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2ー11 同衾
僕は、その日、寮の空き部屋に泊めてもらうことになっていた。
だけど、テシガアラとリリアンの反対にあい急遽、テシガアラの部屋に泊めてもらうことになった。
なんでも、一人で過ごすのはいくら安全な魔法学園内であっても危険があるかもしれないとのことだった。
少し考えすぎのような気もしたんだが、二人に強くすすめられて断ることもできずに僕は、テシガアラの部屋に泊めてもらうことにした。
リリアンは、自分もテシガアラの部屋に泊まり込むつもりだったようだが、それは、僕が却下した。
だって、リリアンは、貴族の、しかも王族の令嬢、つまり王女だ。
いくら相手がテシガアラであってもスキャンダルになるに違いない。
僕がそう言うとリリアンは、なぜか、すごい鼻息を荒くして僕の手を握った。
「何かされそうになったら、大きな声で助けを呼んでくださいませ!すぐに私が助けにまいりますから!」
「あ、ありがとう、リリアン」
僕は、リリアンににこやかに応じた。
けど。
リリアンが部屋から出ていってすぐに僕は、後悔していた。
なぜか、胸の高鳴りが止まらない。
僕は、上に着ていたローブとズボンを脱いで白いシャツ一枚になって床の上にしいた毛布で休もうとしていた。
「レリアス」
テシガアラが僕に声をかけた。
自分も楽な格好になりベッドに横になったテシガアラは、掛け布団をめくってポンポンと叩いた。
「こっちで休めよ」
「えっ、でも」
僕は、顔に熱が集まるのを感じていた。
いくら友だちだからっていってもそれは、ダメだ。
僕は、けっこう有名な男娼で。
テシガアラは、将来のある若者だ。
こんな僕と一緒のベッドで休んだとなればテシガアラがなんと言われるか。
「ダメ、だよ。僕なんかと一緒に寝たりしたら君の立場が悪くなる」
「なんで?」
テシガアラがキョトンとしている。
「今さら俺たちが一緒のベッドで寝たからってとやかくいわれることなんてないでしょ?」
テシガアラは、さらりと言い放った。
「それに、俺たち、もう、友だち以上の関係だし」
「えっ?」
僕が聞き返すと、テシガアラは、ため息をついた。
「冗談だ。とにかく俺の安眠のためにこっちで寝てくれ。床で君を寝かせたりしたら俺が眠れなくなりそうだ」
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