奇妙な再会

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奇妙な再会

 著者 大下  日向は浮羽にやって来たフィアンセ、沙織に「循環器ってどんなところ?」と尋ねられたので、「虚血性心疾患、狭心症、心筋梗塞、心臓弁膜症、心筋症、不整脈、高血圧症、動脈硬化、動脈瘤等の心臓および血管に関係する疾患が対象です」と答えた。  沙織は牛丼屋で豚丼を食べながら「また、敬語。つきあって長いんだから敬語やめてよ」と睨んできた。  『大下&龍造寺の事件簿』  久しぶりに大下は筆を執った。大下が記者、龍造寺がライターという役割だったが、龍造寺がたまに旅に出たいって理由だ。大下は虫垂炎と腱鞘炎のダブルパンチであまり筆が進まない。執筆活動だけでは売り上げが伸びなかった。  数カ月後、出版社の小さな書庫で、古びた枕草子が埃を被っていた。その書庫の片隅には、幾重にも積まれた本の中から、ひとつの写真が見え隠れしていた。写真屋が撮影したものと思われるその写真には、かつての事件の証拠が刻まれていた。  事件の舞台は都会の喧騒から遠く離れた小さな町。大下は孤高なる探偵として、その町で暮らしていた。ある日、彼の元に出版社の社長から依頼が舞い込んだ。書庫から盗まれた枕草子の解読が求められていたのだ。  大下は枕草子の謎を解くため、かつての相棒である龍造寺と再会することになった。しかし、彼らを待ち受けていたのは意外な裏切りの影だった。出版社の裏側に隠された陰謀とは一体何か?  事件の真相が明らかに近づく中、大下と龍造寺はさらなる危機に直面する。彼らは出版社の闇に挑み、槍玉に挙げられながらも真実を追求する決意を固める。  書庫の奥に隠された謎が解け、事件は終幕を迎えた。大下と龍造寺の絆はさらに深まり、新たな事件に向けての冒険が始まるのだった。  著者 龍造寺  店内は賑やかで、照明が柔らかく明るい雰囲気が漂っている。二人は古い友人同士のように、笑顔で対面しました。 「それにしても沙織さん、久しぶりだな。元気そうで何よりだ」と、日向が笑顔で挨拶しました。  沙織も微笑みながら、「はい、おかげさまで元気です。あなたも医者として頑張っていると聞きましたよ。素晴らしいわ」と返答しました。  日向は何故、敬語なのか不審に思った。そういやネットで知ったのだが、話し方を自由自在に変える怪物がいるらしい。  二人はメニューを眺めながら、昔話や近況を語り合います。沙織は、日向に最近の出来事や自身の仕事について話し、彼女の活躍ぶりに日向も感心しています。 「日向さんも忙しいでしょう? 私、時々町で仕事を手伝ってるんですが、たまに立ち寄って牛丼を食べるのが楽しみなんです」と、沙織が笑顔で話します。  日向も笑みを浮かべながら、「そうですね、仕事も大変ですが、町の人々と触れ合うことができるのはやはり良いですね。こうして久しぶりに会えるのも嬉しいです」と答えます。  二人は牛丼を楽しみながら、再会の喜びと友情を共有しました。牛丼屋の温かい雰囲気の中で、彼らの絆はさらに深まりました。
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