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白いデスクの上にシャープペンを置いて、大きい窓の外に目をやる。
気がつけば空はオレンジ色になっていた。
壁掛け時計は午後4:00を知らせ、近くの中学校からは聞き慣れたチャイムの音がする。
……そろそろあいつの部屋に行く時間だ。
シャープペンを筆箱にしまい、さっきまで読んでいた本を閉じる。
『主人と手駒の関係』と表紙に印刷されたその本は、とっくに付箋や蛍光ペンで埋め尽くされている。
「……新しい本、買わないとかな。」
そう呟いてから部屋をあとにする。
長く白い廊下に足音が響き、いくつもある病室の中から色んな動物の鳴き声が聞こえてくる。
端の病室に着き、ノックをしてから中にいる動物に声をかける。
「……入るぞ。」
部屋に入って最初に目についたのは、俺から目を離さずに震える狼だった。
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