E12 疑惑の娘

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E12 疑惑の娘

 朝起きると、ディディはまず軽く鍛錬をして汗を拭き、朝食を済ませてトリオの相手をする。  今朝は伝い歩きをはじめたばかりのトリオの手をとって、歩く練習につきあってくれた。よちよち歩くトリオと、そのトリオを笑顔で見守りながら手を引くディディ。朝の光の中で、彼ら自身が輝いているかのように見える。 「アナトリオ様、お上手ですよ。もうこんなところまで歩いて来られました。さ、お父様のところまであと少しです。もうひと頑張りですよ」 「だぁっ!!」  笑顔で励ますディディに応えてトリオがきゃっきゃと声を立てて笑う。  可愛い、可愛すぎる。  きっと彼らは天使に違いない。 「お父様のところに到着!よくがんばりましたね」 「よくやったな、これでこそ私の子だ」  ついに俺のもとにたどり着いたトリオを抱き上げて頬ずりすると、実に嬉しそうにしがみついてきた。  傍らで嬉しそうに見上げてくるディディの瞳もキラキラと輝いていて、とても幸せそう。  朝から使用人たちとともに尊い光景にすっかり癒された俺は上機嫌で登庁した。
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