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2ー6 告白
「ところで、レリアス君って俺より年上だったんだ?」
不意に言われて僕は、びくんと体を強ばらせた。
「そ、そういえば、テシガアラは、もう21だったんだ。てっきり僕は、まだ15、6才かと思っていたよ」
僕がテシガアラに言うとテシガアラが少し難しい顔をするのがわかった。
そういえばさっきも僕が幼く見えるといったら不機嫌になってたし。
もしかしたら若く見えること、気にしてるのかも。
「ちょ、ちょっとぐらい若く見えてももっと年をとればきっと」
「レリアス君が俺を頼りにしてくれないのって俺が若く見えるから?」
テシガアラがうつむいたまま問いかけてきた。
「もし、俺がもっと、大人っぽければレリアス君、俺のこと、頼ってくれたのかな?」
はい?
僕は、うつむいているテシガアラの横顔をまじまじと見つめていた。
「テシガアラは、僕に頼られたかったの?」
「当たり前だろ!」
テシガアラが僕の方を見た。
「君は・・その、なんというか、守ってあげたくなるっていうか・・つまり」
テシガアラが僕と向かい合い、僕の目を見つめた。
「俺、君のことを守りたいんだ!」
「テシガアラ・・」
僕は、胸がどきどきするのを感じていた。
なんで?
いくら魔王でも、テシガアラは、僕にとって世話を見なくてはいけない存在の筈なのに。
テシガアラが僕の両肩に手を置く。
「俺、君を救うって言ったのに、君に、あんなこと、させてしまって」
テシガアラは、僕に頭を下げた。
「ほんとにすまない!」
「あ、謝らないで、テシガアラ」
僕は、動揺していた。
彼を口でいかせたこと、テシガアラは、てっきり僕を恨んでいると思っていた。
「僕、あのせいで君に嫌われたと思ってたんだ」
「なんで?」
テシガアラが顔をあげて僕を見た。
「レリアス君は、というか、レリアス、さんは、悪くないじゃないか!悪いのは、君の兄さんだろう?」
「それは・・」
僕は、テシガアラから視線を反らした。
確かに一番悪いのは、ラクウェル兄かもしれないけど。
テシガアラが僕の肩を掴んで僕を揺すぶった。
「大丈夫、だよ?俺は、レリアス、さん、のこと嫌いじゃないし。というかどちらかというと、その、」
テシガアラが頬を少し赤らめている?
「好き、かもしれない」
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