月桂樹

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月桂樹

 🚓  私は警視庁捜査一課に所属している。警視庁は第一から第十方面まで、計10の方面本部が置かれており、霞が関の本部(警視庁本部庁舎)と所轄署の中間的立場として、各所轄の連携と広域対応及び所轄警察署への監察業務を行っている。旧来は第九方面までの計9方面本部体制であったが、2002年に北区・板橋区・練馬区の各区域を分離独立した第十方面が新設され、現行の計10方面本部体制となった。各方面本部長の階級は、第一・四・八の各方面が警視長、それら以外は警視正。  私がいるのは第一方面本部 - 千代田区霞が関二丁目1番1号(警視庁本部庁舎)だ。担当区:千代田区・中央区・港区・島嶼部及び品川区・大田区・江東区の東京湾岸署管轄区域。識別章所属表示はLA    事件は2011年5月4日に起きた。現場は神津島だ。  神津島村の中心的な島である。伊豆諸島の有人島としては最も西にあり、本島と最も近い有人島は東北東へ10kmほどにある式根島である。  活火山を有する火山島であり、周辺の島も含め数十個の流紋岩質単成火山が存在し、「神津島火山群」を成している。島の形はひょうたん型をしており、天上山を中心とした北部と、秩父山のある南部とに大きく分けられる。  本島のシンボル的存在である天上山(標高572メートル)は、9世紀の噴火で形成された溶岩ドームである。『続日本後紀』では、838年(承和5年)に大規模な噴火をしたことが記録されている。山頂部は比較的に平坦で、ここに「表砂漠」「裏砂漠」と呼ばれる砂地がある。  南部と北部の間の西側の前浜沿いに主な集落が存在する。なお、島の他の地域には字滝川や字高処山の様に「字」の文字を有するの地名が存在するが、この地域には「字」も町名も指定されていない。    被害者は最上茂吉(もがみもきち)って代議士。彼は最上邸の寝室で死んでいた。司法解剖の結果、毒殺であることが明らかになる。遺体のそばには月桂樹が落ちていた。  助手の藤堂康夫(とうどうやすお)は「名前に月とか桂がつく人間じゃないですか?」と言っていた。彼はどことなく俳優の濱田岳に似ている。ことごとく推理を外す。どことなくヒラメに似てるのと、ヒラなのでヒラメと呼ばれていた。 「主任、トイレ行っていいですか?」 「いや、今忙しいんだから我慢しろ!」と私は厳しく藤堂を叱りつけた。彼の要求は状況に不適切であり、仕事の妨げになる可能性があったからだ。  最上の屋敷には書斎があり、数多くのミステリー小説が本棚に置かれてあった。もしかしたら、犯人はこの中のどれかを参考にしたかも知れない。  私は一番左にあった本を手に取った。   『塩の秘密』著者 大下義隆  新宿の喧騒から離れた山間の洞窟で、釣り師の理恵が発見された。彼女の手には、塩分濃度計が握られており、その数値は異常に高かった。苦労して洞窟に入り、塩分濃度を測る理由は明らかではなかった。  捜査が進む中、理恵の過去に裏切りがあったことが判明する。彼女が友人や仲間を裏切った理由とは?そして、なぜ洞窟の中で彼女の体には高濃度の塩分が検出されたのか?  28歳になったばかりの主任刑事、日向隼人は、洞窟に隠された秘密を解き明かすため、新宿の喧騒から洞窟の静寂へと足を運ぶ。果たして、その秘密は何か?そして、理恵の死の謎は解けるのか?  隼人は、洞窟内での捜査を進める中で、理恵が塩分濃度計を持ち込んだ目的を突き止める。彼女はかつて、洞窟内にある地下の塩湖での釣りを楽しんでいたことが判明する。しかし、その塩湖には危険が潜んでいた。  鑑識課は洞窟内での理恵の死の謎を解明するために、懸命に捜査を進めていた。  一つ一つの証拠を丹念に検証し、洞窟内の環境や地形を調査した。塩分濃度計の異常な数値や理恵の遺体の状況から、地下の塩湖での出来事が鍵を握っていることを推測した。  鑑識官たちは、洞窟の各所で採取されたサンプルを分析し、塩湖の水質や地質に関する情報を収集した。同時に、理恵の周囲で見つかった物品や足跡などの証拠を集め、事件の全体像を明らかにするために努力した。  鑑識課のトップは川村隆夫警部補だ。  捜査チームは時間をかけて地道に捜査を進め、洞窟内での理恵の死の真相を突き止めるため、全力を尽くした。  塩湖の水は普通の海水よりもはるかに濃厚であり、水中で長時間過ごすと健康に悪影響を及ぼす可能性があることがわかった。理恵は、釣りを楽しむために毎回塩分濃度を測定し、安全な範囲内で活動していたのだ。  しかし、その日、何者かが彼女の塩分濃度計を操作し、極端に高い数値を表示させた。そして、その偽装された情報によって、理恵は塩湖での釣り中に体調を崩し、溺死してしまったのだ。  隼人は、裏切りの動機として、理恵が塩湖での釣りを独占しようとしていた仲間がいたことを突き止める。彼らは、理恵を排除するために計画を実行し、彼女の死を偽装したのだ。  捜査は、理恵の死の真相が明らかになったことで終結した。 『大下&龍造寺の事件簿』  以下のストーリーはフィクションです。    神田駅近くにある、『ジャバウォック出版』に勤務する大下義隆は編集長の龍造寺直樹を信頼し、組織内で重要な役割を果たしていました。ジャバウォックは、ルイス・キャロルによるイギリスの児童小説『鏡の国のアリス』にある架空の生物。同書の中に登場する詩『ジャバウォックの詩』の中で語られています。日本語では「ジャバーウォック」「ジャヴァウォック」「蛇馬魚鬼」「邪歯羽尾ッ駆」などの表記もあります。ラムトンのワームとソックバーンのワームの伝説が元になったといわれています。  大下は内村光良に似ており、対する龍造寺は柴田恭兵に似ています。  大下は去年まで高校教師をしていましたが、いじめや不登校などの問題に胃と精神をやられ辞めました。欠員があったことが転機となり、2011年の6月に入社を果たしました。  ある日、龍造寺が思わぬ行動に出たことで、大下の信頼は裏切られます。もしかしたら、読者は芥川龍之介の『杜子春』みたいな文体だと思われたかも知れません。  龍造寺は大下の信頼を裏切り、彼を脅迫します。敬語を使わないと暴力を振るうと脅し、大下を恐怖に陥れるのです。この予期せぬ裏切りにより、大下は組織内での地位や権力を失い、孤立してしまいます。  大下は、かつての信頼を寄せていた龍造寺に対する怒りと絶望に打ちひしがれます。彼はなぜ龍造寺が自分を裏切ったのか、その理由を探るために行動を開始します。  組織内での内部抗争や暴力の渦中に巻き込まれながらも、大下は龍造寺との対決を求めて孤軍奮闘します。彼は組織の信念と誇りを取り戻すために、不屈の意志と勇気を持って立ち向かうのでした。   「大下よ、文章を全部敬語にしろよ」と、龍造寺は大下に嫌がらせを開始しました。 「そしたら、また仲間に入れてやっからよ」 「勘弁してくれや」 「ところで大下、楽しんごってのが 最近売れてんな?ラブ注入ってのがおもしろよ」 「よく、分からへん」  大下は龍造寺に復讐することを決めた。  There's more to this story
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