魔力0の物理バカ

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 「情報をくれるっていう保証は?」  「この前話した通りだよ」  「あれじゃ信用できませんね。第一、あなたが“味方”である可能性ですら、怪しいですし」  「ははっ。参ったな」  あの組織とどんな関わりがあるにせよ、教官が一介の「教員」じゃないことはわかっていた。  私が調べた情報では、彼は世界環境保安機構(WES)が掲載する「10大最重要指名手配犯(ブラックリスト)」の第4位である“ウィリアム・トッド”を父に持ち、暗殺を家業とするトッド家の一員として、生まれた時から暗殺者として育てられた経歴があった。  そして、“彼は自分の兄弟を手にかけた”、という噂も。  「…なあ、味方じゃないって、どういう…」  ポカンとした表情で、ソラはこっちを見てくる。  この人は何も聞かされてないんだろうか?  教官がどういう人なのか、どんな経歴を持っている人か、学園でもよく話題に挙がっている。  女子たちの間では、端正な容姿に、長身かつスタイル抜群の外見からか、“闇社会の貴公子”というダークヒーロー的な側面で人気を博しており、ニッチなファンクラブもあるっぽい。  私はそういうのに興味はないけれど、教官が“ただの一般人”じゃないということは、さまざまな方面からも話題になっていた。  この学園にいれば、少なからずそういう“声”を耳にするはず。  3年も在籍してるなら、尚更。  「君も、僕が“犯罪者”だと思うのかい?」  「あなたが犯罪者かどうかには興味はないですが」  「じゃあ、どうして?」  「何がです?」  「僕のことを信用できないっていうのは、そういう意味じゃないのかい?」  「私はあなたが、この「国」の敵である可能性を考えてるんですよ。犯罪者であるという以前に」
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