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1ー5 失敗
「あ、あぁっ!」
僕は、その場に倒れ込むと快感の余韻に体を痙攣させていた。
だけど、もう、止まらない。
僕は、何度も何度も下履きの中に精を吐きそこを押さえたまま地面に突っ伏した。
「は、ぁっん・・」
口からは、唾液が糸をひき顔は、涙と鼻水でぐちゃぐちゃになって。
それでも僕は、快楽を止められなかった。
「こ、んなの・・」
僕は、体が静まるのを待っていたが、いっこうに快楽の波は収まりそうにない。
もう、聖女どころではない。
頭の中は、ぐちゅぐちゅに蕩けて。
僕は、苦しい息の中、魔方陣の方を見た。
白い光が消えていき、中から黒い人影が現れた。
それは。
見たこともないぐらい美しい人だった。
黒髪、黒い瞳。
クリーム色の滑らかな肌。
見慣れぬ衣装を身につけたその者は、戸惑いを隠せない様子で僕を見下ろしていた。
「あ、あ・・」
僕は、泣いていた。
失敗、だ。
召喚は、失敗した。
身も世もなく嗚咽している僕をその男は、困ったように見ていた。
こんな。
僕は、涙を止められなかった。
僕は。
ラクウェル兄の非道にも堪え、ただ、リリアンを守るためだけに生きてきた。
初めてラクウェル兄に体を暴かれて無情にもすべてを奪われても、僕が生きてこられたのは、この聖女召喚のためだった。
それが。
僕は、聖女召喚に失敗した。
もう。
すべてが終わった。
「・・っん・・リリアン、ごめん・・」
泣いている僕のそばに誰かが近づいてくるのがわかった。
僕が顔をあげると、その美しい男が僕を見つめていた。
「大丈夫、か?」
「あっ・・」
男の手が僕の体に触れたとき、僕の理性が弾け飛んだ。
「ひぁっ!」
僕は、体をのけぞらした。
触れられただけで、いってしまうなんて!
男は、下履きだけしか身に付けてない僕を見下ろしていたが、やがて、手を伸ばして僕の下履きをとった。
突然、外気に触れて僕のそこは、びくん、と屹立した。
とろとろと愛液を漏らしているそこを見てその男は、目を丸くしていたが、やがて、僕に訊ねた。
「苦しいのか?」
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