第八話

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この日は朝から少し暖かく、途中立ち寄った職員室でも、皆白衣を脱ぎ事務作業や休憩をしていた。 数人の職員と挨拶と雑談をしてから、自分のデスクの引き出しから、全部屋共通の鍵を持ち出し、職員室の扉を閉めた時だった。 後ろから嫌なくらい聞き慣れた声がして振り向く。そこには、ロウやその周辺の部屋の掃除と体調チェックを担当している森がいた。 森「おはよぉございまぁす…もしかしてなんですけど、今からロウくんの部屋って行ったりしますか?」 「あぁ。行くが、それがどうかしたのか?」 森「いやぁ…その?…ちょっとね?」 森はよく無断で仕事を抜けたり休んだりする。俺がやめるように言ったが、サボり魔だなんて呼ばれてたこともあるみたいだ。 森「鈴木さん!まだ完治してないんですから、部屋で安静にしていてください!」 事実を全て知っているからこそ、さらに怒りが増すばかりだが、しつこく止める森を睨みながら、言葉では冷静に返す。 鈴木「関係ない。お前らは主人の怪我を目の前で見た手駒を放置したんだ。ここで働く権利さえ無くしてもいいほどのことだ。話しかけるな。」 他の者から聞いた話では、パニック状態のロウを放置した上、翌朝までが期限の仕事を放ったらかして彼女とデートに行っていたようだ。パニック状態の手駒は最悪死ぬというのに放置するのは病院の者としてありえない。
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