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「ね、一緒にお風呂入ってもいい?」
言った瞬間、周囲の空気が凍り付いた。
……いかん、ちょっと周囲の眼が痛い。
何だかエリィも使用人たちも唖然として僕の顔を見ていて、だんだんいたたまれなくなってくる。
確かに貴族の子供は親とか一族の大人とお風呂入ったりしないもんね……ちょっと非常識だったかな……
でもお風呂を怖がるのはたぶん水が怖いからで、懐いてる人が一緒に抱っこして入る事でだいぶ緩和されると思うんだ。
僕が帰って来たことに気付いたトリオがぎゅぅってしがみついてきたので抱き上げて、もう一度一緒にお願いしたら、なぜかみんな諦めたような顔で許可してくれた。
なんだか僕の事を見る目が妙に生温かい気がするけど、きっと気のせいだよね?
お風呂からあがって、ほこほこした可愛いトリオがうとうとしだしたので、このまま寝かしつける事にした。
ちょうどそこに帰って来たパトリツァ夫人と鉢合わせしたので「一緒に寝かしつけします?」って誘ったんだけどい……
何だか思いっきり気に障ることを言っちゃったみたいで、逆上されてしまった。
また失敗。
なんだかお前呼ばわりで怒ってるな~と思ったら、今度はエリィが怒りだした。珍しくいら立ちをあらわにして「勘違いしてませんか」と夫人を窘めたんだけど、もちろん逆効果。
夫人は聞く耳持たずにドスドス足音も荒く立ち去ってしまった。
ちゃんとエスピーア殿の事とかも話し合わなきゃいけないのに、困ったなぁ……
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