8.Ⅹデーを越えて

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「いいに決まってます! これからもよろしくお願いしますね?」 「ばーか! 当たり前だろ」 「もう、私は確かに馬鹿ですけどそんなに馬鹿じゃないですよ」  楓が抗議すると、今度は美作が声を上げて笑った。  美作の笑顔を見て、この選択をしてよかったと心から思う。  きっとこれから先、ふとした時に殺された日を夢見るだろう。無い傷が痛む日もきっとある。  そんな時、殺された恐怖を思い出し、犯人を恨んでしまうこともあるだろう。  楓がした選択はその犯人とずっと共に生きていくこと。普通じゃない。そんなことわかっている。  けれど、美作が隣にいない時がもう想像できないのだ。 (流れ星にしたお願い、叶った、のかな……?)  一度は叶わないと思った願い。信じていた人達に裏切られ、現実から目をそらさないと決めた結果は、寂しい結末。  でも、ここからだ。  あの日の願いとはかけ離れた新しい幸せの形がここにある。 「美作先輩、二人で幸せになりましょうね」  美作の背中に腕を回し、温もりを感じながら、楓は心からそう思うのだった。 了
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