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押されている。次から次へと自分の意志に関係なく押されて進むのだ。その先はアイドルグループのオブジェがある。
このまま行くとオブジェとの間に押しつぶされる。
「何故、どんどん人は押してくるのだ」
まずい転びそうになるこれではドミノ倒しになる。
「押さないで」大声で叫んだ。
「私、押してません」
返事が返ってきた。
「私も押されてるんです」
その声が届いたのか一時動きが止まったかのように見えた。
生垣とオブジェの間に人が通れる隙間が見えた。
あの隙間を通り抜けよう。そう思うが早いかすぐに動いて群衆から逃れることができた。振り返ると後に続いて人が走ってきていた。
安心して帰ろうとしたらものすごい音が聞こえた。
振り向くとオブジェが崩れ落ちていて、その下や上に人が折り重なっていて悲鳴を上げていた。
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