呼吸のできない僕たちは

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※※ 今日は雲が少なく自室の窓からは星が良く見える。仄かな光を放つ月の光に寄りそうように宝石の粒子をまき散らしたような星空を見上げながら、僕がベッドの下に布団を引き終われば、歯磨きを終えた涼介が部屋に入って来た。 「あー。すっきり」 「あれ。僕のTシャツやっぱ、ちっちゃい?」 「まぁ、Mだから小さめだけど寝るだけだしな。さんきゅ」 「どういたしまして」 涼介がゴロンと布団に寝転がるのをみながら僕はメイクに関する物が涼介の目に入る範囲のところにないことをさっと確認してから電気を消す。 「やば。気持ち。布団いい匂いだし」 「だね」 「あ、てか真央。俺の枕取っていい?」 僕は涼介の言葉に随分前に涼介が置き去りにしたままのグレーのカバーがついた枕のことを思い出す。 「うん、あれ。どこ置いたっけ? アレずっと洗ってないし下、取りにいってくるよ」 「いやいい。てかここ入れた」 (??) そう言うと涼介が迷わずクローゼットの引き戸に手にかける。 (あ、やば!!) 「待って!!」 僕は慌ててベッドから起き上がって涼介に駆け寄ろうとしたが、タオルケットに足を引っかけて涼介の布団の上に転げ落ちた。 それと同時にクローゼットの扉が開き、雑に押し込んでいただけのメイク道具と雑誌が一気に雪崩を起こして床に散らばった。
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