第二話

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扉が閉まり、部屋は俺1人だけになった。 机の上には、陸が持ってきてくれたであろうペットボトルに入った水と、その横に俺がよく飲んでいる薬が置いてあった。 "主人用の薬"。主人の手駒に対する独占欲を無理やり抑えるための薬で、心身ともに負荷がかかる。 空腹のときは飲めないため、何かを食べなくてはいけないのだが、運悪くこの部屋には何もない。 まだ脚はふらつくものの、病院内の売店までなら歩けそうだった。 わざわざ陸が脱がしてくれていた白衣を着なおし、 廊下に出る。 人はもちろん、動物の姿のヒトもいない。 暗くて静かな廊下は、いつ、何回見ても慣れなくて怖い。 ……そう思ってるうちに売店に着いていて、眠そうな顔をした店主と目が合う。 「店主、なんか腹満たされるものある?」 店主「んぁ……?あぁ、にぎり飯とかサンドイッチとかかぁ?」 「んー。おにぎりでいいや。何円?」 店主「200円だよ。兄ちゃん疲れてるみたいだし安く買い。まだ24だろ?無理すんじゃねぇって。」 「もう24なの。まぁ、お言葉に甘えることにするよ。ありがとね、店主。」 店主「……あぁ、そうだ。兄ちゃん、名前なんだっけか。」 「鈴木朝陽だけど?どうかしたのか?」 店主「そうか。いや……少しだけ頼み事がな。」
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