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第二話
「はぁ……」
なんとか診察を終えて、あいつの病室を出る。
確か、最終的にあいつが倒れるように眠って、その間に診察を終わらせたはずだ。
まだ少しぼーっとするし頭が痛いけれど、職員専用の部屋に薬があったはずだから、せめてそこまでは我慢しないと―――
?「朝陽?……っ!朝陽!」
気がついたときには世界が横向きで、倒れたんだなってわかった。
誰かが助けてくれたのだろうが、顔も声も、見えないし聞こえない。
どうしても耐えきれなくなって、重い瞼を閉じた。
?「……朝陽、起きて。」
聞き慣れた声がして、ずいぶんと軽くなった身体を起こす。頭痛はなくなり、視界のもやもなくなっていた。
?「おはよう。急に倒れるとか心臓に悪すぎ。あと薬くらい飲んどけ。」
「……陸か?」
大江 陸「あぁ。ついに俺かどうかの区別もつかなくなったのか?」
「うるせぇ。まぁでも……ありがとな。今回は死にかけた。」
大江「次はないようにな。これ以上はごめんだ。……今日はそこで寝ろ。部屋からは出るなよ。死なねーようにな。おやすみ。」
「……おやすみ。ありがとな。」
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