Reave for a Life短編 Yukemuri winter

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後はシャワーで身体と頭を洗い、もう一度ゆっくりと使った後に待ち合わせ場所に戻ることにした。 「お、シノにノエルも上がったか。結構いい湯じゃなかったか?」 「そうだね、伊吹と蓮も楽しんだの?」 「おうよ、蓮は其処のマッサージチェアに揺られてるぜ」 伊吹が指さす方を見ればそこでは卵型の大きなマッサージチェアに揺られて心地よさそうにしている蓮の姿があった。 今流行りの全身マッサージ機らしいけど、蓮も使ったりするんだろうか? 「あ、東雲も上がったところ?」 「まぁね、いいお湯だったわよ。ところで蓮は何してるの?」 「見ての通りマッサージ、エイケンと演劇の両立は大変だからね」 そっか、考えてみればどっちも身体を酷使する作業だ。 演劇は言うに及ばず、エイケンも編集や調査などでパソコンと向き合う時間も多い、肩や手首は大分悲鳴上げるだろう。 だから蓮の場合は身体の不調も合わせての湯治か。 「そう、ところで伊吹も蓮も何飲んでるの?」 「俺は決まってのコーヒー牛乳だ、風呂あがりと言えばやっぱこれだな」 「僕はヨーグルト、まだ身体には気を付けたいからね」 風呂上がりの飲み物か、確かにいいものかもしれない。 ノエルも羨ましそうに見ているし財布の中身も余裕がある。 幾つか見繕うとしますか。 「ノエル、何飲む?」 「フルーツ牛乳!宮古お姉ちゃんは?」 「私は何にしようかな」 冷蔵庫の中にはぎっしりと飲み物が並んでいる。 帰ったらご飯を作る必要もあるからここで飲みすぎるのも問題だ。 オーソドックスな牛乳一本にするとしようか。 「すいません、フルーツ牛乳と牛乳、それとソーダバー1本で」 「はいよ、300円ね」 お金を支払って牛乳の中身を一気に煽る。 火照った体に冷たい牛乳が一気に浸透してきた。 なるほどこれは病みつきになるのも分かる。 ノエルもノエルでフルーツ牛乳をソーダバーと一緒に食べながら飲んでいた。 「宮古お姉ちゃん、これ美味しいね」 「うん、また来たくなっちゃうね」 ノエルの言葉に頷きながら残った牛乳を飲む。 2週間に1回くらいならここに来るのもいいかも知れない。 新しい楽しみが増えるのはいい事だ。
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