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「でも、最近はお仕事がとてもお忙しいらしくて、なかなかゆっくりお話しできませんの。だから、プルクラ様をお招きしたいと申しましたら、仲の良いお友達をお招きできるのは素敵だね、と喜んでくださったのよ」
「まあ、なんて光栄なんでしょう。パトリツァ様、どうかこれからも仲良くしてくださいませね?」
「ええ、喜んで」
すっかりお話が盛り上がり、プルクラ様との友情を育んだところでだいぶ日も傾いてしまいました。
「申し訳ございません。そろそろお暇しませんと、家のものが心配しますので……次は我が家にもいらしてくださいね?」
「もちろんですわ。今日はお越しいただきありがとうございます」
残念ですが、二人きりのお茶会はお開きにしてプルクラ様はお帰りになることに。
玄関までお見送りしようと参りますと、ちょうど旦那様とあのお方が馬車から降りてこられたではございませんか。
「旦那様、こちらはティコス男爵家のプルクラ様ですわ。ちょうど今お帰りになるところですの」
「ごきげんよう、プルクラ嬢。今日はお楽しみいただけましたか?」
「本日はお招きありがとうございます。とても楽しい時間を過ごさせていただきました。次はぜひ我が家にお越しくださいと、奥様にお願い申し上げたところですのよ」
「それは良かった。これからも妻をよろしくお願いいたします」
こんな社交辞令が交わされる中、プルクラ様は笑顔でお帰りになりました。
ついさっきまでご一緒だったのに、もう次にお目にかかるのが待ちきれない心地でございます。
今日は本当に楽しい一日でございました。
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