレ 3P
カーテンで光が遮られた薄暗い部屋。
その部屋の真ん中のほぼ中央に置かれた豪奢なベッドには、屈強そうな裸体の男が二人、華奢な女の子を挟むような形で組み敷いていた。
前と後ろを容赦なく突かれる度に啼く声は気持ちいいからではなく、激しい嫌悪感からの泣き叫ぶ声に近かった。
それもそのはず。その女の子──百寧は、男という"この世で最も反吐が出るほど"嫌いであるからだ。
こんなことをされてしまうなら死んでしまいたい。
スプリングの軋む音に出したくもない嬌声を上げ、涙を溢しながら強く思った。
嫌悪感が次第に胃の中のものが逆流する形へと変わっていった。
吐いてしまいたいという思考になっていたが、吐いてもいいとは言われてない。
気持ち悪い。気持ち悪い。気持ち悪い。
ぐっと喉を動かし、無理やり胃の方へと戻した百寧は、男達の相手をするように命令をした人へ顔を向ける。
百寧と同年代である彼女は、ベッド全体が見渡せるような位置に椅子を置いて静観していた。
芸術鑑賞でもするように、眉一つも動かさずにただ見ていた。
「ね、ね⋯⋯ぇ⋯⋯っ、もね、のこと、すき⋯⋯ぃ?」
息が切れたようにやっとの思いで訊ねる。
すると、生まれて初めて感情を持ったようにふっと口元が緩んだ。
「好きに決まってる。だから、私の目が届かないとこでどこの誰かも知らない子と身体を求めている子にお仕置きをしているのでしょう」
「おっ、し⋯⋯っ、き⋯⋯」
彼女以外の人間とこうして性行為をしたのは今日が初めてではない。
けれど、慣れるはずがなく、今もむさ苦しい男達の汗と吐く息にまみれる自分の姿に吐き気を覚えながらも必死に堪え、彼女の気が済むまで情事は続く。
ところが、そんなことを思っているはずなのに裏腹に身体が熱くなってくる。
同時に激しい嫌悪感から段々と快感が生まれてくる。
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