エピローグ 仲良くならんで

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「いいけど、劇の台本はどうするんだ? 今日と明日で書いてしまわないと間に合わないぞ?」 「もぉー、せっかく光平の部屋に戻って来たんだから、もうちょっとだけゆっくりさせてよぅ。もうねぇ、このベッドにぃー、こうやって腰掛けたかったのっ!」  ベッドに腰掛けて足をパタパタさせた風子。  僕は「はいはい」なんて言いながら、ポケットから取り出したそれをそっと机の上に置いた。  真っ白な、僕のスマートフォン。  あの日、『うしろの風子』と出会わせてくれた、僕の宝物だ。 「あー、光平のスマホ、修理から戻って来たんだねー」 「うん。昨日の夕方、ショップに取りに行ったんだ。……ん? どうした?」 「へへーん」  満面の笑みの風子。  その笑みの前で振られているのは、スカートのポケットから取り出された風子のスマートフォン。  なにがそんなに嬉しいのか、その顔を見てこちらも思わず笑みが出る。  すると風子は、その笑みのままよいしょっとベッドから立ち上がると、それから僕の前に身を乗り出して、その真っ白なスマートフォンをそっと机の上に置いた。  僕のスマートフォンの、となり。  行儀よく、そのふたつがそこに並ぶ。
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